近年は非常に暑いですね。
子供が小さいので、彼らの未来が不安になってきました。
将来はどうなってしまうのでしょうか?
気になったので、とりあえず大阪府の8月の平均気温を年ごとに並べてみました。
データは気象庁のホームページから得られた、1883年から昨年2019年までの大阪の8月の平均気温です。
これを見ると明らかに毎年平均気温が上がっているのが分かります。
2018年の8月の平均気温は29.7℃です。
以前なら、30℃を超えると無茶苦茶暑いと言っていたのが、今では
8月の半分以上が30℃を超えるくらいの暑さとなっていて、
本年の2020年は今の時点で平均気温が29.9℃だそうです。
暑いと感じるのも納得です。
大阪の8月の平均気温は順調に上がっている
グラフの下に、
「 y = 0.0166x - 4.4094 」
と言う式があります。
これは何を示すかと言うと、1年で大体どの程度、大阪の8月の平均気温が上がっているのかを計算したものです。
1年毎に0.0166℃づつ上がってきている訳です。
しかし、これは毎年の温度上昇が同じづつ上がっていると考えた場合です。
本当は近年になって、急に上がり初めているのかもしれませんので、実際にはもっと上がっていくのかもしれませんが、確実なことは毎年気温が上がっていると言う事実です。
今現在、この100年で世界の気温は0.6℃上昇していると言われていますが、この計算式がずっと続いていたとするなら100年で1.66℃も上がった計算となってしまいます。
私個人の意見としては、かなり深刻な状況なのではないかと思っています。
気温が上がることによって、様々な悪影響が考えられます。
我々、日本人にとって身近な影響としては台風の強大化です。
これは気温が上がることによって、海面からの水分の蒸発量が大きくなり、熱帯低気圧が発達しやすくなるそうでこのことが台風を強大化する原因だそうです。
詳細は以下のホームページで確認して下さい。国の研究機関のホームページです。
人間をもっとも沢山殺しているのは、人間自身と蚊と言われるくらい蚊は病気を運んできます。
日本脳炎やデング熱などがそれにあたります。
通常、寒くなると成虫はいなくなる蚊ですが、気温があがることによってこの蚊の生存期間が長くなります。
実際に「9月なのにまだいるの?」と思ったことありませんか?
これら以外にも、我々の未知の体験が増えるようになると思います。
微妙に均衡を保っていたものが、変わっていくと思われます。
このブログでも散々、気候変動や気温上昇を抑えるためには省エネをしなくてはならないと言う話をしてきました。
省エネは単に「二酸化炭素の発生を防ぐ」ということよりも、大切なことは「地中の中に眠っていて、本来は出てくるはずも無かった石油や石炭を使うことをやめる」ことにあることも徐々に浸透しているようにも思います。(そんな中に微力ながらでも貢献できていれば幸甚です。)
しかし、実際にどんな対策をすれば良いのか?
これに関しては、分かりやすくは
ZEHにすれば良いとか、高断熱住宅にすれば良いと言った方向の話はしてきました。
今回は更に具体的にどのような対策方法があるのかを纏めたものが出来ましたので、それをここに挙げます。
一般の方にとっては、ZEHや高断熱住宅にすることで大きな対策になりますが、家づくりに携わっている企業などはそれ以上のことを知りたい方もいらっしゃると思います。
もちろん、一般の方にとっても役にたつとは思います。
私が編集を担当させて頂きましたが、京都大学の小椋先生を始め、近畿大学岩前先生、京都大学鉾井先生など、建築環境工学では第一線でご活躍されている先生方や関西電力、大阪ガス、大手ハウスメーカーの技術部門の方、独立研究開発法人建築研究所の三浦さんなどにご執筆頂いた大作となっています。
こちらの内容に関しては、空気調和・衛生工学会のホームページから入手できます。
「R-0079-2020 建築・設備の省エネルギー技術調査 (住宅編) -創エネルギー実態及び新たな省エネルギー手法の調査-」
と言うレポート形式に纏めたものとなっています。
※現時点では会員さん向けに入手可能となっているようです。
是非参考にして頂き、子どもたちの未来を守っていきましょう!
6月に大阪府では自粛要請が解かれ、緊急事態宣言も解除されました。
今後、我々は新型コロナウィルスとの共存を余儀なくされることになったと言えるでしょう。
そこで、我々は新型コロナウィルスを人に感染させないための防護策を知っておく必要があると思います。
建築物の屋内環境の専門家である私にとっても、まだ未体験のことが多いですが、信用度の高い情報についてここで共有しておきます。
以下の動画は、「一般社団法人 建築環境設計支援協会」がオンライン講座として掲載している動画の埋め込みです。
新型コロナウィルスの感染について非常に分かりやすく纏めてありますので、是非御覧ください。
新型コロナウィルスの感染については、「飛沫感染」というものがメインとされ「空気感染」は殆ど生じないとされています。
しかし飛沫にしても、空気にしても通常我々人間にとっては、目に見えるものでは無いのでその差を認識することは殆ど出来ません。
「空気感染しないのだから、換気扇によって空気を入れ替えることは関係ないのではないか?」
と、言う意見もあるようですがこの動画では、どのような状況であれば感染が起こりうるのかが分かりやすく説明されています。
その中でも、補足があるとより良いと思われる部分について、補足させて頂きます。
出典:「一般社団法人 建築環境設計支援協会」
こちらは、上記の動画の約3分頃に出てくる内容です。
円卓のテーブルAに座っている、黄色のA1さんが無症状感染者だったそうです。
その後、調べたところ同じテーブルのA2~A5さん、テーブルBの3名、テーブルCの2名に感染が確認されたそうです。
中国での換気扇・エアコンの影響による感染例
この画像を見て、「あれっ?」と思われた方は感の良い方です。
まず一つ、大きな点はテーブルBで座っている人に感染っている点です。
飛沫感染がメインで、空気感染の可能性が低いとは言え、A1さんの口から出た飛沫が直接届くテーブルAの人たちだけでなく、テーブルBにまで届いている。
どうやら飛沫がエアコンや換気の空気の流れに載って、テーブルBまで届いていた可能性があるのです。
さらによく見てみると、この画像のエアコンや換気扇による空気の流れからでは、テーブルCの人たちには感染しなさそうではないですか?
