3月1日、近畿大学にて以下のシンポジウムが開催されます。
2018年の1月。我々が4年に渡って調査協力してきたスマートウェルネス住宅等推進調査事業によって、
様々なことが分かってきたと言う報告がなされました。
屋内を適切な室温に保つことは、具体的にどの程度の血圧を下げることが出来るのか?
また、屋内と言っても、リビングだけを温めるのと、リビングや寝室、脱衣室まで温めるのとでは、
どのように違いが生じるのか?
詳細な調査を通して、様々なことが明らかにされつつあります。
今回のシンポジウムでは、このスマートウェルネス住宅等推進調査事業で調査や分析の責任者である、
慶応大学の伊香賀先生が、調査で分かった最新の事実についてお話下さいます。
また今回は特別なゲストとして、ベトナム政府関係者としてベトナム建設省の方が来日され、
蒸暑地域と呼ばれる、東南アジアや沖縄のような暑い地域での住宅の省エネに関する取り組みについても
お話されます。
更に、近畿大学の岩前先生はこのような蒸暑地域においての調査研究についての
お話をされる予定となっています。
以下、開催概要です
『東南アジア蒸暑地域型 健康・省エネ住宅シンポジウム』
~スマートウェルネス住宅等推進事業調査に基づく今後の蒸暑地域住宅の在り方~経済発展の著しい東南アジアの諸都市では、エネルギー消費も急速に増加しており、
我が国ならびに欧米各国の省エネ努力が地球全体では功を奏しない状況が早晩、予想される。
また、感染症による健康被害ならびに蒸暑気候による知的生産性の障害は徐々に減少しているとはいえ、
現在でも相当大きな課題となっている。わが国では、スマートウェルネス住宅等推進調査事業(SWH調査)により、屋内の温度環境を
適正に保つことで居住者の健康が維持増進するという可能性を検証している。
この経験は、蒸暑地域における、健康で省エネ性の高い住宅の在り方への提案にも活用できる。
同時に東南アジアへの展開は、沖縄に代表される日本国内の蒸暑地域でのカビやダニに
起因するアレルゲンに対応した住宅の普及啓発を加速するといった効果も期待できる。今回、21世紀の経済発展の雄であるベトナムから政府関係者ならびに建築研究の専門家を招き、
世界的に貴重なSWH調査の現状、課題、解決の方針、ならびに健康で省エネ性能の高い住宅の普及促進について、
様々な角度から議論する機会を狙い、本シンポジウムを企画した。
東南アジア全体の住宅の健康化・省エネ化がこのシンポジウムから始まることを期待している。【後援】(公社)日本医師会/(公社)日本歯科医師会/(公社)日本薬剤師会/(公社)日本建築士会連合会/
NPO法人 日本主婦連合会/日本生活協同組合連合会
<プログラム>13:00 開会の挨拶 近畿大学 副学長 村岡 修 氏
13:05 主催者挨拶 (一社) 健康・省エネ住宅を推進する国民会議 理事長 上原 裕之 氏
13:10 来賓挨拶(メッセージ) 内閣総理大臣補佐官 和泉 洋人 氏
13:15 基調講演1)「健康と環境」 首都大学東京 名誉教授 星 旦二 氏
13:45 2)「ベトナムにおける住宅の環境・省エネの取り組み」
ベトナム建設省建築技術研究所副所長
Dr. Nguyen Hong HAI(グエン ホン ハイ)氏
ベトナム建設省建築技術研究所環境・省エネルギー部次長
Mr. Nguyen Son LAM (グエン ソン ラム)氏
ベトナム建設省(予定)14:50 休憩
15:05 講演
1)「SWH調査の概要と成果」
慶應義塾大学理工学部 主任教授 伊香賀 俊治 氏
2)「蒸暑地域における住宅屋内環境とエネルギー問題」
近畿大学建築学部 教授 岩前 篤 氏15:35 パネルディスカッション
「高温多湿の気候の健康に貢献する住宅と住まい方について」
パネリスト(順不同)
ベトナム建設省建築技術研究所 副所長 Dr. Nguyen Hong HAI 氏
ベトナム建設省建築技術研究所 環境・省エネルギー部 次長 Mr. Nguyen Son LAM 氏
首都大学東京 名誉教授 星 旦二 氏
慶應義塾大学理工学部 主任教授 伊香賀 俊治 氏
近畿大学 建築学部 教授 岩前 篤 氏コーディネーター
(一社) 健康・省エネ住宅を推進する国民会議 理事長 上原 裕之 氏16:40 閉会の挨拶 近畿大学医学部奈良病院 皮膚科 診療部長、教授 山田 秀和 氏
この季節になると、「キッチンの換気扇(レンジフードと言います)が寒い!!」
と感じる方も多いのでは無いでしょうか?
