家づくり関係のお話

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【卒FITとは?】買取価格決定で、太陽光で余った余剰電力をどうするか?

最近では、ZEH(ゼッチと読む)住宅(ゼロエネルギー住宅のこと)が少しづつ多くなってきています。
このZEH住宅には、必ず太陽光発電を搭載する必要があります。
ゼロエネルギー住宅については、こちら

しかもゼロエネルギー住宅とするために相当量の容量を持った太陽光パネルを搭載することになります。
太陽光発電は昼間にしか電気を作れない関係上、容量の大きい太陽光発電の場合、発電した電気を家の中で使い切ることが出来ず、
そのまま余ってしまうことがあります。これを余剰電力と言います。

これらの余剰電力は、どうすることが良いのでしょうか?
これから家づくりを考えていたり、これから太陽光発電を載せようと考えている方は、事前にこのことを検討しておくことでメリットを受けられる可能性があります。

卒FITとは?

新築当初、10年間はこの余剰電気を買い取ってもらうと言うフィードインタリフ(略してFIT)制度があるので、売る選択肢を選ばれる方が殆どです。
ここ最近の最初の10年間の固定買取価格は下の表です。

これでいくと、電気料金の契約形態にもよりますが殆どの場合、余った電気は自宅で使うより、売ってしまう方が得です。
しかし、これが10年経つとそうはいかなくなってくるのです。



10kW未満
出力制御対応機器設置義務なし出力制御対応機器設置義務あり※1
2018年度(参考) 26円 25円
(ダブル発電)
28円 27円
(ダブル発電)
2019年度 24円 26円
2020年度 -
2021年度 -
調達期間 10年間

※1:北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の供給区域において、出力制御対応機器の設置が義務付けられています。

出典:「資源エネルギー庁 固定価格買取制度

卒FIT
太陽光発電の固定買取後はどのようになるのでしょうか

卒FITとは、簡単に言うと太陽光を設置して11年目以降のことを言います。
当初10年は結構な値段で電気を買い取って貰うことが出来ますが、11年目以降は今まで何も決まっていませんでした。
しかし、2019年の11月から、FIT制度が始まって10年が経過する契約がいよいよ出てくるタイミングになりました。

そしてこのタイミングで11年目以降の電気を売る値段が各電力会社より発表されてきたのです。

卒FITの買取価格はいくらか?

それによると、従来の大手電力会社では、会社毎に少し違いがありますが、1kWhあたり7円~9円となっています。
(例えば、関西電力なら1kwhあたり8円です。)

つまり、値段が大幅に下がるのです。
この8円は、大手電力会社が海外から電気を作り出すために買ってくる、石油やガスの取引値段を考慮に入れた値段だそうです。

正当性はありそうな値段ですが、こんなに安くなったのでは正直売ってしまうのも勿体ないと思っても仕方がないことです。

また、従来の大手電力会社だけでなく、新電力と呼ばれる新しい電力を取引する会社も現在は多くあります。
これらのところに買って貰う場合、少し高めに売れる場合があります。
大体11円~13円と言ったところです。
恐らくこれは夜間電力の電気代を意識した料金と思われます。

これでも今までのことを思うと、そんなに得した気分にはなりませんよね?
そこで、何か他の方法が無いかと考えた時に以下に挙げる方法も考えられるのです。

卒FITで売らない場合その1 エコキュートの利用

卒FITでのエコキュートの利用
卒FITでのエコキュート利用のメリットは?

8円やそこらで売ってしまうくらいなら、買ったら23~25円程度する電気の代わりとして自宅で使うことを思いつきます。
自宅で電気を消費することを「自家消費」と言って、立派な省エネ手法の一つなのです。

そして、その代表的な自家消費の方法として挙げられるのが、エコキュートの利用です。
エコキュートは、簡単に言うとお湯を沸かす給湯器ですが、特徴としては、

・電気でお湯をわかせる
・沸かしたお湯をタンクに貯めて保存できる

と言う、大きな特徴があります。
また、エコキュートは従来、大手電力会社が提供する夜間の安い電力を利用してお湯を沸かすシステムでした。
夜間の電力についても、電力会社によって相違がありますが、14円~15円程度のところが多いことを思うと、
昼間の余った電力でお湯を沸かして貯めておけるなら、貯めておいた方が得な場合があります。
(お湯は徐々に冷めるので、本来はその分も考慮すべきなのですが、ここでは無視します。)

最近のエコキュートは、非常に賢いタイプのものがあり、翌日の天気予報を見て、今晩貯めた方が良いのか、翌日の太陽光の余った電気で貯めた方が良いのかを判断するものがあります。

また、1日で消費するお湯の量も使っていく内に把握していくので、無駄に多く炊きあがることを極力減らすことも可能です。
ですので、安い電気代で売ることを考えると、お湯を沸かすための電気としてエコキュートを導入して利用する方法があります。

ただし、昼間に電気を賢く沸かせるタイプが良いです。
実際には、エコキュートの場合は導入コストが掛かりますので、念の為この比較を載せておくと。
(※注意:この比較はエコキュートの耐用年数を10年としたため、エコキュートを買い替えた前提で、最初の10年の売電は含んでいません。)

エコキュートVS11年目以降の売電
大手電力会社新電力

エコキュートで得する電気代(年間)
(本来、エコキュートで必要な電気代)

20,000円 20,000円
売った場合の儲け(年間) 10,700円 18,700円
差額 9,300円 1,300円
エコキュートの買替を10年とすると 93,000円 13,000円

【試算条件】
エコキュートの年間の電気代は、Panasonicホームページを参考『http://sumai.panasonic.jp/hp/2point/2_3.html
夜間電力を15円/kwhと想定し年間の必要電力を1333kwhとした。
売った場合の儲けは、大手電力会社に8円/kwhで売った場合を想定。
新電力の場合は、14円/kwhで売った場合との比較

簡単な試算ですが、エコキュートの導入コストが従来品よりかなり高くなる場合はそれほどお得になるとは言えないようです。
ただ、エコキュートが従来品と同等程度であれば自家消費の方が若干得すると言ったところでしょうか。

卒FITで売らない場合その2 蓄電池の利用

先程はエコキュートの特性上、夜間電力との比較がもっぱらでした。
しかし、蓄電池の場合ですと夜間の利用だけでなく、雨や曇りの日の昼間の電力との比較が可能となります。
雨や曇の日であれば、太陽光での発電はさっぱりですから、蓄電池に貯めた電力を利用することが最良と言えそうです。

また、蓄電池はお湯だけに使うのではなくて、家電製品であれば何でも使えます。
そこで、蓄電池に貯めた場合と全部売った場合の比較をしてみたいと思います。
太陽光を取り付けた当初10年は、蓄電池に貯めるより売る方がお得なので、11年目以降に蓄電池を取り付けた想定とします。

総務省の統計局によると2018年の4人暮らしの年間の電気代の平均は、140,000円程度で5,500kwh程度
(本来、省エネ住宅ならもっと少ないはず)
この内、昼間(午前7時~午後11時)と夜間の電気使用量の比率は10:4とします。
(※電気事業連合会による一日の電気発電量の推移を時間帯別に積分した割合)