A1さんがかなり大声で喋っていたからでしょうか?
その可能性が無いわけではありませんが、それにしてもC2さんはかなり遠いようにも思います。
なぜ、C2さんにも感染ったのでしょうか?
実はここが恐らくもっとも知られていない点だと思われます。
一般の多くの人が誤解しがちなこととして、『エアコンの空気は外から直接取り入れた空気を冷やしている』というものです。
実はこれ、エアコンの場合はあまり一般的ではありません(一部、外から取り入れるものもあります)。
通常は、部屋の中の空気を循環させて、それを吐き出しているのです。
ですので、空気の流れは実際には下の図ようになっているはずなのです。
中国での換気扇・エアコンの影響による感染例
こうやって見てみると、テーブルCに座っていた人が感染した理由もなんとなく分かってきそうです。
つまり、エアコンは屋内の空気を一旦吸って、それを冷やして吐いているのだから、吸う側(この場合、青色の矢印)の空気にも飛沫が混じっている可能性があるのです。
更に、邪推すると青色の矢印がエアコンの中を通り、飛沫が混じったまま水色の矢印になって出ていく可能性もゼロでは無いかもしれません。
しかし、その点に関してはこれだけでは何とも言えません。もしかしたら飛沫はエアコンの機器内で取り除かれ、それ以上は影響しないかもしれませんし、影響があるかもしません。
ただ注意しないといけないのは、エアコンの場合、明らかに分かりやすい風下だけが飛沫感染の恐れがあるわけでは無さそうと言うことです。
結局、我々が注意できることとして以下が挙げられます。
・エアコンの風下や換気扇の排気経路では、飛沫を含んだ空気の移動の可能性があるので可能であればそこに座席を配置することは避ける
・エアコンは室内機に戻る空気も存在するので、機器本体周辺も避けたほうが無難
以上が言えると思います。
ご参考にして貰えたらと思います。
5年の歳月を費やし、全国で調査が行われてきたスマートウェルネス住宅等推進調査事業。
その成果が国際的に認められる形となり、正式に厚生労働省のお墨付きがつくようになりました!
スマオートウェルネス住宅等推進調査事業では、断熱リフォームの前後でどれだけ健康に影響があるのかの調査が行われてきました。
その概要は、国土交通省を通して毎年少しづつ発表されています。
~断熱改修等による居住者の健康への影響調査 中間報告(第3回)~
そして、これらの成果をまとめた論文が、国際的な医学の血圧に関する研究者で成り立つ雑誌に昨年8月に掲載されました。
Cross-Sectional Analysis of the Relationship Between Home Blood Pressure and Indoor Temperature in Winter
A Nationwide Smart Wellness Housing Survey in Japan
「冬の家庭血圧と室内温度の関係の横断調査 日本における全国スマートウェルネス住宅調査」
これはつまり、この5年間で分かってきた冬場の住宅内の室温が血圧に関連すると言うことが正式に国際的に認められたことを意味します。
これをもって、日本サスティナブル建築協会が下のようなチラシを作成しました。
このチラシは、今までの5年間の成果が簡単に表現されているのですが、今までと何が違うかと言うと、国交省のロゴが入っているだけでなく、「厚生労働省」のロゴも入っている点です。
医学の世界では、何かが新たに認められるにはかなり時間をかけ、慎重に慎重を期した議論がなされます。
ですので、厚生労働省のロゴが入ることはそうそう容易いことではないのです。
その中で特に大切なことは、部屋の温度を暖かくすると血圧が低下し、安定することです。
このチラシの裏面では、以下のように表現されています。
「リフォームで断熱性を改善、最高血圧が平均3.5mmHG低下!」
これは、特にご高齢の方の方が効果がてきめんです。
3.5mmHgと言う数字はかなり効果が高いということになり、健康への影響度も高いことになります。
更にこのチラシでは、18℃前後の違いにも言及しています。18℃以上の室温で暮らしている人と、18℃未満の室温で暮らしている人を比べると、健康診断結果にかなりの差があります。
・心電図の異常所見がある人が約1.9倍
・総コレステロール値が基準範囲を超える人が約2.6倍
寒い状況で暮らしていることによって、体に負担を与えているということになります。
足元は15℃以上であることによって、高血圧や糖尿病予防にも繋がります。
リビングだけ温かくして暮らしている人に比べると、リビングと脱衣室両方とも温かくしている人の方が、より熱いお湯で入浴しています。より熱いお湯に入ると言うことは、ヒートショックになりやすい状況ということにも繋がります。
温かい家に住んでいる人の方が、家の中で動き回る時間がなんと30分近くも多いのです。健康的に過ごすために、1日1時間歩きましょうなどと言うことが言われますが、家の中での過ごし方が変われば、その目安も変わりそうですね。
以上のように一枚のチラシの中に様々な内容が描かれていますが、兎にも角にも、家の中を温かくすることによって、様々なメリットが得られることが分かりました。
これから、家の建て替えやリフォームをお考えの方は、是非とも参考にして頂けたらと思います。
明石家さんまさんが司会をしている
「ホンマでっかTV」
をご存知でしょうか?
