柏原市で建築中のY様邸にて、気密測定が行われました。
この建物においては、断熱材が家の内側と外側の両方にあります。
しかし、この建物においては、気密を取るための層は、断熱材になっていません。
気密測定のための機械。
最近、多いのは断熱材が気密を確保するための兼用の材料になっているケースです。
断熱材としては、グラスウールと呼ばれるものや、吹付けウレタンと呼ばれる物を使う場合は、
兼用になるケースが多いです。
しかし、このY様邸においては、断熱材が気密を確保するためのメインの材料とはなっておらず、
防湿シートと呼ばれる、シート状の物が気密を確保するための材料とみなして、
気密施工を行っています。
同時に、この防湿シートは、屋内の湿気が壁の中に入っていかないようにするための
シートでもあります。ですから、意図しない箇所に穴があると、湿気がそこから壁の中に
入ってしまう恐れもあるのです。
ですから、このY様邸においては、気密の精度が、通常の気密以上に大切になってくるわけです。
(※ただ、もし仮に壁の中に湿気が入ったとしても、こもりっぱなしにならないような
対策はキチンと行われています。)
Y様立ち会いの元、行われた気密測定。
測定の結果は、
C=0.68!
これは、Y様邸にから外に抜ける穴を集めて足すと、
その大きさが、iPhone4Sの2台分と、言う事になります^^
(ちょっと、分かりづらいかもしれませんが・・・)
この住宅では、窓に引違いと言って、窓がすれ違って開くタイプ(通常の窓と同じ開き方)の
窓が沢山使われています。ですから、ここからはどうしても空気が抜けるので、
そう言ったところから、ところどころ抜けている分が影響しているのだと思われます。
平成11年に定められていた、国の基準は C=5.0 以上と言う事でした。
この基準から比較すると、相当な性能です。
最近では、大手の企業でも C=2.0 程度を目標としているところも
多いようですが、それから比べても、倍以上の性能と言う事になります。
こう言ったことからも分かるのですが、かなり気密としては良い性能です。
増して、これから内装の壁等が取り付けられるので、更に気密の性能としては
良くなる事が期待されます^^
断熱施工が終わり、気密も充分に確保出来ました。
ここまで来れば、家の快適性に関する工事はほぼ完成したも同然です!
年明けの完成に向けて、順調に工事が進んでいます。
この日は、たまたま阪南市で工事が進められている、
S様邸の「金物検査」と言う検査に立ち会う事が出来ました!
今回、この建物では「金物検査」と呼ばれる検査が、2つの機関によって行われます。
一つは、住宅を保証するための機関、そしてもう一つが役所の代理を務める機関。
今日この日と、次の日にそれぞれ行われる予定とのこと。
この金物検査、どんな事が確かめられるのかと言うと、
下の写真のように、現在では建物の柱や梁との接合部分に、
接合強度を確保するための金物が取り付けられているのですが、
この金物が正しく計画通りに取り付けられているかを確かめられます。
これは、事前に計画の段階で、どこにどんな金物を付ければ良いのかを
計算して求めた強度に従って、必要な金物が計画されます。
工事が始まると、その計画された図面に従って、金物を取り付けていきます。
この金物が、建物の接合部分の強度を保っているため、もし間違ったりすると、
事前の計画通りの強度にならない訳です。
ですから、事前の計画通りに金物が取り付けられているのかどうかを
主に確認する訳です。
セミナーでお話をさせて頂いている様子。
写真を見ても分かるように、1箇所に取り付けられている金物でも4種類も取り付いています。
それぞれが別々の役割を持っている金物です。
そして、それぞれの金物を止めているのは、ビス(スクリュー)です。
ですから、このビスも規定通りに本数を規定の箇所に使用していないと、
予定通りの強度が出ないため、確認の対象になります。
つまり、この金物検査は建物が予定通りの強度が実現できる状態にあるかどうかの
検査と言い換える事が出来るわけです。
今回、この検査に来た機関は、「自分たちが保証をするのに相応しい建物になっているのか?」
あるいは、「公の機関として、建物がキチンと予定通り施工されていると認めて良いのか?」
と、言う視点からこの検査を行っています。
もちろん、私にしても「この建物は、本当に安心して暮らせる建物か?」と言う視点からチェックを行います。
このように、金物検査は、建物の構造における"要"の検査です。
それぞれが、それぞれの立場から検査を行いますので、まず抜けなどは殆ど無いと言って良いでしょう^^