今年も「暮らしから始まる健康セミナー」と題して、
お医者さんと共に、住まいと健康との関連性についてのセミナーで、お話をさせて頂きました!
今まで、日本の住まいにおいてはあまり「住宅」というものが健康との関連性があるという話は、
殆ど知られていませんでした。
しかし、近年様々な医学的、建築学的な研究の結果、
住まいは我々の健康に影響を及ぼしていそうだと言うことが分かってきています。
このセミナーは、医者の立場、建築士の立場から、今分かってきている、
住まいと健康との関連性についてのお話が中心となっています。
これから、家づくりを考えようと言う方は、メモを取りながら、
真剣に話を聞いて頂きました。
小見山医師による医学的見地からのお話
まずは、最初にお医者さんの立場から小見山先生による、
生活習慣と病気との関連についてのお話です。
70代以上の方が疾患に掛かる原因の大部分が動脈硬化によるもので、
動脈硬化は、40代頃からの生活習慣の蓄積によって、徐々に硬化していくものだと言うお話です。
血圧が高いと、動脈硬化になりやすく、温暖な状況にいることで、
血圧は下がる傾向になると言うお話もありました。
また、心疾患は冬場に多くなる事実は、やはり寒さとの影響が高そうだと言う事もお話の中でありました。
これらから言えることは、
「暖かく過ごすことは、血圧を低く保つ効果があり、心疾患などのリスクを減らせそう」
と、いったことが言えそうです。
建築学的見地から、住まいと健康との兼ね合いについて講演
そして、私の方からは、近年の屋内事故が如何に多いか。
また、その原因となっているものが、浴室内での溺死やヒートショックによる心臓麻痺、転倒などが多くを占めている事実から、
屋内温度差を小さくすることの重要性や、イギリスにおいては屋内温度を規定(16℃未満は健康に影響あり)する法律がある話などをさせて頂きました。
つまり、冬でも健康へのリスクを減らすには、暖かく出来る環境にあることが大切であると言うお話です。
そして、その環境を実現するためにはどのような住宅が良いのか。
また、そのような住宅は実際に(健康以外にも)どのような好影響があるのかといった、話もさせて頂いています。
湿気とアレルギーとの関連についての話や、
屋内を木質化することが、体に良い影響を及ぼしているという話。
また、シックハウス症候群が何故起こり、
その対策として、今の住宅はどのようになっているのか。
と、言ったお話をさせて頂きました。
これから、家を建てる。あるいは、リフォームする。と言った方にとっては、
必ずや知っておくべき内容だと私は思っています。
最近では、
「機械やIT技術を駆使して、健康的に暮らしましょう」
と、言った向きの話があるようですが、
機械はいつか壊れるものですし、建物に比べると非常に寿命が短いものです。
そこから考えると、やはり家を建てる時は、
機械に頼った住宅にするよりは、
「建築的にシッカリと工夫をして、健康的に暮らせる家」
を実現することが、重要なのでは無いでしょうか?
少なくとも、私はそう言った住宅を提案することが、
とても重要に感じています。