こちらのテレビ番組、様々な分野の専門家が出演し、特定の話題に対して色々な知識を共有すると言う番組で、明石家さんまさんの軽妙な司会の元、とても面白い上にためになる番組となっています。
そんな、長年続く人気番組のホンマでっかTVに、一緒に授業や仕事をしている近畿大学の木村文雄先生が出演されます!
今回の番組のタイトルは「最新住宅事業▽深海に!宙に浮く!住宅▽霊が見えすぎる男」と題されており、2パートに別れているようです。
ですので、今回は前半の「最新住宅事情」の部分での出演となることが予想されます。
午後9時から、フジテレビ系列のチャンネルで放送されます。
どのような内容で放送されるのか、非常に楽しみです^^)
番組ホームページの出演者欄に名前の記載があります
最近では、ZEH(ゼッチと読む)住宅(ゼロエネルギー住宅のこと)が少しづつ多くなってきています。
このZEH住宅には、必ず太陽光発電を搭載する必要があります。
(ゼロエネルギー住宅については、こちら)
しかもゼロエネルギー住宅とするために相当量の容量を持った太陽光パネルを搭載することになります。
太陽光発電は昼間にしか電気を作れない関係上、容量の大きい太陽光発電の場合、発電した電気を家の中で使い切ることが出来ず、
そのまま余ってしまうことがあります。これを余剰電力と言います。
これらの余剰電力は、どうすることが良いのでしょうか?
これから家づくりを考えていたり、これから太陽光発電を載せようと考えている方は、事前にこのことを検討しておくことでメリットを受けられる可能性があります。
新築当初、10年間はこの余剰電気を買い取ってもらうと言うフィードインタリフ(略してFIT)制度があるので、売る選択肢を選ばれる方が殆どです。
ここ最近の最初の10年間の固定買取価格は下の表です。
これでいくと、電気料金の契約形態にもよりますが殆どの場合、余った電気は自宅で使うより、売ってしまう方が得です。
しかし、これが10年経つとそうはいかなくなってくるのです。
10kW未満 出力制御対応機器設置義務なし 出力制御対応機器設置義務あり※1 2018年度(参考) 26円 25円
(ダブル発電)28円 27円
(ダブル発電)2019年度 24円 26円 2020年度 - 2021年度 - 調達期間 10年間 ※1:北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の供給区域において、出力制御対応機器の設置が義務付けられています。
出典:「資源エネルギー庁 固定価格買取制度」
太陽光発電の固定買取後はどのようになるのでしょうか
卒FITとは、簡単に言うと太陽光を設置して11年目以降のことを言います。
当初10年は結構な値段で電気を買い取って貰うことが出来ますが、11年目以降は今まで何も決まっていませんでした。
しかし、2019年の11月から、FIT制度が始まって10年が経過する契約がいよいよ出てくるタイミングになりました。
そしてこのタイミングで11年目以降の電気を売る値段が各電力会社より発表されてきたのです。
それによると、従来の大手電力会社では、会社毎に少し違いがありますが、1kWhあたり7円~9円となっています。
(例えば、関西電力なら1kwhあたり8円です。)
つまり、値段が大幅に下がるのです。
この8円は、大手電力会社が海外から電気を作り出すために買ってくる、石油やガスの取引値段を考慮に入れた値段だそうです。
正当性はありそうな値段ですが、こんなに安くなったのでは正直売ってしまうのも勿体ないと思っても仕方がないことです。
また、従来の大手電力会社だけでなく、新電力と呼ばれる新しい電力を取引する会社も現在は多くあります。
これらのところに買って貰う場合、少し高めに売れる場合があります。
大体11円~13円と言ったところです。
恐らくこれは夜間電力の電気代を意識した料金と思われます。
これでも今までのことを思うと、そんなに得した気分にはなりませんよね?
そこで、何か他の方法が無いかと考えた時に以下に挙げる方法も考えられるのです。
卒FITでのエコキュート利用のメリットは?