家庭用の蓄電池は10,000回程度の充放電が可能なものが一般的で、15年程度の保証がついてくるものもあります。
1日1回の充放電として、27年もちますが、少し少なめに見て20年もつと考えましょう。

場所によって大きく異なりますが、晴れの日は大体年間で6割程度として、残りの4割を曇りか雨の日として昼間に貯めた電気を使うとします。
晴れの日は太陽光発電があるので蓄電池の威力はあまり発揮できず、夜間に貯めた電力を使うことにします。
ならすと1日に4kwh程度です。
雨や曇りの日は蓄電池の最大容量まで利用できることにします。(ここでは最大を7kwh設置とします)
(蓄電池には晴れの日の間隔が上手く振り分けられて、常に満タンまで使えることを想定します。)

これで売った場合との比較を考えると。
買わずに済む電気代は、年間38,620円、20年間で772,400円
余った電気を売った場合の儲けは、8円だと年間15,161円で20年で303,232円。
14円だと、年間26,533円、20年間で530,656円

なので、20年間の差額を見ると 
8円で売った場合の比較は47万円程度
14円で売った場合の比較は24万円程度

となります。
今、7kwhの能力の蓄電池を考えたのですが、補助金などを利用したとしても正直元を取るのは難しいかもしれませんね。。。

これはあくまで概算ですので、これから家を建てるひとは、家の断熱性能や家電製品の省エネ性能などによって、
必要な蓄電池の量が代わります。
これによって、意外と導入コストとの差が縮まることも考えられるので、一度正確に試算して貰うと良いでしょう。
実際には、太陽光発電と蓄電池があれば電力を購入することが無くなり、かなり得するのではないかと言った試算や実例もあります。
太陽光発電と蓄電池で全く電気を購入することが無くなれば、単純に年間14万円はかからなくなる想定です。
これであれば、20年間で280万円も得する事になります。更に当初10年の売電を考えると、更に得になりそうですね。
(参考:「近未来!VPP(バーチャルパワープラント)とは何でしょう?」)

卒FITで売らない場合その3 電気自動車やPHVの利用

卒FITでの電気自動車の利用
卒FITでの電気自動車利用も考えられる

電気自動車やPHV(プラグインハイブリッド)の場合、一般的には蓄電池を購入設置するよりも導入コストは安いとされています。
更に走ると言う機能もついているので、貯めることだけを考えると電気自動車に軍配があがります。

しかし、V2H(ビークトゥーホーム)と言う、車に貯めた電気を家で使う。
と言ったことに対応している車とそうで無い車もあります。
さらに、V2Hを実践するためには専用の機器も必要となり、そのコストも掛かります
なので、貯めた電気をいつでも使えるようにするためにはさらなるコストが必要なのです。

電気自動車は自動車メーカー側が普及の計画を立てているようですので、今後コストもガソリン車並に下がるでしょう。
※2050年には、日本国内においてもガソリン車は廃止され、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)のみになることになっています。

それを見据えて、駐車場に充電用のプラグを設けておくと言ったことはこれから新築を考えるのであれば、あっても良いと思います。

電気自動車の場合は、ガソリン車と比べられることが多いのですが、家庭用の電気を利用して充電しても、
ガソリンと比べると6分の1程度のコストとなるようです。

ご家庭の車をどんな頻度で使用するのかにもよりますが、結構車を利用する家庭ならガソリン車と比べると余った電気を貯めることで電気自動車とガソリン車の差額を埋めることが出来るかもしれません。

卒FITで売らない場合その4 電力会社に貯めると言う選択肢

余剰電力を電力会社に預かって貰うと言う選択肢もあります。
この場合、電力会社によってかなり扱いがことなります。

月額料金が必要な場合や、実質売っているのと変わらない値段設定になっていたりします。
預かって貰うより売るほうが得する場合などもあるようです。
概ね、かなりお得と言ったプランは今の所見当たりません。

ご自身が住んでいる電力会社の対応をよく吟味しましょう。

卒FITの将来の可能性 VPP

将来の可能性について、少し触れておくとドイツなどでは既に実現しているのですが、
上記のような様々な手法を組み合わせて、太陽光発電を設置した住民本人が、電力の売り主となって一番特に売るあるいは使うというのを決めて自由に売買出来る世界がやってくるかもしれません。
このような世界が日本でも実現すれば、選択肢は更に広まるものと考えられます。

 

リフォームにおける新しい省エネ技術 技術報告集【論文】

2017年に近畿大学の一員として、エネマネハウスと言う新たな住宅の省エネルギー技術を取り入れた建物を設計、建築するコンペに参加致しました。

その際の様子は以下にて確認できます。
エネマネハウス2017のモデルハウスが一般公開されます!【2週間限定】
エネマネハウス2017の結果発表!
2018年グッドデザイン賞受賞! エネマネRハウス

そして今回、2年の月日を経て我々が取り組んだ内容がようやく公開されました。
建築学会と言う我々建築業界では、最も権威のある学会における「技術報告集」と言う査読付き論文(A論文:つまり他の専門家によって正式な論文として認められた論文)として、掲載されています。
エネマネハウス 2017 における『エネマネR(アール)ハウス』の省エネ・環境技術

これは我々が取り組んだ新しい考え方の一部の発表なのですが、こちらではその内容についてもう少し平易に纏めて紹介したいと思います。

エネマネハウスでは何を競うのか?

エネマネハウスでは、いろいろな省エネ技術を取り入れて、将来普及可能な省エネ生活を提案するという事がコンセプトとなっています。
1次審査では、書類審査が行われ決勝では実際に提案した住宅が建築されます。
建築された住宅で、実際に2週間ほど生活してみて、どの程度省エネだったのかを競います。

エネマネRハウス
昭和50年代の一般住宅をリフォームしたエネマネRハウスの外観

エネマネRハウスの考え方

我々、近畿大学チームが提案したのが「エネマネRハウス」
RはリフォームのRやリユースのRと言う複合的な意味合いが含まれています。

昭和50年代に沢山のニュータウンが開発されました。
その際に建築された住宅は、殆ど同じような間取りで、大量のストックとして残っています。

この時に家を建てた世代は、既に子供が自立し、親元を離れています。
ですので部屋数に余りが出てきて、使わない部屋が多く存在しています。

今後、人口減によりさらに空き家も増え、ますますニュータウンにおける地域のコミュニティが希薄になることが予想されます。
このコミュニティの希薄化に待ったをかけるべく、提案されたのが今回のエネマネRハウスの基本的な考え方です。

エネマネRハウスBefore
改修前の間取り

こちらが昭和50年代の住宅の代表的な間取りとなります。
ご自宅もこのような間取りだと言う方は多いのではないでしょうか?
真ん中に玄関があり、家の中心に階段があります。
廊下を介してLDKと和室&水回りが配置され、2階が個室。
と、当時一番多かったであろう間取りがこちらになります。

