本日は、私がお世話になっている近畿大学にて、
特別講義として、生徒さん達に紛れて防火に関する実験や研究を行われている、
安井先生の講義を受けてきました。
安井先生は、ご自身で建築設計事務所を営む傍ら、
木という物が利用次第では如何に燃え難いものであるかを実証するための実験を多く行われており、
実際に建てた、木造校舎を燃やすと言う、壮大な実験を行われたこともある方で、
そこから分かった事は、我々の現在の建築に活かされています。
今回の講義では、様々な実験から分かってきた木の可能性について、
いろいろ教えて頂きました!
まず、防火において大切なことは、実際の火災で人が死に至るのは、
煙によるものが殆どです。
つまり、
鉄骨だから良いとか、木造だから良いとか、鉄筋コンクリートだから良い
と、言うのは殆ど関係なく、内装が如何に燃えないようにするのかが命を守る上で、
とても重要だと言う事でした。
燃え始めてしまえば、たった30秒で一酸化炭素濃度は10%にも至り、
その空気を吸えば死んでしまいます。
こういうことを如何に防ぐかが、死亡事故を防ぐためには重要だと言う事でした。
そして、内装材を如何に燃えないようにするかと言う点においても、
火が出る可能性のある場所から、1m程度の範囲で燃え広がるものが無ければ、
火事が広がることが無いと言うことが実験によって分かっているとのことです。
こちらは、実際に動画でその実験の様子を見せて頂きましたが、確かにそうでした。
そして、更に凄い(意外な)ことに、壁の内部側(内装)に木材を使っていたとしても、
何と、燃え広がることが無いと言うことも、実証されています。
つまり、木は正しく利用(厚みとか適切な場所の検討さえ)すれば、内装で利用しても出火した火を広げるように作用しなくなる。
それどころか、燃え広がりを抑える効果があると言う事を、実験によって証明されたのです!!
この他にも、目からウロコが落ちるような沢山のお話を聞かせて頂き、
私もとても勉強になりました^^
木材に対して抱かれている誤解を、解いていく必要が今後はありそうな気がしています。
自らの講演のチラシを撮影
講義後は、安井先生と夕食をご一緒にさせて頂きました。
他愛も無い話も沢山させて頂きましたが、
「我が息子を(この先の時代を睨んで、)どのように育てるべきか」
と、言った話をお伺いした際に、
「何かを強制するのではなく、本人が望んだ時に選択が出来るように、
選択肢が広がる育て方をすることが重要じゃないか」
と、言って頂いたことにとても共感し、そのために親としてしてやれることは何かを考えるようになりました^^
公私(?)ともに、良い勉強になりました~
この日は、大阪市内で建て替えを計画中のK様邸の建築予定地に対して、
敷地の測量を行いました!
敷地の測量とは、土地の大きさを専用の機器を用いて正確に測定し、
建物を計画するためなどの資料として、敷地の図面を作成することです。
正確な距離をだすための機械
上の写真の機器はトランシット(セオドライト)と呼ばれるもので、
この機器を利用して、現在の建物の位置やその他の目印を参考に、
土地の大きさを測っていきます。
このような機器が発達する前は、人間の目を利用して測量を行ってきましたが、
現在では、こちらの機器を使うことが主流となっています。
(更なる最新の方法としては、GPSを利用した測量があります。)
距離を計測中!
大阪は、街としての歴史が古く、新しい街に比べると、敷地の境界線がハッキリと決められていない場所が
沢山あります。今回の土地においても、境界線がハッキリと分からない部分が存在しました。
現在、建物を計画するにあたって敷地の境界線をハッキリと明確に決定することを義務付けられている訳ではありませんが、
建物を建てる際に、もしその建物が本来のお隣さんの土地に入ってしまっていたと言ったトラブルが生じないように、
キチンと敷地を測量してみて、境界線がハッキリとしない場合は、隣となる敷地の持ち主と話し合い、境界を確定させると言うことが重要になります。
特に大阪市内においては、建物がひしめき合って建築されている場所が今でも多く、
建物の一部が越境(お隣さんの土地に入り込んでしまっていること)している場合もあります。
そのようなことが現時点であるかないかをハッキリとさせるためにも、
敷地測量はとても重要な役割を果たします。
こちらの通路も測量します。
実際、こちらの通路のように見える通り道は、
今回測定した土地とお隣さんの土地となります。
つまりここは、公道ではなく、私有地と言う事になります。
しかし、いくら私有地とは言え、長年通り道として使用されていたこの通路を
いきなり通れなくするような事は通常は出来ません。
それらの状況を確認し、実際に建て替えにあたってどの程度までなら、
新しい建物を計画しても問題ないのか。
そう言った事を確認するためにも、敷地測量は役立ちます。
また、最近では住宅ローンを借りる際に、この土地を正確に測量した図面が必要になることが殆どです。
と、言うのも住宅ローンは、土地に対して抵当権と呼ばれる担保を付けるので、
実際に、持ち主さんが持っている土地の大きさや、権利関係を把握しておくことがとても重要なためです。
そして、何より重要な事は家づくりにあたって
「自分の土地にはどれだけの大きさの建物の計画が可能なのだろうか?」
と、言う一番大切なことに、ハッキリと答えを出すためにも、必要とされるのが敷地測量と呼ばれるものです。
敷地測量が終わり、敷地図面が出来上がってきたら、いよいよ間取り図面の作成開始です!
3月21日(月・祝)、自分で間取りを作成するための、間取りの基礎を知るためのセミナーはコチラです!!