8円やそこらで売ってしまうくらいなら、買ったら23~25円程度する電気の代わりとして自宅で使うことを思いつきます。
自宅で電気を消費することを「自家消費」と言って、立派な省エネ手法の一つなのです。
そして、その代表的な自家消費の方法として挙げられるのが、エコキュートの利用です。
エコキュートは、簡単に言うとお湯を沸かす給湯器ですが、特徴としては、
・電気でお湯をわかせる
・沸かしたお湯をタンクに貯めて保存できる
と言う、大きな特徴があります。
また、エコキュートは従来、大手電力会社が提供する夜間の安い電力を利用してお湯を沸かすシステムでした。
夜間の電力についても、電力会社によって相違がありますが、14円~15円程度のところが多いことを思うと、
昼間の余った電力でお湯を沸かして貯めておけるなら、貯めておいた方が得な場合があります。
(お湯は徐々に冷めるので、本来はその分も考慮すべきなのですが、ここでは無視します。)
最近のエコキュートは、非常に賢いタイプのものがあり、翌日の天気予報を見て、今晩貯めた方が良いのか、翌日の太陽光の余った電気で貯めた方が良いのかを判断するものがあります。
また、1日で消費するお湯の量も使っていく内に把握していくので、無駄に多く炊きあがることを極力減らすことも可能です。
ですので、安い電気代で売ることを考えると、お湯を沸かすための電気としてエコキュートを導入して利用する方法があります。
ただし、昼間に電気を賢く沸かせるタイプが良いです。
実際には、エコキュートの場合は導入コストが掛かりますので、念の為この比較を載せておくと。
(※注意:この比較はエコキュートの耐用年数を10年としたため、エコキュートを買い替えた前提で、最初の10年の売電は含んでいません。)
エコキュートVS11年目以降の売電 | ||||
---|---|---|---|---|
大手電力会社 | 新電力 | |||
エコキュートで得する電気代(年間) |
20,000円 | 20,000円 | ||
売った場合の儲け(年間) | 10,700円 | 18,700円 | ||
差額 | 9,300円 | 1,300円 | ||
エコキュートの買替を10年とすると | 93,000円 | 13,000円 |
【試算条件】
エコキュートの年間の電気代は、Panasonicホームページを参考『http://sumai.panasonic.jp/hp/2point/2_3.html』
夜間電力を15円/kwhと想定し年間の必要電力を1333kwhとした。
売った場合の儲けは、大手電力会社に8円/kwhで売った場合を想定。
新電力の場合は、14円/kwhで売った場合との比較
簡単な試算ですが、エコキュートの導入コストが従来品よりかなり高くなる場合はそれほどお得になるとは言えないようです。
ただ、エコキュートが従来品と同等程度であれば自家消費の方が若干得すると言ったところでしょうか。
先程はエコキュートの特性上、夜間電力との比較がもっぱらでした。
しかし、蓄電池の場合ですと夜間の利用だけでなく、雨や曇りの日の昼間の電力との比較が可能となります。
雨や曇の日であれば、太陽光での発電はさっぱりですから、蓄電池に貯めた電力を利用することが最良と言えそうです。
また、蓄電池はお湯だけに使うのではなくて、家電製品であれば何でも使えます。
そこで、蓄電池に貯めた場合と全部売った場合の比較をしてみたいと思います。
太陽光を取り付けた当初10年は、蓄電池に貯めるより売る方がお得なので、11年目以降に蓄電池を取り付けた想定とします。
総務省の統計局によると2018年の4人暮らしの年間の電気代の平均は、140,000円程度で5,500kwh程度
(本来、省エネ住宅ならもっと少ないはず)
この内、昼間(午前7時~午後11時)と夜間の電気使用量の比率は10:4とします。
(※電気事業連合会による一日の電気発電量の推移を時間帯別に積分した割合)
家庭用の蓄電池は10,000回程度の充放電が可能なものが一般的で、15年程度の保証がついてくるものもあります。
1日1回の充放電として、27年もちますが、少し少なめに見て20年もつと考えましょう。
場所によって大きく異なりますが、晴れの日は大体年間で6割程度として、残りの4割を曇りか雨の日として昼間に貯めた電気を使うとします。
晴れの日は太陽光発電があるので蓄電池の威力はあまり発揮できず、夜間に貯めた電力を使うことにします。
ならすと1日に4kwh程度です。
雨や曇りの日は蓄電池の最大容量まで利用できることにします。(ここでは最大を7kwh設置とします)
(蓄電池には晴れの日の間隔が上手く振り分けられて、常に満タンまで使えることを想定します。)
これで売った場合との比較を考えると。
買わずに済む電気代は、年間38,620円、20年間で772,400円
余った電気を売った場合の儲けは、8円だと年間15,161円で20年で303,232円。
14円だと、年間26,533円、20年間で530,656円
なので、20年間の差額を見ると
8円で売った場合の比較は47万円程度
14円で売った場合の比較は24万円程度
となります。
今、7kwhの能力の蓄電池を考えたのですが、補助金などを利用したとしても正直元を取るのは難しいかもしれませんね。。。
これはあくまで概算ですので、これから家を建てるひとは、家の断熱性能や家電製品の省エネ性能などによって、
必要な蓄電池の量が代わります。
これによって、意外と導入コストとの差が縮まることも考えられるので、一度正確に試算して貰うと良いでしょう。
実際には、太陽光発電と蓄電池があれば電力を購入することが無くなり、かなり得するのではないかと言った試算や実例もあります。
太陽光発電と蓄電池で全く電気を購入することが無くなれば、単純に年間14万円はかからなくなる想定です。
これであれば、20年間で280万円も得する事になります。更に当初10年の売電を考えると、更に得になりそうですね。
(参考:「近未来!VPP(バーチャルパワープラント)とは何でしょう?」)
卒FITでの電気自動車利用も考えられる
電気自動車やPHV(プラグインハイブリッド)の場合、一般的には蓄電池を購入設置するよりも導入コストは安いとされています。
更に走ると言う機能もついているので、貯めることだけを考えると電気自動車に軍配があがります。
しかし、V2H(ビークトゥーホーム)と言う、車に貯めた電気を家で使う。
と言ったことに対応している車とそうで無い車もあります。
さらに、V2Hを実践するためには専用の機器も必要となり、そのコストも掛かります。
なので、貯めた電気をいつでも使えるようにするためにはさらなるコストが必要なのです。
電気自動車は自動車メーカー側が普及の計画を立てているようですので、今後コストもガソリン車並に下がるでしょう。
※2050年には、日本国内においてもガソリン車は廃止され、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)のみになることになっています。
それを見据えて、駐車場に充電用のプラグを設けておくと言ったことはこれから新築を考えるのであれば、あっても良いと思います。
電気自動車の場合は、ガソリン車と比べられることが多いのですが、家庭用の電気を利用して充電しても、
ガソリンと比べると6分の1程度のコストとなるようです。
ご家庭の車をどんな頻度で使用するのかにもよりますが、結構車を利用する家庭ならガソリン車と比べると余った電気を貯めることで電気自動車とガソリン車の差額を埋めることが出来るかもしれません。
余剰電力を電力会社に預かって貰うと言う選択肢もあります。
この場合、電力会社によってかなり扱いがことなります。
月額料金が必要な場合や、実質売っているのと変わらない値段設定になっていたりします。
預かって貰うより売るほうが得する場合などもあるようです。
概ね、かなりお得と言ったプランは今の所見当たりません。
ご自身が住んでいる電力会社の対応をよく吟味しましょう。
将来の可能性について、少し触れておくとドイツなどでは既に実現しているのですが、
上記のような様々な手法を組み合わせて、太陽光発電を設置した住民本人が、電力の売り主となって一番特に売るあるいは使うというのを決めて自由に売買出来る世界がやってくるかもしれません。
このような世界が日本でも実現すれば、選択肢は更に広まるものと考えられます。
2017年に近畿大学の一員として、エネマネハウスと言う新たな住宅の省エネルギー技術を取り入れた建物を設計、建築するコンペに参加致しました。
その際の様子は以下にて確認できます。
エネマネハウス2017のモデルハウスが一般公開されます!【2週間限定】
エネマネハウス2017の結果発表!
