家づくり関係のお話

<スポンサードリンク>

屋内の温度に関する健康調査のための機器の設置を行いました!

冬の屋内における寒さが、如何に健康に影響を与えるか?
この関係を明らかにするための全国調査の一環として、
大阪府住宅供給公社さんにご協力頂き、公社さんの建物にて、
協力者を募り、調査を実施致しました。

今回の調査は、以下の様な流れで行われます。

1.冬場に現在の建物内にて、リビング、寝室、脱衣室の温度や湿度を計測
 同時に、居住者の血圧や運動量を測定

2.その後、断熱改修工事を実施(補助金が最高で120万円利用できます)

3.断熱改修後の冬に改めて、建物内の、リビング、寝室、脱衣室の温度や湿度を計測
 同様に、居住者の血圧や運動量を測定

今年の冬は、1番の調査をまずは実施した段階です。
調査にご協力頂いている居住者の方の中には、

「冬が寒くて仕方がない、窓にプチプチを貼ったりして工夫しているが、それでも寒いので困っていた」

と、言ったような悩みを抱えている方が殆どでした。

おんどとり設置
温度や湿度を計測する機械の設置

調査と言っても、複雑な事をお願いする訳ではありません。
調査の内容としては以下です。

・上記の写真のように、時間が来れば自動的に室内の温度や湿度を測定する機械を置かせて頂く。
・起床時、就寝時に血圧を測って頂く(通常の血圧計です)
・万歩計のような活動量計を付けて頂く

といったような内容です。
この調査を約2週間行わせて頂き、その結果を元に、
分析を行っていくと言った感じとなります。

おんどとり設置2
温度や湿度を計測する機械の設置

そして、断熱改修ですが、
基本的には、
・窓の高断熱化の実施(窓の内側に更に樹脂の高断熱窓を設置。又は窓自体を高断熱窓に改修)
・床や壁、天井に断熱材を敷設

と、言ったことがメインです。
こうすることで、同じように暖房しても暖房の効きがよくなります。
また、更には部屋間の温度差も出来難くなり、そうなった状態で、
上記で調べた、温度や湿度、血圧や活動量にどのような違いが出るのかを分析すると言った試みです。

おんどとり設置3
温度や湿度を計測する機械の設置

今回、この調査は大阪府住宅供給公社さんのご協力のもと、
集合住宅にて行わせて頂きました。

※もちろん、集合住宅だけでなく、戸建住宅でも調査は可能となります。

特に、集合住宅では、外気に晒される端部屋が環境的に厳しいです。
お隣に挟まれている住戸は、隣同士で温めあっていて、
比較的、暖かく過ごせています。

上の階や下の階に部屋がある場合も、居住者がいればお互い温めているのと同じとなります。

ですので、今回は特に端部屋の方にご協力頂きました。

まだ、調査は始まったばかりで、どのような結果が出てくるのか、
今の時点でハッキリとしたことは言えませんが、冬場に寒い環境で過ごすことは、
イギリスやアメリカなどでは、公的に健康リスクのあることだと明記されています。

それを公的に調べて、事実であると明かすことが出来れば、
これは世界で初めて成功した事になります。

今後の日本の住宅の在り方を考える上でも大変貴重な調査となります。
もし、この調査にご興味のある方は、是非ご一報下さい。

お問い合わせ

 

防火に関する研究を行っている安井先生の講義を伺いました!

本日は、私がお世話になっている近畿大学にて、
特別講義として、生徒さん達に紛れて防火に関する実験や研究を行われている、
安井先生の講義を受けてきました。

安井先生は、ご自身で建築設計事務所を営む傍ら、
木という物が利用次第では如何に燃え難いものであるかを実証するための実験を多く行われており、
実際に建てた、木造校舎を燃やすと言う、壮大な実験を行われたこともある方で、
そこから分かった事は、我々の現在の建築に活かされています。

今回の講義では、様々な実験から分かってきた木の可能性について、
いろいろ教えて頂きました!