エネマネRハウスAfter
改修後の提案の間取り

そして、その間取りを改修した後(今回の提案)の間取りがこちらです。
高断熱ゾーン(薄く灰色掛かったゾーン)と言うところが実際の生活空間になります。
そして、ルームガーデンが地域コミュニティを活性化させるための"近隣の人が集まれる場所"となります。

このように、新たな生活空間を2人生活用に最適化して、残りの空間をコミュニティスペースとして活用する。
こうすれば、生活に必要なエネルギーは生活スペースの集約によって、冷暖房や照明に関する使用エネルギーを少なくすることが出来ます。

また、コミュニティスペースによって近隣の方が気軽に集まれるスペースを作っておくことで、地域とのつながりも新たに生み出すことが可能です。

このように、スペースに新たな役割を与えるという事が今回の提案のメインとなります。

また、生活動線を集約するために、カートリッジと言う新たな概念を取り入れ、このカートリッジが新たな生活シーンを生み出すと言う提案も同時に行っています。

エネマネRハウスに導入した新たな省エネ技術

難しい話は、論文の内容を見て頂くとして、簡単にどういったことが出来るようになったのかを記します。

家庭でのエネルギー消費割合
一般的な家庭でのエネルギーの消費割合

一般的な家庭では、お湯・暖房・照明などに使用するエネルギーの量が大部分を占めます。
ですので、これらを如何に少なくするかが大きなポイントとなります。

最初の写真を見て頂くと分かるとおり、今回の建物ではかなり沢山の窓を有しています。
究極に高断熱化を行うことで、窓の割合を増やしても十分に暖かな空間が生み出されるわけです。
窓が多いことよって、昼間の明るさ(昼光率)も明るくなり、とても開放的な空間とすることが可能となります。
このことにより、照明に使用するエネルギー量を削減出来るのです。

また、高断熱化と生活動線の集約化によって、暖房もかなり小さい暖房性能のものでよくなります。
今回は、既存のエアコンを改造することにより、殆どエネルギーを使わないエアコンを用意しました。

屋根には太陽光発電システムの他に、太陽熱温水器のパネルも設置。
エネファームを利用して、出来たぬるいお湯は、余ったら捨てられるのですが、そのお湯を捨てずに太陽熱温水パネルで熱いお湯にまで熱します。
そうして、お風呂のお湯に利用するというシステムを新たに提案。お湯に使うエネルギーの量をかなり減らすことに成功しました。

大きな部分として、3つの手法をご紹介しましたが、更に他にも沢山の工夫がなされています。
このような工夫を沢山行うことでかなり使用するエネルギーの量を減らすことに成功しました。

このような考え方や技術が少しでも世の中の生活の質をあげ、省エネに貢献することが出来れば、そんなに嬉しいことはありません。
ぜひ、ご参考にして下さい!!

 

太陽光発電は将来的には火力発電より安くなる!?

アメリカの技術者であり、サイエンスライターのRamez Naamさんが提唱し、Googleなどもこの思想を取り入れているそうなのですが、太陽光発電で発電できる電気の価格はある法則に従って安くなっていくそうです。
今回は、この考え方についてご紹介致します。
太陽光発電の採用を迷っている方は是非ともご参考にして下さい。

太陽光発電の値段はムーアの法則に従っている?

ムーアの法則というものをご存知でしょうか?
ムーアの法則とはアメリカのインテルと言う、「インテル入ってる?」と言うCMでお馴染み(古い?)のパソコンのプロセッサを作る会社の創業者である、ゴードン・ムーアさんが1965年に論文を発表して有名になった法則です。

集積回路上のトランジスタの数は、「18ヶ月(1年半)毎に2倍になる」

というもので、事実これはその通りに発展しパソコンの能力は目覚ましく向上しました。
(近年ではその伸びも鈍化しつつありますが、GPUへの移行で維持されるとも言われています。)

ムーアの法則の面白いところは、性能の向上と言う視点だけでなく、裏を返せばそれだけ性能の良いものが安く手に入るようになる。つまり、コストも同じような法則で安くなる。
と、言うことも言えるところです。

この考え方を太陽光発電の値段に適用してみたRamez Naamさんは、2010年に2009年までの実際のデータを使って、以下のようなグラフを作成しました。

太陽光発電におけるムーアの法則
太陽光発電のおけるムーアの法則

このグラフは、2009年までのデータが実際のアメリカでの市場のデータです。
そして、それ以降が予想の値となっています。値段は太陽光発電の1W当たりの値段をドルであらわしています。

ちょっと、日本人の感覚では分かりづらいので、1ドル=110円として、1kw当たりの値段にて換算してみます。
すると、次のようなグラフが出来上がります。

太陽光発電におけるムーアの法則
太陽光発電のおけるムーアの法則(日本円に換算)

このように換算してみると、2000年頃に1Kw50万円、2015年には1kw19万円と言う数字が読み取れます。(対数グラフと言う表示になっているので、分かりづらいかもしれませんが。)

実際に、日本において2000年頃の太陽光の値段は58万円程度であり、2015年頃には商業用では約28万円(住宅用で約)44万円でした。

こうしてみると、少し差はありますが概ね法則に従っているようにも見えます。

2020年太陽光発電は石炭発電(火力発電)を下回る!?

実際に、Ramez Naamさんがこの内容を発表した際に様々な議論が巻き起こったようです。
ただ、厳密にムーアの法則に当てはまるかと言うとそうではありません。
ただ、氏が言いたかったのは、それだけ指数関数的に安くなっていくことは間違いなく、結果的には石炭を使って発電するよりも安くなるはずだ。と、言うことを言いたかったようです。
原文:「Smaller, cheaper, faster: Does Moore's law apply to solar cells?

これによると、太陽光発電にかかるコストは2020年には石炭を利用した火力発電より下回るはずだと彼は述べています。
そして、そのことが二酸化炭素排出を防ぐことが出来るクリーンな社会を生み出すとしています。

日本の場合、この発想をそのまま適用できるかと言うとそれは出来ません。
アメリカは古くから電気の料金を市場が決めてきた背景があり、日本ではそれを長らく政府が決めてきました。

ここ最近、電力の自由化によって比較的電気料金にも幅が出てきましたが、まだ自由競争ということろまでいっている訳ではありません。

そんな背景の違いがあるので、実際にこの言葉を鵜呑みにするわけにはいきませんが、大切なことは

「導入価格が指数的に減少している」

と、言うことで

【いつかは太陽光発電を導入することが当たり前の世界がくるかもしれない。】

と、言うことで、それが

【それほど遠くない未来にやってきそう】

だと言うことです。

事実、買い取り価格(本日、太陽光の買い取りをやめるかもしれないと言う案が出たと言うニュースが出ていました。2020年だそうです。)を前提として、ゼロエネルギー住宅にすると太陽光発電を設置した方が、かなりお得だと言う試算も可能となっています。

これから太陽光発電を導入しようと考えている方は、2020年近辺においてコスト的には一方的に得とは言い切れないが、殆どの場合得する。と、言っても過言ではない時期なのだと言うことを知っておくと良いでしょう。

 

快適空間とは何かを考える。外の繋がりも快適性を生む!!

