北海道の旭川は、日本で一番寒い地域です。
札幌市から車で約2時間ほど走ると、旭川にたどり着く事ができます。
そんな北の果てとも言うべき場所に、日本で一番施設の充実した、
建築のための、総合的な研究所が設けられています。
その名も北方総合研究所、略して北総研。
今回、とある理由からその北総研を訪ねて来ました。
北海道の旭川にある、北方建築総合研究所(北総研)
まだ、雪の多く残る北海道。
今年は、かなり暖かい冬だったそうで、丁度私が旭川に訪ねた際にも、
雨が降っていました。
この時期に、雨が降ることは殆ど無いそうで、
本来であれば、雨でなく雪がまだまだ降る時期だそうです。
そんな中、辿り着いた北方建築総合研究所。
この施設では、建築おける材料や建物のあらゆる試験を行うことが可能だそうです。
とある実験を行っている施設
私が確認してきたのは、家の外側と内側を再現して、
その間にある、壁の状況を確認するための施設。
この他にも、地震を再現するための施設や、吹雪を再現するための施設。
太陽の光にさらされる事を再現した施設など、様々な状況を想定して、
建物や材料を実験するための施設が備えられていました。
また、日本最大級の実験施設と言うことで、
建物自体にも様々な工夫が凝らされていました。
下の写真は、アトリウムと呼ばれるホール。
右側が実験施設のある建屋で、
左側が事務所のあるオフィス棟。
アトリウムを境に分けられています。
とても明るい空間が広がるアトリウム
この建物では、空調や照明を節約して省エネ化を図るための仕掛けが沢山あります。
オフィス棟は、アトリウムと外部の空間の間にあります。
そして、オフィス棟の外部側は窓が張り巡らされていて、
オフィス内には、窓からの明かりと、アトリウムからの明かりで、
まるで外にいるような感覚になります。
実際に、昼間に照明を使うことは殆ど無いそうで、
実際に私が訪ねた際にも、かなり曇った天気でしたが、
照明は使用されておらず、そんな中でもかなり明るい状態を保っていました。
まるで外にいるような明るいオフィス
逆に明るくなりすぎるための予防もキチンと考えられていて、
これだけ窓が多くても、構造的な問題がおきなような計画も
きっちり行われています。
この他にも、冬場に降った雪を地下に貯める貯蔵庫があり、
夏にはその雪の冷気を建物内に導入して、冷房の代わりとする仕組みもあります。
ただ、夏場はそもそも冷房を使う必要はあまり無いそうなので、
使わないことも多いそうです。
もちろん、寒い冬でも暖かく過ごすための断熱性能は、
バッチリで私が訪れた際も、暖かく過ごすことが出来ました。
こういった工夫は、住宅でも積極的に取り入れられるべきです。
建て替え前の思い出の和室部分を残して、
新築された八尾市のK様邸の完成見学会。
多くの方にご参加頂きました^^
住宅CMサービスでは、建物の完成見学会はあくまで、
ご自身の建築計画の参考の場として頂くために開いています。
様々な建物を見学される事をお勧めさせて頂いていて、今回もその一環として、
完成見学会を開催させて頂きました。
(※もちろん、お施主さんのご好意があっての事です)
リビングに面した、明るい庭空間
リビングの外側には、明るい庭空間が広がっています。
現在、お隣さんは駐車場となっているため、この庭スペースは、
とても明るくなっています。
しかし、将来的にはもしかしたら、駐車スペースに建物が建つかもしれないと
言う事で、リビングを手前にずらし、建物がたっても相応の明るさが確保できるようにと
いう配慮がなされています。
古い住宅の壁部分が残る、ダイニング
ダイニング部分には、以前の建物の壁の部分がそのまま残されています。
写真の中央より少し右側に見える、タイルを貼った壁です。
そのどうしても残る壁を思い切って、タイルを張って、装飾の一部としてしまうと言うのは、
参考にして頂けたのは無いでしょうか。
この壁の裏側には、給湯器などのリモコンが埋め込まれてもいます。
また、このダイニングはシステムキッチンの扉の色に合わせた
壁紙が貼られていて、とてもお洒落な雰囲気を醸し出しています。
また、照明もスタイリッシュな形をしたものを採用されているので、
この空間全体が、スッキリした雰囲気となっています。
思い出の和室部分
和室部分は、建て替え前の和室をそのままの形で残してあります。
しかし、ふすま紙や畳の表面部分(畳表と言う)は、新しく張替え、
まるで新品のように見えます。
建て替え前、こちらの和室はまるでリビングのように家族でお過ごしになられた
場所と言う事でした。
ですので、その面影がちょっとでも多く残るようにと、ほぼそのままの雰囲気になっています。
ですから、真壁和室と呼ばれる建物の構造の一部である柱が部屋の内側に見えてくる、
そのままを残してあります。
「見学に来られた方は、まるで旅館みたいな和室ですね」
と、仰られていましたが、それは正にこの真壁のためだと思われます。
この他にも、キッチン裏に計画された大きな収納や、裏から自由に出入りできる、
回遊性のある勝手口など、これからの家づくりのご参考にして頂けたら本望です!