2018年グッドデザイン賞受賞! エネマネRハウス
そして今回、2年の月日を経て我々が取り組んだ内容がようやく公開されました。
建築学会と言う我々建築業界では、最も権威のある学会における「技術報告集」と言う査読付き論文(A論文:つまり他の専門家によって正式な論文として認められた論文)として、掲載されています。
『エネマネハウス 2017 における『エネマネR(アール)ハウス』の省エネ・環境技術』
これは我々が取り組んだ新しい考え方の一部の発表なのですが、こちらではその内容についてもう少し平易に纏めて紹介したいと思います。
エネマネハウスでは、いろいろな省エネ技術を取り入れて、将来普及可能な省エネ生活を提案するという事がコンセプトとなっています。
1次審査では、書類審査が行われ決勝では実際に提案した住宅が建築されます。
建築された住宅で、実際に2週間ほど生活してみて、どの程度省エネだったのかを競います。
昭和50年代の一般住宅をリフォームしたエネマネRハウスの外観
我々、近畿大学チームが提案したのが「エネマネRハウス」
RはリフォームのRやリユースのRと言う複合的な意味合いが含まれています。
昭和50年代に沢山のニュータウンが開発されました。
その際に建築された住宅は、殆ど同じような間取りで、大量のストックとして残っています。
この時に家を建てた世代は、既に子供が自立し、親元を離れています。
ですので部屋数に余りが出てきて、使わない部屋が多く存在しています。
今後、人口減によりさらに空き家も増え、ますますニュータウンにおける地域のコミュニティが希薄になることが予想されます。
このコミュニティの希薄化に待ったをかけるべく、提案されたのが今回のエネマネRハウスの基本的な考え方です。
改修前の間取り
こちらが昭和50年代の住宅の代表的な間取りとなります。
ご自宅もこのような間取りだと言う方は多いのではないでしょうか?
真ん中に玄関があり、家の中心に階段があります。
廊下を介してLDKと和室&水回りが配置され、2階が個室。
と、当時一番多かったであろう間取りがこちらになります。
改修後の提案の間取り
そして、その間取りを改修した後(今回の提案)の間取りがこちらです。
高断熱ゾーン(薄く灰色掛かったゾーン)と言うところが実際の生活空間になります。
そして、ルームガーデンが地域コミュニティを活性化させるための"近隣の人が集まれる場所"となります。
このように、新たな生活空間を2人生活用に最適化して、残りの空間をコミュニティスペースとして活用する。
こうすれば、生活に必要なエネルギーは生活スペースの集約によって、冷暖房や照明に関する使用エネルギーを少なくすることが出来ます。
また、コミュニティスペースによって近隣の方が気軽に集まれるスペースを作っておくことで、地域とのつながりも新たに生み出すことが可能です。
このように、スペースに新たな役割を与えるという事が今回の提案のメインとなります。
また、生活動線を集約するために、カートリッジと言う新たな概念を取り入れ、このカートリッジが新たな生活シーンを生み出すと言う提案も同時に行っています。
難しい話は、論文の内容を見て頂くとして、簡単にどういったことが出来るようになったのかを記します。
一般的な家庭でのエネルギーの消費割合
一般的な家庭では、お湯・暖房・照明などに使用するエネルギーの量が大部分を占めます。
ですので、これらを如何に少なくするかが大きなポイントとなります。
最初の写真を見て頂くと分かるとおり、今回の建物ではかなり沢山の窓を有しています。
究極に高断熱化を行うことで、窓の割合を増やしても十分に暖かな空間が生み出されるわけです。
窓が多いことよって、昼間の明るさ(昼光率)も明るくなり、とても開放的な空間とすることが可能となります。
このことにより、照明に使用するエネルギー量を削減出来るのです。
また、高断熱化と生活動線の集約化によって、暖房もかなり小さい暖房性能のものでよくなります。
今回は、既存のエアコンを改造することにより、殆どエネルギーを使わないエアコンを用意しました。
屋根には太陽光発電システムの他に、太陽熱温水器のパネルも設置。
エネファームを利用して、出来たぬるいお湯は、余ったら捨てられるのですが、そのお湯を捨てずに太陽熱温水パネルで熱いお湯にまで熱します。
そうして、お風呂のお湯に利用するというシステムを新たに提案。お湯に使うエネルギーの量をかなり減らすことに成功しました。
大きな部分として、3つの手法をご紹介しましたが、更に他にも沢山の工夫がなされています。
このような工夫を沢山行うことでかなり使用するエネルギーの量を減らすことに成功しました。
このような考え方や技術が少しでも世の中の生活の質をあげ、省エネに貢献することが出来れば、そんなに嬉しいことはありません。
ぜひ、ご参考にして下さい!!