私が近畿大学建築学部にて講義をしている、環境演習という授業の一環で、世界的に有名な設備や構造の設計会社である、Arup.Japanの設備部門の部長さんにお越し頂き、講演をして頂きました!

Arupとはどんな会社?

Arpuさんは、世界40カ国に法人を持ち、意匠(デザイン)設計以外の設計をやられている会社です。
ですので、有名な建築家とのコラボレーションも多数あります。

Arupさんが有名になったのは、誰もが不可能と思っていたシドニーのオペラハウスの設計を見事にやり遂げ、それを実現したところからだそうです。
設計者が手書きの図面を作成した段階では、その複雑さから建築は不可能と言われていました。
誰もがその実現を悲観していたそうですが、Arupさんが画期的な手法を考案し、建築の実現にこぎつけたそうです。
今では世界で一番新しい世界遺産だそうです。

世界中で手がけている建築の数々について、ご紹介頂いた中から特にこれから住宅を建てる人にも知っておいて貰えたらなと思った内容をご紹介します。

Arupさんの講演
Arupさんによる講演の様子

設備設計とは何の設計のことか

大きな建築物を設計する場合、設計には主に3つの種類が存在します。
それが、
 ・意匠(デザイン)設計
 ・構造設計
 ・設備設計

最初の2つはイメージがつきやすいと思いますが、設備設計とはあんまりピンとこないかもしれません。
しかし、この設備設計はとても奥が深く周りの環境を考慮した上で、屋内の環境を良くするために空調や換気の計画をすると言ったことが主な設計内容となります。

日本では関西空港における換気扇の設計を手がけたがのが最初の設計だったそうです。
関西空港にいくと、大きなドーム状の屋根があると思います。
あのドーム状の屋根には一切の空調設備が見えません。
それもそのはず、屋根の一番端に取り付いている、特殊な換気扇によって一気に空気の搬送が行われているのだそうです。

このように、設計する設備をどのように美しく見せるかというのも、設計の腕の見せ所なのです。

太陽光発電の未来は?

この内容については、後日改めてご紹介するとして、Rames Naamさんと言うアメリカの技術者の人の話を紹介されていました。
氏によると、太陽光発電の進化もムーアの法則と同じで、指数対数的に性能が良くなり、値段が安くなっていくと2011年頃に予想していて、
現実にその通りになってきているそうです。

ですので、「世界中の電力はPVで賄えるようになるはずだ」と言う予言がなされているそうです。
まだ太陽光発電を設置していない世帯は、この発言を参考に設置を検討しても良さそうですね!

人が感じる快適な空間とは?

講演の中で最も印象的だったのは、どんな空間が快適なのだろうと言うお話でした。
人が快適に思う空間は、オフィスの中にあるのか?それとも常夏の屋外のプールサイドにあるのか?
両者は環境因子を考えた時、ぜんぜん違うのですがそれをあえて屋内で用いる快適指標に当てはめると、どちらも同じような快適な数字になるとする。
しかし、実際に人間がどちらを選ぶのかと言うと、個人差はあるとしても、大半はプールサイドを選ぶのではないか。

そう考えた時に、何故屋外空間の方が良いと感じるのだろうか?

そういう考えさせられる内容でした。

そして、講演者の菅さんの考えでは
・快適さは環境の変化がなければ感じられない
・快適さは身体的と心理的、両方の感度の組み合わせ

だと、言う考えを述べられていました。

環境の変化が必要と言うのは、例えば「暑い」から「涼しい」に変化したときの感情などを指しているようなのですが、常に主体的に快適さを感じている必要があるのかどうかは私自身は多少違和感を感じましたが、心理的に良いと感じる快適さは必ずあるだろうなと思いました。

このことを、その場所に対する「期待値」と表現されていましたが、確かに常夏の屋外のプールサイドに期待するのは、屋内で過ごす場合よりも「暑さ」は多少寛容適で、風の強さに対しても屋内に比べるとはるかに寛容的になるのは間違い無いでしょう。
そのように考えた時、「色々な期待ができる場所を作る」と言うのはとても大切なことだと言う風に私自身は解釈しました!

その後の懇親会でも、色々お話をさせて頂き、とてもためになりました。
ありがとうございます!

 

有機ELとは。照明やディスプレイとしての利用実例

山形大学の城戸先生は、世界的に有名な白色有機ELを開発された(将来のノーベル賞!?)先生です。
先日、その城戸先生にお話を伺う機会を頂きました!
山形大学の有機エレクトロニクス研究センターにはその有機ELを実際に取り入れた住宅を建てていて、近未来の生活を垣間見ることが出来ます。
(こちらの施設を見学希望の方は、是非ご連絡下さい!城戸先生に直接お願い致します。)

有機ELとは?

そもそも有機EL(エレクトルミネッセンス)とは、次世代の発光体です。
近年では、LEDが照明として利用されたことで大きなイノベーションがおきました。
この有機ELは更に新たなイノベーションを起こす可能性のある材料です。

仕組みの詳細は下記の写真を参考にして下さい。

有機ELとは
山形大学有機エレクトロニクス研究センターにあるディスプレイでの説明

特徴としては、
・広い面を光らせることが出来る。
・厚みが0.1mmと非常に薄い
・省エネルギー
・太陽光と同じような自然な光(LEDと最も違う点です)
・紫外線を含まない
・透明なものも出来る。様々な色も出せる!!
・製造が非常に簡単!印刷で製造可能!!
・曲げることも可能!

と、かなり様々な特徴を持っています。

少しづつ、照明器具やスマートフォンのディスプレイ、テレビのディスプレイなどに利用され始めています。

更に、今後は曲げられると言う性質を利用して、更に多くの用途に利用される予定です。
また、有機太陽電池として透明な太陽光発電も可能となっていて、こちらでも新たな用途が期待出来ます。

有機ELを実際に利用したミライハウス

山形ミライハウス
ここにミライの有機ELを使った生活が再現されています!

山形大学の有機エレクトロニクス研究センターでは、実際に有機ELを取り入れた近未来の生活を再現した、「ミライハウス」が建設されています。

こちらでは、近未来の生活を体験する事ができます。

尚、こちらの建物の設計者は、私のお世話になっている(飲み仲間?)、近畿大学の木村先生がご担当されています。WBMによりコンセプトを明確した計画となっています。

※WBM:
ウェルネスビーングマップの略で、その建物に望まれるコンセプトをマトリックス状に整理し、設計思想を明確化するためのフレームワーク

有機ELで将来はどんな生活になるのか?

大画面有機EL
将来は天窓にも有機ELが採用されるかも!?

ミライハウスの中には、将来の生活が想定された仕掛けがいっぱいあります。
リビングには写真のような大画面有機ELモニター。
もはや、薄くて大画面に出来る有機ELであれば、建築時に壁紙のように取り付けることも可能。
テレビの概念が、家電製品単体としての概念ではなく、建築に組み込まれた新たな存在として再認識される可能性もありそうです!!