まず、防火において大切なことは、実際の火災で人が死に至るのは、
煙によるものが殆どです。
つまり、

鉄骨だから良いとか、木造だから良いとか、鉄筋コンクリートだから良い

と、言うのは殆ど関係なく、内装が如何に燃えないようにするのかが命を守る上で、
とても重要だと言う事でした。

燃え始めてしまえば、たった30秒で一酸化炭素濃度は10%にも至り、
その空気を吸えば死んでしまいます。

こういうことを如何に防ぐかが、死亡事故を防ぐためには重要だと言う事でした。

そして、内装材を如何に燃えないようにするかと言う点においても、
火が出る可能性のある場所から、1m程度の範囲で燃え広がるものが無ければ、
火事が広がることが無いと言うことが実験によって分かっているとのことです。
こちらは、実際に動画でその実験の様子を見せて頂きましたが、確かにそうでした。

そして、更に凄い(意外な)ことに、壁の内部側(内装)に木材を使っていたとしても、
何と、燃え広がることが無いと言うことも、実証されています。

つまり、木は正しく利用(厚みとか適切な場所の検討さえ)すれば、内装で利用しても出火した火を広げるように作用しなくなる。
それどころか、燃え広がりを抑える効果があると言う事を、実験によって証明されたのです!!

この他にも、目からウロコが落ちるような沢山のお話を聞かせて頂き、
私もとても勉強になりました^^

木材に対して抱かれている誤解を、解いていく必要が今後はありそうな気がしています。

防火の安井先生
自らの講演のチラシを撮影

講義後は、安井先生と夕食をご一緒にさせて頂きました。
他愛も無い話も沢山させて頂きましたが、

「我が息子を(この先の時代を睨んで、)どのように育てるべきか」

と、言った話をお伺いした際に、

「何かを強制するのではなく、本人が望んだ時に選択が出来るように、
 選択肢が広がる育て方をすることが重要じゃないか」

と、言って頂いたことにとても共感し、そのために親としてしてやれることは何かを考えるようになりました^^

公私(?)ともに、良い勉強になりました~

 

空気調和衛生設備工学会 省エネルギー委員会 シンポジウムが開催されました!

この日、一般社団法人の空気調和衛生設備工学会の
省エネルギー委員会、住宅指針改訂検討小委員会と言う、委員会の主催で、
専門家向けのシンポジウムを開催致しました!

私も委員をさせて頂いているのですが、簡単に言うと住宅に設置する設備機器の
省エネルギー性能についての指針を検討しようと言う会なのですが、
この日は、委員会のメンバーの先生方が普段建築に携わる、専門家向けに最新情報を
提供すると言った趣旨で、シンポジウムが開催されました。

参加者の方々も、ハウスメーカーや建材メーカーなど大手企業の技術開発の方や
工務店さん、建築士、公的な機関で勤務されている建築関係の方など、
様々な種類の方々が参加されました。

省エネ委員会
シンポジウムの様子

この日、メインで話をされたのは、神戸大学の高田先生です。
この日、高田先生は、断熱リフォームを行った際に、その効果がどの程度のものなのかを
正確に計算出来るように、実際の建物をリフォームした前後で、温度や湿度などを計測し、
ご自身で作られた計算と照らしあわせてみると言ったことをされている一部をご紹介されていました。

さまざまなリフォームのケースにおいて、この計算が成り立つように、
今後も研究を続けて行かれるとの事です。

2部では、専門家によるパネルディスカッションが行われました。
パネルディスカッションとは、あるテーマについて専門家同士が、
自身の意見をぶつけ合うと言った趣旨のものが多いです。

今回は、「国土交通省国土技術政策研究所」の方も参加され、
とても面白い意見を仰っていました。

現状日本では、如何に建物の省エネルギー性能を上げるかについて、
いろいろな角度から検討されています。

「本当に省エネを実現するためにはどのようにすべきかと言った時に、
 単純には、今の電気代を3倍にすれば、皆が使いづらくなるので、
 簡単に実現できるだろう。」

「しかし、実際にはそんな簡単にはいかない現実があって、
 では、建物の省エネルギー性能を一般の人が見て分かるようにすれば、
 自然と、省エネルギー性能の高い建物が高付加価値のものとなっていくのではないか。」

と、言った話をされていまいした。
事実、今後の方向性として、建物の省エネルギー性能を表示する、
ラベルを建物の売買の際に、提示しなければならないようにすると言ったような話もあるようです。

なるほどと、思う反面、多くの一般の人は、

「何故、それほど省エネが必要なのか?」

と、言ったところで疑問に思っている方が沢山いらっしゃると思います。
その部分をもっと明確に、分かり易く、普及啓発していく必要があるのではないかと、
個人的には思っています。

そして、省エネと言う議論はどこか住まい手にとっては、
遠い話のように聞こえてしまっていると思います。

これから予想されている未来が如何に深刻な状況になると、
考えられているのか。そのために我々は何をすべきなのか。

と、言った視点の話をもっとすべきでは無いでしょうか?