アメリカの技術者であり、サイエンスライターのRamez Naamさんが提唱し、Googleなどもこの思想を取り入れているそうなのですが、太陽光発電で発電できる電気の価格はある法則に従って安くなっていくそうです。
今回は、この考え方についてご紹介致します。
太陽光発電の採用を迷っている方は是非ともご参考にして下さい。
ムーアの法則というものをご存知でしょうか?
ムーアの法則とはアメリカのインテルと言う、「インテル入ってる?」と言うCMでお馴染み(古い?)のパソコンのプロセッサを作る会社の創業者である、ゴードン・ムーアさんが1965年に論文を発表して有名になった法則です。
集積回路上のトランジスタの数は、「18ヶ月(1年半)毎に2倍になる」
というもので、事実これはその通りに発展しパソコンの能力は目覚ましく向上しました。
(近年ではその伸びも鈍化しつつありますが、GPUへの移行で維持されるとも言われています。)
ムーアの法則の面白いところは、性能の向上と言う視点だけでなく、裏を返せばそれだけ性能の良いものが安く手に入るようになる。つまり、コストも同じような法則で安くなる。
と、言うことも言えるところです。
この考え方を太陽光発電の値段に適用してみたRamez Naamさんは、2010年に2009年までの実際のデータを使って、以下のようなグラフを作成しました。
太陽光発電のおけるムーアの法則
このグラフは、2009年までのデータが実際のアメリカでの市場のデータです。
そして、それ以降が予想の値となっています。値段は太陽光発電の1W当たりの値段をドルであらわしています。
ちょっと、日本人の感覚では分かりづらいので、1ドル=110円として、1kw当たりの値段にて換算してみます。
すると、次のようなグラフが出来上がります。
太陽光発電のおけるムーアの法則(日本円に換算)
このように換算してみると、2000年頃に1Kw50万円、2015年には1kw19万円と言う数字が読み取れます。(対数グラフと言う表示になっているので、分かりづらいかもしれませんが。)
実際に、日本において2000年頃の太陽光の値段は58万円程度であり、2015年頃には商業用では約28万円(住宅用で約)44万円でした。
こうしてみると、少し差はありますが概ね法則に従っているようにも見えます。
実際に、Ramez Naamさんがこの内容を発表した際に様々な議論が巻き起こったようです。
ただ、厳密にムーアの法則に当てはまるかと言うとそうではありません。
ただ、氏が言いたかったのは、それだけ指数関数的に安くなっていくことは間違いなく、結果的には石炭を使って発電するよりも安くなるはずだ。と、言うことを言いたかったようです。
原文:「Smaller, cheaper, faster: Does Moore's law apply to solar cells?」
これによると、太陽光発電にかかるコストは2020年には石炭を利用した火力発電より下回るはずだと彼は述べています。
そして、そのことが二酸化炭素排出を防ぐことが出来るクリーンな社会を生み出すとしています。
日本の場合、この発想をそのまま適用できるかと言うとそれは出来ません。
アメリカは古くから電気の料金を市場が決めてきた背景があり、日本ではそれを長らく政府が決めてきました。
ここ最近、電力の自由化によって比較的電気料金にも幅が出てきましたが、まだ自由競争ということろまでいっている訳ではありません。
そんな背景の違いがあるので、実際にこの言葉を鵜呑みにするわけにはいきませんが、大切なことは
「導入価格が指数的に減少している」
と、言うことで
【いつかは太陽光発電を導入することが当たり前の世界がくるかもしれない。】
と、言うことで、それが
【それほど遠くない未来にやってきそう】
だと言うことです。
事実、買い取り価格(本日、太陽光の買い取りをやめるかもしれないと言う案が出たと言うニュースが出ていました。2020年だそうです。)を前提として、ゼロエネルギー住宅にすると太陽光発電を設置した方が、かなりお得だと言う試算も可能となっています。
これから太陽光発電を導入しようと考えている方は、2020年近辺においてコスト的には一方的に得とは言い切れないが、殆どの場合得する。と、言っても過言ではない時期なのだと言うことを知っておくと良いでしょう。
私が近畿大学建築学部にて講義をしている、環境演習という授業の一環で、世界的に有名な設備や構造の設計会社である、Arup.Japanの設備部門の部長さんにお越し頂き、講演をして頂きました!