また、この大画面越しに遠いご両親のご自宅が出てくれば、まるで一緒にいるかのような錯覚をすることも可能となりそうです。
大画面越しに、等身大のご家族と会話すれば、遠距離でも心の距離を縮めることは可能となりそうです!!

また、写真の天窓のように夜に曇っていても、星空を浮かべるようにすることも可能です。
昼間に曇っていても、有機ELによって太陽の光が降り注ぐかの如く、表示することも可能。
もちろん、天気の良い日は透明にして実際の外部を望むことも可能です!!

有機ELが照明変える、照明の未来とは??

採光用障子有機EL
実際に太陽光に照らされているように見える障子越しの有機EL照明

例えば、都会などでお隣さんとの距離が近く、窓を設置しても対して明るさが確保できない。
そんな時には上記の写真ような、まるで窓から光が入ってきているかのような、障子を設置することも可能です。
この外側には、実際に窓はありません。それなのに本当の太陽の光が入ってきているようです。

照明としての有機EL
将来的にはこんな風な照明のみの空間も考えられる

また、照明といえば天井につけることが一般的でしたが、厚さが0.1mmしか無いので、配線さえ通せば床に設置することも可能です。
防水性もあり、更には取替も簡単です。

このどこにでも設置することが可能と言うのが、恐ろしく無限の可能性を秘めています!
今までの照明機器の概念を全く新しいものに変える、私達の生活を一変させてしまう大きなイノベーションの可能性もあります!!

取替は以下の要領で行います。

有機EL照明の取替
照明の一部をポンと押すと、すんなり外れます。
有機EL照明の取替2
このように薄い板状のものが磁石でくっついているだけでした。 有機EL照明の取替
取り外した後は、こんな感じ。ここに新しい有機EL照明を設置するだけ

簡単で、とても便利!!

この他にも、鏡に設置して朝起きたら必要な情報が出てきたり(すでに今ありますが。。。)、照度も必要な明るさになったり。と言った提案や、
VRの技術などと組み合わせて、家に居ながら会議に出たり。様々な用途が提案されていました。

とても魅力的で、夢のあるお話を聞かせて頂き、本当にありがとうございました!!

 

消費税10%に対する経過措置、減税や住宅ローン控除について

4月1日以降に家づくりの請負契約をした場合、令和元年10月1日まで家が完成・引き渡しを受ければ消費税は8%のままです。
しかし、家の完成・引き渡しがそれ以降になると消費税は10%となりますので、注意が必要です。

ただ、今回の増税では住宅需要が冷え込まないようにと、経過措置として政府が様々な支援策を用意していてこれらを上手く利用すれば、増税前とそれほど変わらない金額で家づくりをすることが可能となっています。

ここでは、どんなメニューがあり、どのような内容なのかを纏めました。

メニューは大きく4つあります。

消費税10減税や控除
消費税10%増税後の4大支援策

(1)住宅ローン減税の控除間が3年延長、対象額の拡大

増税前は、控除期間が10年でしたが、更に3年間延長され、建物購入価格の消費税2%分の範囲で減税されます。
更に、消費税8%の時は、一般住宅2000万円までの借入金額、長期優良住宅や低炭素住宅の場合3,000万円までの借入金額が上限とされていたのですが、消費税10%になると、これが4,000万円と5,000万円までに上限が挙げられ、かなりの範囲の住宅ローンに対して控除が適用されることとなりました。

(2)すまい給付金が拡大、給付対象も拡大

消費税8%時 最大30万円給付(収入の目安 510万円以下)
消費税10%時 最大50万円給付(収入の目安 775万円以下)
実際に受けられる給付金額については、以下にて計算できます。
http://sumai-kyufu.jp/simulation/index.html

(3)次世代住宅ポイント制度によりポイント還元あり

注文住宅で、1か2か3に該当する住宅(最高35万ポイント(35万円相当))

  1. 一定の性能のある住宅 
    認定長期優良住宅 or 認定低炭素住宅 or 性能工場計画認定住宅 or ZEH
    の場合、35万ポイント

    耐震等級2以上または免震住宅 or 断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上
    or 劣化対策等級3で維持管理対策等級2以上 or 高齢者等配慮対策等級3以上
    の場合、30万ポイント
  2. 耐震性がない住宅を建て替える場合 15万ポイント
    昭和56年5月31日以前の住宅と分かるもの(詳細はプロに聞きましょう)
    又は、建築士が耐震性を有しないことを確認した制度独自の証明書
    があれば、ポイント対象。

  3. 家事負担軽減に資する設備を設置した住宅
    ビルトイン食洗機 18,000ポイント
    掃除しやすいレンジフード 9,000ポイント
    ビルトイン自動調理対応コンロ 12,000ポイント
    浴室乾燥機 18,000ポイント
    掃除しやすいトイレ 18,000ポイント
    宅配ボックス 10,000ポイント

建売などの住宅購入の場合やリフォームの場合など、その他の詳細は以下にて
https://www.jisedai-points.jp/user/new-house/

(4)贈与税非課税枠の拡大

消費税8%  非課税枠 一般住宅を建てる場合700万円 質の高い住宅を建てる場合1200万円
消費税10% 非課税枠 一般住宅2500万円 質の高い住宅3000万円
 ただし、2020年4月以降は段階的に非課税枠を引き下げ

と、なっていて、もし親などから相続を受ける可能性があるのであれば、事前に生前贈与として現金を貰い受けておくほうが、節税出来るという仕組みになっています。

結局、増税前と比べるとどうなのか?

例えば、増税前の建物金額が、2500万円(税抜き)だったとすると、8%の時の消費税は200万円。これが10%になると、250万円となり、差額は50万円です。

【年収が511万~775万円までの人】
(すまい給付金)
8%時は住まい給付金がゼロでした。
10%以降は、ゼロから最高50万円の間で給付を受けられます。
給付額については、下記にて計算が可能です。満額の給付を受けられたらそれだけでトントンですね。

http://sumai-kyufu.jp/simulation/index.html

(次世代住宅ポイント)
こちらが最大35万ポイント(35万円相当)つくので、対象となるような住宅を建てるのであれば、もしかしたら増税後の方が得かもしれません。

【年収が510万円以下】
8%の時はすまい給付金が収入や扶養(16歳以上)家族の人数に応じて、10万~30万円貰えました。
10%に上がると、扶養(16歳以上)家族が3人以上で満額。2人以下でも40万円もらえる可能性があります。ですので、差額20万~ は給付を受けられるようです。
こちらも更に次世代住宅ポイントの対象となるような住宅にするのであれば、増税前より若干お得になる可能性があります。

【年収が776万以上の人】
(すまい給付金)
10%の増税後は扶養家族の人数によってもらえる額が変わりますが、扶養家族が1名だけの場合は給付されないようです。
(次世代住宅ポイント)
こちらは、同様に対象となるような住宅にすると35万ポイントもらえるので、そんなに大きな差はなさそうです。
(住宅ローン控除)
住宅ローンを借りる場合は、住宅ローン控除の拡充によってある程度トントンになりそうです。

と、いうことなので今回の消費増税に関して、経過措置が様々に用意されている住宅建築においてはそれほど金額的な差は無く、場合によっては増税後の方が金銭的に特になる場合もある。と、いう事が言えそうです。

 

断熱改修による居住者の健康への影響調査 第3回中間報告

昨年12月21日、我々が調査をしている断熱改修による居住者の健康への影響調査に関する3回目の報告が、スマートウェルネス住宅等推進調査委員会にて行われました。

住宅において、健康的な住まいについての調査を行ってきました。
今回で3回目を迎える中間発表会。全国の医療、建築の先生方が集まり、報告が行われました。
その内容について、こちらに纏めました。
どれも得られつつある知見ということですが、とても大切な結果が得られました!