また、エネルギーを輸入に頼っている点が、
国にとって、ひいては私達の生活にとって、
どれだけ影響があって、どれだけ改善すると生活が変わるのかを
もっと真剣に、分かり易く伝える必要があるのでは無いでしょうか?

こういう事は、政治家の仕事で我々が率先することではない。
と、考える方も多いと思いますが、それはその人自身が、
「現実としてどの程度リアルに受け止める方が未来の子供たちのために得策か」
と言う視点を持ち合わせた上で判断すべきじゃないかと思っています。

もちろん、私自身もそう言う視点で判断すべき人間の一人だと思います。

とても考えさせられる、良いシンポジウムでした。

 

大勢のプロの前でお話させて頂きました! スマートウェルネス事業の説明会

住まいを高断熱化して、快適で省エネな住宅にすることで、健康的な生活環境になると言う事を、
学術的に証明するためのスマートウェルネス事業。

今回はこの事業の趣旨や実際のリフォームの方法についてを、
この事業に参加されている工務店さんや建築関係者の方々に説明するための講師として、
お話させて頂きました。

今回のスマートウェルネス事業では、リフォーム前と後で、屋内の環境(温度や湿度)がどのくらい変わったか。
そして、住まわれている方の健康状態にどの程度の変化があったのかを調べています。
ただ、高断熱リフォームと言っても、ある程度の「高断熱」にしなければ、
その好影響はなかなか数字として表れ難いです。

ですので、どの程度の高断熱化を目指すべきなのか?
また、専門家として工務店さんや建築関係者さんはどんな提案をするべきなのか?

等と言ったようなお話をさせて頂きました。

スマートウェルネス事業の説明会
大勢のプロの前でお話させて頂いています。

実際のリフォームでは、元々の建物がどういった建物なのか?
そもそもリフォームするのに相応しい建物なのか?

と、言ったような視点からも考える必要があります。

また、断熱化と言っても、新築とは違い限界があります。
その限界をふまえながらも、どういった提案をすべきで、どのような話し合いが行われるべきかなどについて、
お話させて頂きました。

その中で特に強調させて頂いたのが、

「ゾーン断熱」と言う考え方です。

このゾーンとは、実際の生活動線を想定し、
家全体を高断熱化するのではなく、適切な範囲だけ(例えば、1階だけとか)を
断熱すると言う提案の方法です。

家全体を高断熱化しようとすれば、それ相応のお金が掛かります。
しかし、本来であれば「子供が自立して、もう使っていない2階」
は、普段あまり使われることがありません。

ですので、ここまでの範囲を高断熱化する必要が本当にあるのかどうかを
話し合いで決めることが大切だと言うお話をさせて頂きました。

また、逆に言うと、普段から使用している生活空間は、
冬場の温度差を無くすために、高断熱化すべきです。

トイレやお風呂といったような場所は、暖房する空間ではないと言う意識を持った方が多く、
リビングだけと言ったような話になりがちですが、ここは是非一緒に高断熱化すべきだと思います。

このような観点から、「ゾーン計画」というものを決めていくと、
なるべく必要最小限(工事費用もそうですが、暖房などの光熱費にも差が出ます。)の範囲を
上手く計画することが出来るのです。

そして、何よりも重要な事は、今までのリフォームとは違い、
この高断熱化のリフォームは「古くなったから仕方がなくするリフォーム」ではなく、
住まい手の「生活の質を向上させるためのリフォーム」であり、
将来にわたって、元気で快活に生活出来ることを目的としたリフォームであることを
上手く伝えて貰うことが重要だと言うお話をさせて頂きました!
(ただし、リフォームをすることで健康になると言う表現は、誤解を与え兼ねないので、
 避けるべきだと言うお話もさせて頂きました。念のため)

 

暮らしから始まる健康セミナーで、お話させて頂きました

今年も「暮らしから始まる健康セミナー」と題して、
お医者さんと共に、住まいと健康との関連性についてのセミナーで、お話をさせて頂きました!