Arpuさんは、世界40カ国に法人を持ち、意匠(デザイン)設計以外の設計をやられている会社です。
ですので、有名な建築家とのコラボレーションも多数あります。
Arupさんが有名になったのは、誰もが不可能と思っていたシドニーのオペラハウスの設計を見事にやり遂げ、それを実現したところからだそうです。
設計者が手書きの図面を作成した段階では、その複雑さから建築は不可能と言われていました。
誰もがその実現を悲観していたそうですが、Arupさんが画期的な手法を考案し、建築の実現にこぎつけたそうです。
今では世界で一番新しい世界遺産だそうです。
世界中で手がけている建築の数々について、ご紹介頂いた中から特にこれから住宅を建てる人にも知っておいて貰えたらなと思った内容をご紹介します。
Arupさんによる講演の様子
大きな建築物を設計する場合、設計には主に3つの種類が存在します。
それが、
・意匠(デザイン)設計
・構造設計
・設備設計
最初の2つはイメージがつきやすいと思いますが、設備設計とはあんまりピンとこないかもしれません。
しかし、この設備設計はとても奥が深く周りの環境を考慮した上で、屋内の環境を良くするために空調や換気の計画をすると言ったことが主な設計内容となります。
日本では関西空港における換気扇の設計を手がけたがのが最初の設計だったそうです。
関西空港にいくと、大きなドーム状の屋根があると思います。
あのドーム状の屋根には一切の空調設備が見えません。
それもそのはず、屋根の一番端に取り付いている、特殊な換気扇によって一気に空気の搬送が行われているのだそうです。
このように、設計する設備をどのように美しく見せるかというのも、設計の腕の見せ所なのです。
この内容については、後日改めてご紹介するとして、Rames Naamさんと言うアメリカの技術者の人の話を紹介されていました。
氏によると、太陽光発電の進化もムーアの法則と同じで、指数対数的に性能が良くなり、値段が安くなっていくと2011年頃に予想していて、
現実にその通りになってきているそうです。
ですので、「世界中の電力はPVで賄えるようになるはずだ」と言う予言がなされているそうです。
まだ太陽光発電を設置していない世帯は、この発言を参考に設置を検討しても良さそうですね!
講演の中で最も印象的だったのは、どんな空間が快適なのだろうと言うお話でした。
人が快適に思う空間は、オフィスの中にあるのか?それとも常夏の屋外のプールサイドにあるのか?
両者は環境因子を考えた時、ぜんぜん違うのですがそれをあえて屋内で用いる快適指標に当てはめると、どちらも同じような快適な数字になるとする。
しかし、実際に人間がどちらを選ぶのかと言うと、個人差はあるとしても、大半はプールサイドを選ぶのではないか。
そう考えた時に、何故屋外空間の方が良いと感じるのだろうか?
そういう考えさせられる内容でした。
そして、講演者の菅さんの考えでは
・快適さは環境の変化がなければ感じられない
・快適さは身体的と心理的、両方の感度の組み合わせ
だと、言う考えを述べられていました。
環境の変化が必要と言うのは、例えば「暑い」から「涼しい」に変化したときの感情などを指しているようなのですが、常に主体的に快適さを感じている必要があるのかどうかは私自身は多少違和感を感じましたが、心理的に良いと感じる快適さは必ずあるだろうなと思いました。
このことを、その場所に対する「期待値」と表現されていましたが、確かに常夏の屋外のプールサイドに期待するのは、屋内で過ごす場合よりも「暑さ」は多少寛容適で、風の強さに対しても屋内に比べるとはるかに寛容的になるのは間違い無いでしょう。
そのように考えた時、「色々な期待ができる場所を作る」と言うのはとても大切なことだと言う風に私自身は解釈しました!
その後の懇親会でも、色々お話をさせて頂き、とてもためになりました。
ありがとうございます!
山形大学の城戸先生は、世界的に有名な白色有機ELを開発された(将来のノーベル賞!?)先生です。
先日、その城戸先生にお話を伺う機会を頂きました!
山形大学の有機エレクトロニクス研究センターにはその有機ELを実際に取り入れた住宅を建てていて、近未来の生活を垣間見ることが出来ます。
(こちらの施設を見学希望の方は、是非ご連絡下さい!城戸先生に直接お願い致します。)
そもそも有機EL(エレクトルミネッセンス)とは、次世代の発光体です。
近年では、LEDが照明として利用されたことで大きなイノベーションがおきました。
この有機ELは更に新たなイノベーションを起こす可能性のある材料です。
仕組みの詳細は下記の写真を参考にして下さい。
山形大学有機エレクトロニクス研究センターにあるディスプレイでの説明
特徴としては、
・広い面を光らせることが出来る。
・厚みが0.1mmと非常に薄い
・省エネルギー
・太陽光と同じような自然な光(LEDと最も違う点です)
・紫外線を含まない
・透明なものも出来る。様々な色も出せる!!
・製造が非常に簡単!印刷で製造可能!!
・曲げることも可能!
と、かなり様々な特徴を持っています。
少しづつ、照明器具やスマートフォンのディスプレイ、テレビのディスプレイなどに利用され始めています。
更に、今後は曲げられると言う性質を利用して、更に多くの用途に利用される予定です。
また、有機太陽電池として透明な太陽光発電も可能となっていて、こちらでも新たな用途が期待出来ます。
ここにミライの有機ELを使った生活が再現されています!
山形大学の有機エレクトロニクス研究センターでは、実際に有機ELを取り入れた近未来の生活を再現した、「ミライハウス」が建設されています。
こちらでは、近未来の生活を体験する事ができます。
尚、こちらの建物の設計者は、私のお世話になっている(飲み仲間?)、近畿大学の木村先生がご担当されています。WBMによりコンセプトを明確した計画となっています。
※WBM:
ウェルネスビーングマップの略で、その建物に望まれるコンセプトをマトリックス状に整理し、設計思想を明確化するためのフレームワーク
将来は天窓にも有機ELが採用されるかも!?
ミライハウスの中には、将来の生活が想定された仕掛けがいっぱいあります。
リビングには写真のような大画面有機ELモニター。
もはや、薄くて大画面に出来る有機ELであれば、建築時に壁紙のように取り付けることも可能。
テレビの概念が、家電製品単体としての概念ではなく、建築に組み込まれた新たな存在として再認識される可能性もありそうです!!
また、この大画面越しに遠いご両親のご自宅が出てくれば、まるで一緒にいるかのような錯覚をすることも可能となりそうです。
大画面越しに、等身大のご家族と会話すれば、遠距離でも心の距離を縮めることは可能となりそうです!!
