ZEH(ゼッチと読み、ゼロエネルギー住宅の略)の普及に向けて、新たな国の方向性が発表されました!
今後、家づくりを計画されている方だけでなく、建売住宅の購入やリフォームを検討されている方にとっても参考にすべき内容です。
詳細をお知りになりたい場合は、以下を御覧下さい。(とはいえ、専門用語も多いので分かりづらいかもしれませんが。)
「ZEHロードマップフォローアップ委員会 とりまとめ 平成30年5月」
ここでは、今から家づくりをしようと考えている方や建売住宅の購入、リフォームを考えている方のために、
内容をかいつまんで、必要そうな部分だけご紹介致します。
・以前から決まっていること
国は、2050年までに家での私生活において消費されるエネルギーを全体でゼロにしようとしている。
そのため、2020年には標準(新築注文住宅)的な新築住宅において、2030年には新築住宅全体(戸建住宅や集合住宅も含む)で、ZEHが普通となるような施策を行っている。
・ZEHの現状
2016年では、注文戸建住宅の内、1割以上の3.4万件がZEHである。
そこで、次のような内容が追加されました。
・今回新しく加わったこと
①今までは、建売住宅やマンションなどの集合住宅について、あいまいだった。
→建売でも評価される基準を明確にしていこう!更に建売でもZEHを推進する事業者を評価する制度を作ろう!
マンションもZEH化するが、別途検討していこう!
②さらに、今までのZEHよりももっと先進的なZEHが評価されるように、
ZEH+(ゼッチプラス)という考え方が加わった
→A.更に高断熱(ランクアップ外皮基準と言う)とする
B.HEMSを導入する
C.電気自動車に充電出来るような設備を導入する
のA,B,Cのウチ、2つを採用すればよい
③大阪や東京などの土地が狭い場所でもZEHの考え方が普及するように、
ZEH Oriented という考え方が加わった。
→太陽光発電などの"再生可能エネルギー"を搭載しなくてもよくなった。
④これまで忘れさられていた、設計事務所もZEHプランナーと呼ぼう!
⑤既に存在している住宅のリフォームでのZEH化も普及させていこう!!
と、言うようなことが掲げられました。
それぞれの詳細なスケジュールは以下の表にありますが、
「建売住宅」や「集合住宅(マンションなど)」
でも、ZEH化を進めることが明記されたことによって、
2030年には、殆どの住宅がZEHとなる可能性が出てきました。
ですので、注文住宅を建てる場合だけでなく、これから建売住宅やマンションを
買おうと検討している方は、自身の家もZEHとなりそうかどうかの検討をしておくべき時期に
差し掛かっています。
<ZEHは得なのか??>
そこで、建売住宅やマンションを検討していこうとされている方も含めて、
供給先に確認すべき事項として、
「結局、ZEHって得なの??」
と、言うことが聞きたくなるはずです。
住まい手が直接享受出来そうなメリットは大きく2つ
(ただし、場合によっては享受出来ない場合もありますので、
実際には、供給先に詳細を確認して下さい)
・省エネと太陽光発電等(再生可能エネルギー)設備導入による金銭的メリット
これに関しては、どれだけ導入するのか?将来的な部分をどう予測するのか?
によって大きく変わるので、実際にはそれぞれの建物で計算して貰う必要があります。
・断熱性が上がることによる健康的で快適な生活が出来るメリット
ZEHでは最低限、外皮強化基準というものをクリアする必要があります。
これは最低限クリアすべき基準ですが、断熱性能をそれ以上に上げると、室温が安定し、快適で健康的に暮らせるなどのメリットが考えられます。
これも実際にどの程度の断熱性能にすれば、どんな室温が実現できるのかが変わってきます。
こちらも建物毎に計算して貰う必要があります。
これら以外にも、メリットと捉えればメリットとなるような項目も存在します。
それぞれ、供給者の方に聞いてみて下さい!
<ZEH+で追加するHEMSの将来像について>
今回、ZEH+と言う新たな考え方では、HEMSを導入することも
要件の1つとして挙げられるようになりました。
これは、将来的にデマンドレスポンス(DR)やバーチャルパワープラント(VPP)を見据えてのことのようです。
このデマンドレスポンスとは、例えば電気の安い時間帯にお湯を沸かすように自動制御で動いてくれるようなシステムのことです。
バーチャルパワープラントとは、太陽光発電などの発電量を実際の発電所のように、調整したり、不足するところへ送ったりするようなシステムのことです。
将来的にこのようなことが可能となった場合に備えて、事前にHEMSを導入しておきましょうということです。
こちらに関しては、ZEH+としなくて太陽光発電を導入するなら一緒に導入しておいても良さそうに思います!