今まで、日本の住まいにおいてはあまり「住宅」というものが健康との関連性があるという話は、
殆ど知られていませんでした。

しかし、近年様々な医学的、建築学的な研究の結果、
住まいは我々の健康に影響を及ぼしていそうだと言うことが分かってきています。

このセミナーは、医者の立場、建築士の立場から、今分かってきている、
住まいと健康との関連性についてのお話が中心となっています。

これから、家づくりを考えようと言う方は、メモを取りながら、
真剣に話を聞いて頂きました。

医学的な住まいと健康との関係
小見山医師による医学的見地からのお話

まずは、最初にお医者さんの立場から小見山先生による、
生活習慣と病気との関連についてのお話です。

70代以上の方が疾患に掛かる原因の大部分が動脈硬化によるもので、
動脈硬化は、40代頃からの生活習慣の蓄積によって、徐々に硬化していくものだと言うお話です。

血圧が高いと、動脈硬化になりやすく、温暖な状況にいることで、
血圧は下がる傾向になると言うお話もありました。

また、心疾患は冬場に多くなる事実は、やはり寒さとの影響が高そうだと言う事もお話の中でありました。

これらから言えることは、
「暖かく過ごすことは、血圧を低く保つ効果があり、心疾患などのリスクを減らせそう」

と、いったことが言えそうです。

建築学的な住まいと健康
建築学的見地から、住まいと健康との兼ね合いについて講演

そして、私の方からは、近年の屋内事故が如何に多いか。
また、その原因となっているものが、浴室内での溺死やヒートショックによる心臓麻痺、転倒などが多くを占めている事実から、
屋内温度差を小さくすることの重要性や、イギリスにおいては屋内温度を規定(16℃未満は健康に影響あり)する法律がある話などをさせて頂きました。
つまり、冬でも健康へのリスクを減らすには、暖かく出来る環境にあることが大切であると言うお話です。

そして、その環境を実現するためにはどのような住宅が良いのか。
また、そのような住宅は実際に(健康以外にも)どのような好影響があるのかといった、話もさせて頂いています。

湿気とアレルギーとの関連についての話や、
屋内を木質化することが、体に良い影響を及ぼしているという話。

また、シックハウス症候群が何故起こり、
その対策として、今の住宅はどのようになっているのか。

と、言ったお話をさせて頂きました。

これから、家を建てる。あるいは、リフォームする。と言った方にとっては、
必ずや知っておくべき内容だと私は思っています。

最近では、
「機械やIT技術を駆使して、健康的に暮らしましょう」
と、言った向きの話があるようですが、
機械はいつか壊れるものですし、建物に比べると非常に寿命が短いものです。

そこから考えると、やはり家を建てる時は、
機械に頼った住宅にするよりは、

「建築的にシッカリと工夫をして、健康的に暮らせる家」

を実現することが、重要なのでは無いでしょうか?

少なくとも、私はそう言った住宅を提案することが、
とても重要に感じています。

 

スマートウェルネス住宅の調査委員会が開かれました!

スマートウェルネス住宅の調査委員会が東京にて開催されました。
一年に1回あるこの委員会では、全国の名だたるお医者さんや、
建築の大学教授の方々が集まられます。

今年の報告会と新年からの方針について、
話し合いが行われる場です。

報告の部では、今はまだ公に出来ませんが、
早速、調査の集計結果と、それに関して分かってきたことが
発表されました。

今まで日本の住宅業界が軽視してきた事柄に対しての新しい知見と言えます。
今回の冬で、リフォーム後の健康調査が行われ、その結果から色々なことが
分かってくるものと思われます。