スマートウェルネス住宅等推進調査委員会
スマートウェルネス住宅等推進調査委員会の様子

室温が安定していると季節ごとの血圧変動が小さい

冬場に室温が18℃を下回るような寒い家に住んでいて、夏場も26℃を上回るような家だと、
季節ごとの血圧の違いが非常に大きくなります。
これが、冬は18℃以上となり、夏は26℃を下回る家だと、季節ごとの血圧の違いが小さくなることが分かりました。
やはり温度が安定すると、年間でも血圧が安定するのですね。

室温よりも床付近の温度が低い住宅の方が血圧が高い

室温の低下と言うよりも、床近傍温度の温度低下の方が血圧が上がりやすいことが分かりました。
足元を暖かくしておくことは、やはり大切なのです。

室温が高いと起きた時の高い方の血圧が下がる

起きたときに計測する血圧が、病気の発見には一番重要なのですが、
この起きたときの血圧も、室温が高いほうが最高血圧が下がることが分かりました。
朝起きて寒いと辛いのは、このせいかもしれませんね。

室温が低い家では、コレステロール値が高い人や心電図異常がある人が多い

寒い家に住んでいる結果、体温を下げないように体が工夫するのだと思います。
ですので、コレステロール値をあげようと体が反応するのでしょう。
また、理由はハッキリ説明出来ませんが、心臓になんらかの負担をかけてもいるようです。

寝る前の室温が低いと、過活動膀胱症状が増える

寝る前の温度も影響があるようです。
過活動膀胱症状によって、睡眠の質が下がります。
今回の調査結果では、寝る前の室温をキチンと暖かくしておくと、過活動膀胱症状も改善する結果となりました。

床近傍の温度が低い住宅では、色々な疾病・症状を有する人が多い

床の温度が16℃以上と16℃を下回る場合とでは、血圧だけでなく、色々な疾病や症状の予防にもなりそうです。
具体的には、音の聞こえ難さ、脂質異常、骨折、捻挫や脱臼などの割合が違うとのことです。

室温が上昇すると、住宅内での活動時間が増える!

部屋の温度が上がると、コタツでジッとしているよりも、元気に歩き回ることが増えるようです。
これも薄々は分かっていたことですが、改めて調べてみると実際そうだったと言った内容です!

以上が今回の報告の概要です。
他にも様々な内容が分かりつつあります。
来年も更に調査件数が増え、様々な事が解明されることと思われます。
このように分かってきたことが、今後の設計にどんどん活かされるようになることが良いことだと思っています。

今回の報告で、最も私が参考にしたのは、
「床が冷たいと、疾病・症状を有する人が多い」
と、言う点でした。
16℃以上あれば症状が減ると言うことなので、床暖房ほどの暖かさが必要かと言えばそこまででなくとも良いのですが、やはり床を冷たくしていると不味いということが改めてわかり、前々から薄々分かっていたこととは言え、その重要さを改めて強調していく必要があるように思っています!

なお、こちらの内容の詳細については、国交省の以下にも記載があります。
http://www.mlit.go.jp/common/001270049.pdf

 

断熱リフォームの補助金利用や費用・効果について 読売新聞に取り上げられました!

3年ほど前に断熱リフォームを実施された、大阪府の四條畷市のお客様の家にOB訪問させて頂きました!

今回は読売新聞の取材のため、現在の暮らしぶりをお伺いするために訪問させて頂いたのですが、色々お話を聞いていると、充実した生活ぶりを楽しそうにお話頂きました。

今回の取材に関する記事は2018年12月9日(日)の読売新聞の「くらし」の欄に掲載されました。
合わせて、ぜひ参考にして頂けたらと思います。

読売新聞 断熱リフォーム
読売新聞のくらし欄に掲載された取材記事

断熱リフォームとは?

断熱リフォームとは、家を断熱材等で覆うことで魔法瓶のようにし、暖房で温めた空気や冷房で冷やした空気を外に逃げにくくすることで、冬も夏も快適かつ省エネな暮らしを実現するためのリフォームの工法です。

具体的には、壁や天井(または屋根)、床(または基礎)を断熱材で覆い、窓を高断熱化し、気密を確保した上で、換気扇を設置すると言った方法によって断熱リフォームを行います。

断熱リフォームには現状の建物が木造なのか、鉄筋コンクリートなのか、軽量鉄骨なのか。
戸建住宅なのか、マンションなのか、によって施工の種類が変わります。

適切に設計をすることが求められ、下手な計画をすると、カビや結露などが頻繁に出るような失敗になってしまう場合があります。

断熱リフォームの効果やメリット

今回の断熱リフォームでは、その前後でどれだけ違いがあるのかを実際に記録できる温湿度計などを設置して調査しています。
明らかになったリフォーム前後での効果を列挙します。

 ・光熱費が約2割程度下がった
 ・リビング、寝室、脱衣室の温度が3~8℃近く上がった
 ・家の中の温度差が無くなり、18℃程度と安定している
 ・冬場における血圧が下がった

また、お施主さんが感じているメリットを挙げると

 ・家の中のドアを常に開けていられるので、広々感じる
 ・冬場でもリビングでじっとしている時間が減り、屋内で動き回るようになった
 ・トイレに行くのが嫌ではなくなった

閉めずの扉
閉めずの扉になっている、玄関ホールとリビングの間のドア

など、実際に目で見える効果とご本人が感じているメリットなど、多くを語って頂きました。
家の中の温度差がなくなることは、ヒートショックの予防にも繋がり、更に冬場の血圧が下がっている事実もヒートショック予防に繋がり、二重にメリットがあります。

また、光熱費が下がるということは、経済的なメリットもありますが、そればかりでなく省エネにもつながり、こちらも二重に効果があります。

広々と感じられるようになったという感想があることからも、心理的なメリット大きく、沢山の効果が得られると言えそうです!