また、写真の天窓のように夜に曇っていても、星空を浮かべるようにすることも可能です。
昼間に曇っていても、有機ELによって太陽の光が降り注ぐかの如く、表示することも可能。
もちろん、天気の良い日は透明にして実際の外部を望むことも可能です!!
実際に太陽光に照らされているように見える障子越しの有機EL照明
例えば、都会などでお隣さんとの距離が近く、窓を設置しても対して明るさが確保できない。
そんな時には上記の写真ような、まるで窓から光が入ってきているかのような、障子を設置することも可能です。
この外側には、実際に窓はありません。それなのに本当の太陽の光が入ってきているようです。
将来的にはこんな風な照明のみの空間も考えられる
また、照明といえば天井につけることが一般的でしたが、厚さが0.1mmしか無いので、配線さえ通せば床に設置することも可能です。
防水性もあり、更には取替も簡単です。
このどこにでも設置することが可能と言うのが、恐ろしく無限の可能性を秘めています!
今までの照明機器の概念を全く新しいものに変える、私達の生活を一変させてしまう大きなイノベーションの可能性もあります!!
取替は以下の要領で行います。
照明の一部をポンと押すと、すんなり外れます。
このように薄い板状のものが磁石でくっついているだけでした。
取り外した後は、こんな感じ。ここに新しい有機EL照明を設置するだけ
簡単で、とても便利!!
この他にも、鏡に設置して朝起きたら必要な情報が出てきたり(すでに今ありますが。。。)、照度も必要な明るさになったり。と言った提案や、
VRの技術などと組み合わせて、家に居ながら会議に出たり。様々な用途が提案されていました。
とても魅力的で、夢のあるお話を聞かせて頂き、本当にありがとうございました!!
4月1日以降に家づくりの請負契約をした場合、令和元年10月1日まで家が完成・引き渡しを受ければ消費税は8%のままです。
しかし、家の完成・引き渡しがそれ以降になると消費税は10%となりますので、注意が必要です。
ただ、今回の増税では住宅需要が冷え込まないようにと、経過措置として政府が様々な支援策を用意していてこれらを上手く利用すれば、増税前とそれほど変わらない金額で家づくりをすることが可能となっています。
ここでは、どんなメニューがあり、どのような内容なのかを纏めました。
メニューは大きく4つあります。
消費税10%増税後の4大支援策
増税前は、控除期間が10年でしたが、更に3年間延長され、建物購入価格の消費税2%分の範囲で減税されます。
更に、消費税8%の時は、一般住宅2000万円までの借入金額、長期優良住宅や低炭素住宅の場合3,000万円までの借入金額が上限とされていたのですが、消費税10%になると、これが4,000万円と5,000万円までに上限が挙げられ、かなりの範囲の住宅ローンに対して控除が適用されることとなりました。
消費税8%時 最大30万円給付(収入の目安 510万円以下)
消費税10%時 最大50万円給付(収入の目安 775万円以下)
実際に受けられる給付金額については、以下にて計算できます。
http://sumai-kyufu.jp/simulation/index.html
注文住宅で、1か2か3に該当する住宅(最高35万ポイント(35万円相当))
建売などの住宅購入の場合やリフォームの場合など、その他の詳細は以下にて
https://www.jisedai-points.jp/user/new-house/
消費税8% 非課税枠 一般住宅を建てる場合700万円 質の高い住宅を建てる場合1200万円
消費税10% 非課税枠 一般住宅2500万円 質の高い住宅3000万円
ただし、2020年4月以降は段階的に非課税枠を引き下げ
と、なっていて、もし親などから相続を受ける可能性があるのであれば、事前に生前贈与として現金を貰い受けておくほうが、節税出来るという仕組みになっています。
例えば、増税前の建物金額が、2500万円(税抜き)だったとすると、8%の時の消費税は200万円。これが10%になると、250万円となり、差額は50万円です。
【年収が511万~775万円までの人】
(すまい給付金)
8%時は住まい給付金がゼロでした。
10%以降は、ゼロから最高50万円の間で給付を受けられます。
給付額については、下記にて計算が可能です。満額の給付を受けられたらそれだけでトントンですね。
http://sumai-kyufu.jp/simulation/index.html
(次世代住宅ポイント)
こちらが最大35万ポイント(35万円相当)つくので、対象となるような住宅を建てるのであれば、もしかしたら増税後の方が得かもしれません。
【年収が510万円以下】
8%の時はすまい給付金が収入や扶養(16歳以上)家族の人数に応じて、10万~30万円貰えました。
10%に上がると、扶養(16歳以上)家族が3人以上で満額。2人以下でも40万円もらえる可能性があります。ですので、差額20万~ は給付を受けられるようです。
こちらも更に次世代住宅ポイントの対象となるような住宅にするのであれば、増税前より若干お得になる可能性があります。
【年収が776万以上の人】
(すまい給付金)
10%の増税後は扶養家族の人数によってもらえる額が変わりますが、扶養家族が1名だけの場合は給付されないようです。
(次世代住宅ポイント)
こちらは、同様に対象となるような住宅にすると35万ポイントもらえるので、そんなに大きな差はなさそうです。
(住宅ローン控除)
住宅ローンを借りる場合は、住宅ローン控除の拡充によってある程度トントンになりそうです。
と、いうことなので今回の消費増税に関して、経過措置が様々に用意されている住宅建築においてはそれほど金額的な差は無く、場合によっては増税後の方が金銭的に特になる場合もある。と、いう事が言えそうです。