今まで、感覚で分かっていてもハッキリと証明されていなかったような事柄や、
今まで想像だにしなかったような結果も出てくるかもしれません。

次の委員会における結果にとても関心を持っています。

SWH調査委員会
委員会の様子

委員会の翌日は、NICEと言う会社さんがスマートウェルネス住宅の事業に平行して、
新たにオープンされた、神奈川県横浜市の鶴見区にある「スマートウェルネス体験パビリオン」に行ってきました!
パビリオンの内部は撮影禁止でしたので、感想だけになりますが、
中には様々な体験ブースが設けれていて、とても感動的でした^^

1種換気、2種換気、3種換気(違いや意味についてはこちら)の空気の流れの違いが目で見て分かる模型。
自然の風の流れを取り込む手法を取り入れた住宅の効果が見て分かる模型。
電力の発電にどれだけの労力が必要かが分かるブースなど、
様々なブースが用意されていました。
(※パビリオンは予約制ですので、もし興味のある方は事前に予約されることをお勧めしたします。)

中でも、取って置きの場所は、断熱リフォーム前後を比較体験できるブースです!
このブースでは、断熱リフォーム前後の部屋が用意されていて、
中の温度や湿度だけではなく、自身の血圧を測定したりできる計測機器が
設置されていて、来場者なら自由に利用できます。

また、利用されている暖房器具がどれだけ違う電力量になるのかが
ひと目で分かるようなモニターも設置されていて、断熱リフォーム効果をタップリ
体験できるパビリオンとなっています。

リビングに面した中庭
パビリオンにある杉のデッキ

また、パビリオンの横には高断熱仕様で建築されたモデルルームが併設されていて、
NICEさんが建てる住宅とはどんなものかを知ることが同時に出来るようになっています。

元々、NICEさんは木材を扱う業者さんで、戦後間もなく誕生した会社さんです。
そんなNICEさんが扱う杉は特殊な杉で、屋外のデッキに利用しても全く問題ないと言う事で、
杉の木で作られたデッキが設置されていてその先には、屋外コートが広がっています。

リビングに面した中庭
パビリオンに併設した屋外のコート

都会のど真ん中で、清々しい気持ちにすらさせてくれる、
この贅沢なパビリオンは、とても見る価値がありました!

リビングに面した中庭
パビリオンに併設したモデルルーム

東京近郊に住まれている方は、是非一度体験されてみると良いと思います!

 

スマートウェルネスリフォームとは? エコプラザさんセミナー

スマートウェルネス住宅とは何か?

現在、国交省が主導する、スマートウェルネス住宅等推進モデル事業において、
住宅の断熱性能を改善するためのリフォームに対して、補助が行われている事業があります。

こちらの事業では、「スマートウェルネス住宅研究開発委員会」が調査主体となり、
住空間の断熱性能を高めることにより、住まい手の体調が如何に改善するかと言った、
調査が実施されています。

今回の補助制度は、その一環で、断熱リフォーム前後で、
如何に冬場の屋内温湿度が変化するのかや、血圧や活動量にどのような
変化が生じるのかが調査されています。

今回のこの調査に協力頂ける方には、リフォームに要する補助金が
与えられると言った仕組みです。

リフォームセミナー
セミナーの様子

大阪にある、ATC(アジア太平洋トレードセンター)さんの中には、
エコプラザと言う場所に、断熱リフォームを実現させるためのエコ建材を展示したスペースがあります。
今回のセミナーは、このエコプラザさんが主催で、エコプラザさんの存在をもっと多くの大阪府民の方に
知って頂くためのセミナーで、大阪市住まい情報センターさんの場所をお借りして、開催されました。

窓の改修方法
窓の改修事例を実演

今回、私は講師としてご依頼頂き、エコプラザさん主催のセミナーで、
そもそもリフォームとはどんな種類のものがあり、どういった効果があるのか?
スマートウェルネス住宅とは何か?現在のリフォームに対する補助制度にはどんなものがあるか?

と、言った内容のお話をさせて頂きました。

私は現在、スマートウェルネス住宅等推進モデル事業の採択を受けた、
おおさか健康・省エネ住宅を促進する国民会議の事務局を兼ねているので、
現在の国交省が主導する、これらの事業内容や補助金制度についての説明。
また、スマートウェルネス住宅研究開発委員会が主導している、
調査事業についての説明も行わせて頂きました。

セミナーに参加された方々は、とても真剣に私の話に耳を傾けて頂き、
最後の質問コーナーでは、かなり沢山のご質問を頂き、ご好評だったようです!