今回の断熱リフォームの内容

今回の工事を行った住宅は、ツーバイフォーという工法で出来た住宅です。
ツーバイフォーの工法については、こちらで確認して下さい。)
日本の古い木造住宅では、殆どの場合断熱材が入っていません。
しかし、今回のケースでは断熱材が既に入っていました。
ただ、新たに断熱材を設置する場合、従来の断熱材が悪さをすることがあるので、注意が必要です。

天井の断熱
今回の事例では天井の断熱はアイシネンという吹付けの断熱材を利用しました。
そして元々あった断熱材は撤去しています。


壁への断熱は外壁側に断熱材を貼付しています。
これは外壁を一緒にやりかえる希望があったためです。
こういった希望が無い限りは、部屋内側に断熱するほうが金額的には安くなります。

床下
従来、床に断熱が施されていましたが、今回は基礎側への断熱に変更しました。

気密
一般的な木造住宅の場合、気流止の設置などで気密処理を行う必要がありますが、ツーバイフォーの場合は既に気密がかなり確保されています。


熱が逃げていく大部分を占めるのが窓です。小窓は内窓の設置、大窓はカバー工法という工法で、3重のガラスが入った樹脂製(プラスチック製)の窓へと変更しました。

勝手口
今回は勝手口はもう使わないということで、従来存在したものを塞いで壁にしました。

玄関ドア
玄関ドアは、カバー工法と言う工法で新しいドアへと交換しています。

換気
断熱リフォームを行う場合は、必ず換気計画が必要になります。
この計画を怠ると、カビや結露を誘発させることになりかねません。
今回は熱交換換気扇と言うものを導入しています。

その他、防湿計画など必要な計画を行っています。

総合的な家の性能
総合的な家の断熱性能はかなり上がっています。
実際にはUA値計算というものをおこなっています。

断熱リフォームに利用した補助金

今回利用した補助金は、スマートウェルネス住宅等推進モデル事業と言う事業に出されている補助金を利用していて、補助金額は120万円です。
約5年間この補助金が実施されていましたが、平成30年度をもって終了する予定です。

平成31年度(2019年度)以降は、新たな補助金となる予定です。
補助金や助成金は毎年国会で予算編成され、採択されたものから実施されます。

近年では、国際公約である省エネを達成する必要があるため、断熱リフォームや省エネリフォームに関する補助金が多数用意される傾向にあります。

新年度の補助金を利用したい場合、4月頃から問い合わせを行っておくと良いです。
補助金の予算には限度があり、基本的に補助金の利用は早い順となります。

断熱リフォームに必要な費用・価格

今回は外壁側から断熱を行ったため、こちらの費用がかなりかかっています。
一般的な戸建て住宅ですと、窓の断熱化、天井や屋根への断熱、床への断熱で、相場としては200~300万円程度の単価が多い価格帯です。
壁への断熱は、採用できる工法によってかなり変わってきます。
現状、タンスやその他の家具、キッチンや洗面台の移動が必要かどうかなどによって必要な金額が変わってきますので、断熱リフォームを考えたい場合は一度見積もりをとってみることが必要になります。

また、換気計画についてもその計画内容によってかなり金額がかわってきますので、合わせて見積もりをしてみると良いでしょう。

断熱リフォームでのその他の事例や注意事項

・鉄筋コンクリート住宅での事例
 鉄筋コンクリート住宅では内断熱工法を採用しています。
 こちらに実施された工事の記録としてブログ記事がありますので、参考にしてもらえたらと思います。

・マンションでの断熱リフォーム事例
 マンションの場合は、換気計画が可能かどうかを確認する必要があります。

・軽量鉄骨住宅での断熱リフォーム
 こちらにおいても断熱リフォームの事例があります。
 ただし、鉄骨の場合は結露が生じると鉄が錆びる可能性がありますので、住まい方に対する理解なども含め、どうすればよいのか相談してから計画することが重要です。

・中古住宅での断熱リフォーム
 最近では中古住宅を取得して、断熱リフォームを実施される方も増えてきています。
 まだ家具の入っていない状態ですので、比較的リフォームはやりやすい状態です。

・diyによる断熱リフォーム
 一部、ご自身で断熱リフォームをされる方もいらっしゃいます。
 最近ではホームセンターで、断熱材を購入することも可能ですので、一部は可能となっています。
 しかし、カビの発生の問題など、知らずにリフォームを行うと思いもよらない結果になることがありますので、事前によく理解してから行うことをおすすめします。

・お風呂の断熱リフォーム
 近年では、古いお風呂(タイル張りのお風呂、在来と呼んだりします)をリフォームされる方も多いです。
 この場合は、その後のメンテナンスも考慮してユニットバスにすると良いです。
 最近のユニットバスでは、浴槽が断熱されていてお湯が冷め難くなっています。
 また、ユニットバス自体が断熱されていることもあり、この場合は浴室自体が暖かくなります。
 寒いお風呂で冬場辛い思いをされている方は、まずはこの部分だけでも変えるとかなり変わってきます。

業者選びについて

最後に業者選びについてですが、最近ではリフォームのチラシで断熱リフォームが謳われていることもあるようです。
この場合、その業者さんが実際にどの程度実績があり、どの程度詳しいのかを確認しておくことをおすすめします。
断熱リフォームは新築住宅を断熱化する以上に難しい計画となります。

リフォーム業者は、建設業などの免許を必要とせず、極端な話、素人でもリフォーム業を名乗ることが可能となっています。
ですので、玉石混交であることを知っておくことが最も重要と思われます。

 

エアコンの内部はカビだらけ!? エアコンの掃除と防止方法

「エアコンにカビはつきもの」と言うのはご存知でしょうか?
エアコンは構造的にカビが発生しやすい機構となっています。
カビはほとんどの場合、人を死に至らしめるような劇的なものではありません(一部発がん性があるものがあります)
しかし、エアコンを可動させた瞬間は、10分程度内部のカビが放出されると言う報告があり、
咳などのアレルギーの原因となる場合もあるようで酷い場合には過敏性肺炎になることもあるようです。
小さい子供や赤ちゃんのいる家庭なら、悪い影響が及ぼさないように気をつけたいことだと思います。
エアコンをつけたときに、カビの臭いがしているようだと対処の必要がありそうです。
(ただし、どの程度カビ汚染したら健康に影響があるのかは不明なようです。)
今回はそんなエアコンで発生するカビの発生原因と掃除、予防、防止方法についてです。

<カビの原因は??>

先日、京都大学の芝蘭会館という場所にて、日本建築学会の熱環境委員会と言う委員会が運営する、「第48回 熱シンポジウム」と言うものが開催されました。
湿気(シッキと読む)に関する研究や調査が多く発表された今回のシンポジウム。
私も聴衆者として参加させて頂いたのですが、その中でカビに関する調査研究を行っていらっしゃる先生の発表がありました。

京都大学芝蘭会館
「熱シンポジウム」が京都大学芝蘭会館にて開催されました

その中で、カビの生育に関する話がありました。
日本においてカビは湿度80%を下回っていれば、あまり発生しないということが言われています。
しかし、海外においてはこの基準がより厳しく、70%以下である必要があるとされているそうです。

というのも、湿度74.5%の環境が120日間継続するとカビが発生すると言う事例があるのだそうです。

海外の基準がどうであれ、"高い湿度状態が続くこと" によってカビが発生する要因になります。
カビは、高い湿度、酸素、ホコリなどの栄養素が元になり、生育していきます

エアコンにカビが生える場合、エアコンの内部で何が生じているのでしょうか?
その謎に迫ったのがこちらの論文。
ルームエアーコンディショナーの除湿による内部保水量の確認実験
私がお世話になっている京都大学の小椋教授も研究されている内容です。

こちらによると、エアコンのドレンパンと呼ばれる部分にはかなりの長い時間、除湿した水が溜まった状態となっているようです。
こちらの水が原因で、湿度の高い状態が続き、カビが生育しやすい状況となっているようです。
エアコンが構造的にカビが生えやすいのはこのためです。

エアコンのドレンパン
エアコンのドレンパンに水が溜まってしまう

<自分で出来る!?カビを防止、掃除する方法は如何に??>

それでは、このような状況の中でエアコンにおけるカビを防ぐにはどのようにしたら良いでしょうか?