新しいZEHの普及予定表
是非、ZEHにするかどうかを一度検討してみて下さい!
2020年についに家を「断熱すること」が義務化されます。
今まで、義務で無かったことが信じられませんが、やっと義務となります。
今回の断熱の義務化は主に、「省エネルギー」という観点から義務化されるもので、
住宅を断熱することによって、使用される暖房や冷房の電気やガスの量を減らそうというものです。
(そもそも、何故省エネルギーが必要なのかを知りたい方はコチラ)
※ただし、健康と言う側面から考えると義務の範囲の断熱化は、まだまだ大したことはありません!!
そして、この流れと同時に国では「ZEH(ゼロエネルギー住宅)を普及させよう!」
と、言う動きがあります。
これにも、「2020年までに標準的な新築住宅をZEH」にしよう!
さらに、「2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す!」
と言う、目標を掲げています。
(参考:経済産業省「エネルギー基本計画」平成26年4月のP34に記載あり)
この「標準的な新築住宅」とは何か。「新築住宅の平均」とは何か。
等などを具体的に決めるために発足したのが、「ZEHロードマップ検討委員会」です。
この中で、「標準的な新築住宅」とは、
「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上をZEHにすることを目指す」
と、されています。
当然、ハウスメーカー"等゛と記載されていますが、中小工務店もこれらを目指すべきです。
そのためにこの目標を着実に進めるために2017年の6月に立ち上げられたのが、
「ZEHロードマップフォローアップ委員会」
と、いうものです。
ここで取りまとめられた内容を公表したものが、
「ZEHロードマップフォローアップ委員会 とりまとめ(案)」平成30年3月
です。この中には、建売住宅でもZEHを目指しましょう。と言った内容もあり、
非常に詳細にとりまとめがなされています。
(平成30年5月29日(火) 東京住まいるホールにて、
新・ZEHロードマップシンポジウムが開催されます。)
こうした、大きな流れのなかで中小工務店向けに、
ZEHの普及を促すための活動を行う団体として発足されたのが、
「ZEH推進協議会」
です。
このZEH推進協議会の代表理事である小山さんは、
普段は「エコワークス」と言う九州の有名な工務店さんの社長さんです。
以前から住宅の省エネルギー化に対して、大変熱心に活動されてきました。
そんな熱心な活動が高じて、今回の協議会の始動に至ったそうです。
そんな、小山さんが先日わざわざ大阪の私のところまで足を運んでくださいました。
色々なお話をさせて頂いたのですが、なぜこのような活動に至ったのかのお話を聞かせて頂き、
大変、感銘を受けました!!(感動を覚えました!!)
「本来、私の工務店は国産の木を利用して、なるべく接着剤を利用しない建物を建てる工務店で、
省エネとは少し遠い側の工務店でした」
と、気さくに語って下さいました。
「だけど、地球が瀕している地球温暖化の深刻な状況を知ったことがきっかけで、今に至っています」
(事態の深刻さを知りたい方は、コチラ「気候の安定化に向けて直ちに行動を! 科学者からの国民への緊急メッセージ 」)
とのこと。
とても素晴らしい崇高な志だなぁと、
自社の利益だけでなく、全体の最適は何かを考えることが出来る、
なかなかいないタイプの方だと私は感じました。
このような熱い思いを持った小山さんが、世の中にZEHを普及させるべく、
一般社団法人 ZEH推進協議会
を立ち上げられました。
(目標に違わず、会費もかなり低く抑えられていています。
実際の工務店経営者である小山さんが、ZEHに取り組むにあたって、
必要なことは何かを具体的に教えて下さいます。
ご興味のある工務店さんは是非、入会のご検討を!)
そして、有り難いことにそんな熱い思いを私に語りかけて下さっただけでなく、
「一緒に協力して欲しい」
と言うお言葉も頂きました。
私も
「是非、協力させて下さい!」
と、言うことでお話させて頂きました。
これから、家を建てることを検討中の方は、
是非、ZEH(ゼロエネルギー住宅)も選択肢の1つとして、
検討してみて下さい!
詳細をお知りになりたい方は、一般方、工務店さんでも
是非お問い合わせ下さい!!(お問い合わせはコチラまで)