最近では、新築住宅に高断熱住宅を望まれる方は、かなり増えてきたと感じていますが、
リフォームに関しても、そのような事が可能だと言う事をご存じの方はまだまだ少ないです。

一方で、家が寒いと悩んでいる方も多く、やはり一般の多くの消費者の方に
認知されるまでには至っていないと言うことのが現状です。

諸外国では、一般の住まい手が自身の住んでいる住宅を手入れすることが当たり前です。
ですから、リフォームをする際の動機も、

「自身の生活をより良くするため」

と、言った意識が非常に高く、動機が前向きです。
しかし、日本の住まい手にとって、家は手入れするものという意識は希薄で、
リフォームする際の動機も

「古くなったから仕方なく」

と、言った後ろ向きな動機が多いようです。

ですから、

「リフォームでお金を掛けてまで、「快適」にする必要がどこにあるのか?」

と、考える人がまだ非常に多いようなのです。

自身の生活の質に対して、家の質や快適性は全く別のものだと考えているようなのです。

家電や車・服に食事などにはかなりの「質」を要求する日本人ですが、
住まいに関してだけは、殆ど無頓着と言った状況です。

この状況が長く続いているために、なかなか「リフォーム」と言うものが、
日本人の生活に定着していないと言うのも、事実のうちの1つだと考えます。
(本当は日本の制度的な側面も大きいのですが。)

しかし、「断熱リフォーム」は、明らかにご自身の生活の質が
変わりうるリフォームです。

もし、断熱リフォームをしてみたいと興味があれば、
是非、お問い合わせ下さい

お問い合わせ先「おおさか健康・省エネ住宅推進協議会」

 

スマートウェルネス住宅シンポジウムを開催致しました!

生憎の台風となってしまったこの日、スマートウェルネス住宅の普及啓発活動の一環として、
大阪におけるシンポジウムが開催されました!

多くの建築関係者が詰めかけ、100名を超える参加者となりました。

司会者
シンポジウムの司会進行役を務める太田

スマートウェルネス住宅とは、省エネで且つ健康維持や増進につながる住宅の事を指します。
今回のシンポジウムでは、
・スマートウェルネス事業の現状と今後、
・住まいと健康との関連性
・スマートウェルネス住宅が大阪と言う地において、どのように普及されるべきか。
・実際のスマートウェルネス住宅へのリフォーム事例報告

と、言った流れで開催されました。

上原 裕之
スマートウェルネス住宅推進事業の現状について話をする上原理事

まず、最初に今回の主催者である、(一社)健康省エネ住宅を推進する国民会議の上原理事より、
スマートウェルネス住宅等推進活動に関する現状と、今後の展望についてのお話がありました。

そこでは、新たに政府の各省庁や、医師会・看護師会などと連携して、
スマートウェルネス住宅の在り方を検討する委員会が発足した旨の報告がありました。

江里健輔 先生
基調講演に登壇頂いた、山口県立大学の江里理事長

山口県立大学の江里健輔先生(山口県立総合医療センター元院長)の基調講演では、
住まいが健康に与える影響についてのお話が行われました。
特に、「心臓疾患」に対する影響は、温度差による要因も大きく、
住まいにおいても、温度環境を整備することの重要性をお話頂きました。

同時に今の医療制度が抱える問題点のお話にも至り、とても貴重なお話を聞かせて頂きました。

パネルディスカッション

パネル・ディスカッションの様子

後半には、おおさか健康省エネ住宅推進協議会の事務局長でもあり、
NPO法人地球の会の事務局長でもある、佐藤善秀氏が進行役となり、
このスマートウェルネス住宅が大阪においてどのような形で、どのように普及されるべきかつにての、
パネルディスカッションが行われました。

今回のスマートウェルネス住宅は、住宅単体だけの問題に限らず、
地域全体として、高齢者に対する支援を行なうと言う考え方に基づいた、
地域包括ケアシステム」とも、深い関連性があります。
そこで、看護師である三輪五月氏による、地域包括ケアシステムにおける、
住まい環境の重要性についてのお話がありました。

より自立した高齢者の生活を実現すると言う観点からも、
寒い自宅で過ごすよりも、温度環境の整った住まいで過ごせるようにすることが、
今後の社会には必要となるようです。