まず、カビの生育条件としては、"栄養素"があることです。
このカビの栄養分となるのは、ホコリや油分であることが多いようです。
ですので、なるべくこれらを取り除いてやることが必要です。
ただ、フィルターや手の届く範囲、あるいは専用のスプレーで冷却フィンや送風ファンなどの内部の掃除は可能ですが、見えない、あるいはスプレーも届かない場所の掃除には無理があります。
完全に常にホコリを取り除くことは難しいと思われます。

次にカビの育生には酸素が必要です。
しかし、この酸素を取り除くことはまず無理でしょう。
(部屋中の酸素を取り除けば可能かもしれませんが・・・)

最後にカビの好む湿気を取り除いてやることです。
先程あったようにドレンパンに水が溜まる状況が続くことに問題がなのですが、
エアコンでも一部の機種で、「内部乾燥」と言う機能を持ったものがあります。
これは、機器の中を乾燥させると言う機能なのですが・・・・
エアコンの中にカビが生えやすい時期は、夏です。
この内部乾燥と言う機能、どのように乾燥させているかと言うと、
ほとんどの場合、内部を温めることで乾燥させています。
なので、その影響で部屋の中が暖かくなってしまうという、全く矛盾したことが生じてしまいます。。。
(何のための機械やねん!と、言いたくなります)

※ただ、臭いが一番気になるのは、夏のドレン水が残ったまま放置され、次にスイッチを付けた、暖房の時期の方が多いようですが。

<高気密・高断熱住宅の愛好者には朗報!!>

それでは、エアコンの内部の湿気を取り除くにはどうしたら良いでしょうか??
いや、取り除こうと思うからダメなんだ!!
と、言うことでカビの生育を防ぐ最も良い方法(!?)は、
【エアコンを稼働し続けること!!】
なのです。

これは、冗談でもなんでもなく、エアコンはスイッチの入り切りを繰り返すほど、
カビの数が多くなるそうです。
そして、エアコンは稼働状態だと室温が設定値になり止まっても、
送風の空気を送り続ける機種があります。
これであれば、機器内の乾燥状態が維持され、カビが生育しにくい状況となります。
つまりエアコンは、カビ対策においても24時間使用し続ける方が良いのです!!

しかし、これをやろうと思ったら、きちんとした高気密・高断熱住宅でないと、
電気代が大変なことになるでしょうが・・・

 

家を暖かくするとインフルエンザは防げるか?その結果は?

先日、四條畷市の田原台と言う場所においてシンポジウムが開催されました。
これは、昨年に引き続き行われたシンポジウムで、私も断熱リフォームの実例紹介と言うことで、登壇させて頂きました。

今回は、近畿大学建築学部長である岩前教授のご講演もあり、ご参加頂いた方には非常に面白くてためになるシンポジウムだったのではないでしょうか。

岩前先生による快適と健康の違い
岩前先生による快適性と健康との明確な違いのお話

岩前先生のお話は、いつもためになるだけでなく、必ず聴衆者を惹き込むような面白い笑いのあるお話があります。
本日も、岩前先生の岩前節が炸裂して、会場内は暖かな雰囲気に包まれていました^^)
今回のお話では、「快適」と言う感覚がどうも「健康」と直結していると勘違いされている方が多く、実際にはこの両者は全然違うと言うお話がありました。
「例えば、タバコなどはその例で体は快適に感じるのですが、実際には体に良くない。
 これが家の快適性にも当てはまり、実際に快適に感じても健康とはかけ離れていると言うことがあり、それが家の寒さなのだ。」
と言うお話でした。

更に近年では、これらの事が公に認められつつあり、本年の4月には学校法が改定され、それまで学校では『10℃~30℃』までであれば、良しとされていた基準が、『17℃~28℃』にしなければいけないと言うことになりました。しかも、これは「子どもたちの健康と快適」を維持する目的とされています。
参考)「学校環境衛生基準の一部改正について(通知)平成30年4月2日 文部科学省

このことについて如何に画期的なことなのか岩前先生よりお話があり、会場にいらっしゃった方々もとても興味深く聞いていらっしゃいました。

この後、私の方からも同じ田原台において断熱リフォームをされた事例を発表させて頂きました。
結果としてお話したことは、
それまでリビングでは20度を下回ることが多かったのですが、リフォーム後は20℃を下回ることが殆ど無くなったと言う事実。
暖かくなるとその方は、血圧が明らかに下がったという事実。

を、お話させて頂きました。

四條畷市長登壇のパネルティスカッション
四條畷市長も登壇されたパネルディスカッション

そして最後には、四條畷市長の東市長(日本で一番お若い市長ですが、とてもしっかりされている方です。)と田原台を代表するメンバーの方々を交えてのパネルディスカッションが行われました。
このパネルティスカッションにおいて、非常に重要だったお話は

昨年のこのシンポジウムの話を聞いて、実際に寒い時期の部屋を暖かくしてみました

と、言うお話だったのではないかと思います。
小学校のPTA会長を務められていらっしゃるのですが、今回はその立場と言うよりかは一人の母親としてやってみたことをお話されていたと思います。

聞くところによると、
「昨年は忙しくて、インフルエンザの予防注射に行けなかった。」

そうです。そんな折思い出されたのは、昨年のシンポジウムでお話した、
『家を暖かく過ごすように心がければインフルエンザの予防になる』
と言うお話でした。

「実際に心がけて家の中を暖かくするようにしてみました。その結果、家族の誰も風邪をひくこともなく冬を越すことが出来ました!

と、言う非常に貴重なお話をして頂きました^^)

このように、実際に実践されて初めて"実感すること"これが、一番重要に思います。
我々も色々な場所で、啓発活動としてお話をさせて頂きますが、どれだけ説得したとしても習慣はそうそう変わるものではないと思います。
ですので、"実際にやってみて感じて頂く"これ以上に効果のあることは無いと思います!

これを読んで頂いている皆様も、是非試してみて頂けたらと思います。

追伸)
シンポジウムの後に、パネルティスカッション登壇者の方々と懇親会が行われました。
東市長にもご参加頂いたのですが、非常に気遣いが卓越された方で、博学でもありました。
私が東市長と同い年だったころは、こんなに周りに気を配ることは出来ていなかったなと。
(まぁ、今もですが・・・)
素晴らしい方でした^^)

 
 
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