特に、高気密な住宅においては、気密性が高い故に、
通常のキッチンの換気扇(レンジフード)を使用すると、
屋内が空気が薄くなり(これを負圧になると言います。)、
思いもよらず、ドアが『バタン!!』と閉まったりすることがあります。
これは、キッチンの換気扇(レンジフード)の換気できる能力が、
通常、24時間換気扇として利用している屋内換気扇の能力よりも遥かに大きいことに起因します。
ですので、これを避けるためには高気密住宅のキッチンの換気扇(レンジフード)では、
"同時給排"と言うタイプのレンジフードを使用することが一般的です。
同時給排というタイプは、料理する際に出てくる排気を屋外に捨てると同時に、
同じだけの空気が、その場に入ってくるように、レンジフードの内部のパイプが通常1本のところを
2本にした構造のものとなっています。(下図の青い矢印が通常には無いもの)
料理によって出た、赤い空気を排熱すると共に、
無くなった空気を補うように、青色の空気が入ってくることで、
家の中の空気が薄くなる(負圧になる)のを防ぐことが出来ます。
同時給排のレンジフード。
これと同時に、同時給排にはもう一つのメリットがあります。
もし、キッチンの中で循環するこの青色の空気が無ければ、
捨てられた空気の分を補うために、他の部屋から空気が流れ込むことになります。
他の部屋はキッチンに流れてい行った空気の分、外部から空気を取り入れようとします。
そうなると、24時間換気の種類によっては、外部から冷たい空気が入ってくることになります。
これでは、折角断熱していてもその効果が薄くなってしまいます。
つまり、同時給排にすることによって、屋内全体を暖かく保つことも出来るのです。
(※暖房効率が16%も変わると言う話もあります。)
が、しかし・・・・
お気づきかもしれませんが、これでは依然として、
キッチンは寒い・・・・
のです。
ですので、家全体は比較的状態は良くなっても、料理をする人にとっては、
あまり、有難く無いのです。
そこで、何か良いものは無いかと探していると。
見つけました!
富士工業さんというところ(殆どのレンジフードはこの富士工業さんが作ったものです)が、
"屋内循環フード"と、いうものを出されていました!
(IHコンロのみですが。)
屋内循環フードの仕組み(※富士工業さんのHPより)
上図のように、仕組みとしては
《IHコンロから上がってくる油煙を外に捨てるのではなくで、フィルターで濾過して、屋内に戻す。》
と、いう仕組みです。
フィルターが「油吸着・脱煙・脱臭・エアフィルター」の4層構造になっているので、かなり綺麗な空気として、
戻すことが可能なようです。
「夏などで、熱い熱はどうするのか?」
と、いう疑問も湧いてきますが、
"補助換気機能"
と、いう機能が付いているタイプがあるようで、
家の中に熱を戻すと、暑くなりすぎる場合は、排気を選ぶことも可能なようです。
長時間煮炊きをする場合も同様のようです。
フィルターの交換目安は、
油吸着フィルターで約12年
他のフィルターで約3年
(※富士工業さんのHP「使用上の注意」より)
のようですので、これを手間と考えるのかどうかで
その価値は変わりそうです。
冬場のキッチンの寒さを緩和する方法として、
採用を検討してみても良いのかもしれません。