また、COOPでおなじみの日本生活協同組合連合会(生協)の
品質保証本部安全政策推進部長である、鬼武一夫氏によると、
高い品質のものを提供する事が目的である生協は、
スマートウェルネス住宅が真に消費者にとって、重要なものであると言う位置づけられる
ものとして、普及啓発の協力が可能である旨のお話を頂きました。

また、大阪府まちづくり部都市居住課の三崎課長からも、
大阪におけるスマートウェルネス住宅の在り方について、
今後も継続して議論すべきである旨のお話があり、今後も引き続きその位置づけについて、
話し合いが行われる予定です。

また近畿大学の岩前教授からは、現在、スマートウェルネス住宅等推進事業の一環として行われている、
住生活空間の省エネルギー化による居住者の健康状況の変化等に関する調査事業」が、
もたらしうる意味や、大阪における調査の重要性などについてのお話がありました。

また、パネル・ディスカッションにおける江里健輔先生のお話では、お医者さんによる、
普及啓発が理想的であると言う見解の一方、お医者さんにその明確なインセンティブがない限り、
なかなか医者の立場としての普及啓発を行なうことは難しいのでは無いかというご意見もありました。

総じて、国が推進しているこのスマートウェルネス住宅が如何に重要であるのかと言う事を
多くの方に理解して貰う必要があり、概ねその啓発に向けた方向性は関係各所で同じであると言うことと、
国の明確な基準とするためには、エビデンス(調査結果)が今後の方向性を位置づけるであろうことが確認されました。

 

スマートウェルネスハウスの全国工務店サミットでお話させて頂きました!

スマートウェルネスハウスを普及させるための事業の一環として、
全国の普及啓発活動に協力してくれている工務店さんのサミットが開催されました。

私はその中で、講演をさせて頂きました^^

工務店サミット
工務店サミットの様子

最初に、一般社団法人健康省エネ住宅を促進する国民会議の上原理事がお話に立たれました。
上原先生は、本業は歯医者でありながら、90年代にご自身が施主となり建てられた自宅にて、
ご家族が患われた症状の原因を突き止めようと、最初の活動を始められました。

後に上原先生が名付けられた、「シックハウス症候群」は、全国的な問題となり、
やがて建築基準法が改正されました。

その後、再度建てられた住宅において、今度は室内の温熱環境が原因で、
また、新たな症状が発症しました。再び上原先生が中心となり発足したのが、
「健康・省エネ住宅を促進する国民会議」です。

今回、この国民会議の活動としては、国が主導で行っている、スマートウェルネス住宅等推進モデル事業にて、
室内の温熱環境が如何に健康に影響を与えるのかを調べるための疫学調査の協力を行っています。

そして、この活動に賛同する工務店さんが、今回全国から集まってきて、
工務店サミットなるものを開催することになりました。

このような経緯で集まった方々の数は、ゆうに150名を超える数だったようです。
その方々の前で、今後、集まった工務店さん達の有益な情報となるように、
私が依頼されて、講演を行いました。

今回の調査においては、断熱リフォーム前後の健康状態を比較することによって、
それが人体にどれほど影響を与えるものなのかを調査しています。

ですから、断熱リフォームで屋内の温度状況が、ある程度改善される事が
比較調査では重要になります。

これらの点を踏まえて、どのようなリフォーム提案を行なうことが、
今回の調査に対して、有益な結果に繋げられるのかと言った観点から、
なるべく、断熱効果を最大化して、元々住んでいた家の温度の状況より、
遥かに安定して、温度状況が変わるように、一旦はお施主さんに提案する必要があります。

もちろん、疫学調査なので温度環境が変わった結果、
健康状態に改善が見られたのか、それとも全く見られなかったのかは、
今のところ確定的な事は言えません。

しかしまずは、温度環境がハッキリと変わったと分かる程度まで、
断熱リフォームを行なうことが重要です。

今回のスマートウェルネス住宅など推進事業では、この断熱リフォームに対して、
補助金が交付されます。掛かった費用の半分か又は最高120万円がその補助額です。
この補助金を貰うことが目的になってしまうと、大した断熱リフォームで無くても、
補助金が貰えてしまうことになります。

補助金を貰うためには、今回の疫学調査にお施主さんが協力することが必須なのですが、
断熱リフォームに対する基準が低く、場合によっては劇的な温度環境の改善が見られない場合があるのです。

そう言った事を防ぐためにはどうしたら良いかと言った、根本的な基準のお話をさせて頂きました。
リフォームですので出来ることは限られていますが、その中でも出来る限りの断熱リフォームを施し、
温度環境の改善を行なう提案をまず行なうことが重要というお話をさせて頂きました。

当然、予算は限られているので、実際には出来るリフォームは異なることがあるとは思いますが。

 

9月9日(水)スマートウエルネス住宅等推進事業シンポジウム開催!

本年も、スマートウエルネス住宅等推進事業の一環として、大阪府さんの後援を得て、
シンポジウムを開催致します。

今年のテーマは、
『関西型の健康的で省エネな住宅リフォームの検討と推進について』
と、題して大阪に求められるスマートウェルネス住宅とはどんなものか?
また、スマートウェルネス住宅が大阪府下においてどのように役立つのかを話し合います。

また今回、基調講演をして頂ける山口大学理事長の江里先生は、循環器系疾患における大家の先生で、
毎回、とても面白いお話をして頂ける先生です!

住まいと健康との関係について、お医者さんから新たな知見が得られるかと思います。

【趣旨】
大阪府において、2000年にシックハウスを考える会(現健康・省エネ住宅を推進する国民会議)が大阪府医師会の協力のもとに行った疫学調査が国を動かし、シックハウス対策に関する建築基準法の立案にまで至りました。そして昨年度、新たに全国の医学・建築の専門家がタッグを組んで、「スマートウエルネス住宅等推進事業」による疫学調査が開始されました。この疫学調査では、住宅の温度環境を改善することが、どれだけ健康に寄与するのかを調べられています。弊会は今回の疫学調査の意義や目的を広く啓発するための中心的役割を担っています。

今回のシンポジウムでは、この活動において集まった産官学のメンバーが中心となって、関西の地域に根づいたリフォームのあり方を検討・推進する委員会を発足すると共にその内容を広く関西の医学、看護、介護、建築の専門家および消費者団体、行政関係者、関西の府県民に知っていただくことが目的で、関西に適したリフォーム手法や住まい方について一定の目標を定め、推進することで関西における住民の健康長寿や若年者の健康維持につながる可能性について、議論致します。

【主催】 (一社)健康・エネ住宅を推進する国民会議
【後援】
大阪府
ATCエコプラザ
おおさか健康省エネ住宅推進協議会、関西学研都市健康省エネ住宅推進協議会

【日時】2015年9月9日(水) 14:00~17:30
【場所】
CIVI研修センター 新大阪東 E5ホール
  大阪市東淀川区東中島1丁目19番4号 新大阪NLCビル

【内容】
1 開会挨拶
一社)健康・省エネ住宅を推進する国民会議
大阪弁護士会 元副会長 関根幹雄

2 趣旨説明
一社)健康・省エネ住宅を推進する国民会議
理事長 上原裕之
3 基調講演
山口県立大学 理事長
江里 健輔 教授
「屋内の冬の寒さと健康リスクに関する調査とその啓発の重要性について」

4・来賓挨拶
竹内 広行大阪府副知事
太田 房江参議院議員(国会会期中につきお手紙代読)

5・パネルディスカッション
関西を「健康省エネ住宅」による健康長寿・地域活性化先進都市に!

【パネラー】
岩前 篤 近畿大学 建築学部長
江里健輔 山口県立大学 理事長
鬼武一夫 日本生協組合連合会
三崎信顕 大阪府住宅まちづくり部都市居住課課長
三輪五月 看護師・主任介護支援専門員

司会 おおさか健康・省エネ住宅推進協議会
事務局長 佐藤善秀

6・SWH調査・改修事例報告
【プレゼンター】
株式会社イズ 名越社長
株式会社創造工舎 阪本社長

7・閉会の挨拶
一社)健康・省エネ住宅を推進する国民会議
日本主婦連合会 東瀬幸枝 会長

お申し込みはこちら

 
←前へ
 
資料請求・お問合せ