迷いヒヨコ
そして、予算に応じて優先順位の高いものから選んでいくことをお勧めしているんだ。そうすることで、自身が納得できる家に近づけられるんだ。
森のくまさん
迷いヒヨコ
しかし通常、一般の方は病気になりにくい環境とか、建物の安全と言った観点をどのように実現すれば良いのかは知らないことが殆どだよね?
『快適』というとどちらかというと「あればいいな・・・」程度に思う方も多いと思うけど、実は『快適性能』が安全や病気にならない家づくりに繋がるとしたらどうだろう?ここでは、快適の本当の必要性について、お話ししたいと思います。
森のくまさん
Contents
快適な家の本当の必要性
あなたが家に求める性能はなんですか?
- 耐震
- 防火
- 防水
上にあげた3つの項目は、建築基準法でも基準が定められており、それに違反した場合は、瑕疵(かし)として、建築した業者が責任をもって改修をしないといけないことになっています。
つまり、家には絶対に必要な基本性能なのです。
ただ、それ以外の、「快適性」や「遮音性」など快適な生活を送るために必要な性能は、まだ法律できちんと義務化されているわけではありません。
(※マンションなどの共同住宅では、遮音性に関する法律も存在します「建築基準法30条」参照)
現在、地球温暖化の問題解決のために、ゼロエネルギー住宅の推進や長期優良住宅の推進、税制優遇などの政策によって、省エネ住宅の普及促進が進められています。
2021年10月に経済産業省が発表した第6次エネルギー基本計画では、2030年までに新築される全ての住宅・建築物にゼロエネルギー水準の性能確保を目指すとしています。
2009年頃までは地球温暖化というと、漠然とした問題で身近に感じられない方も多かったとは思いますが、これだけ猛暑や強力な台風の襲来が続くと、いよいよ地球温暖化も本格化してきていることを肌身に感じている方もいらっしゃるはずです。
(省エネがなぜ必要なのかを知りたい方はこちらの記事を参考にして下さい。)
ここでは、さまざまにある性能の中で省エネな暮らしを実現しつつ健康安全性、つまり健康的に暮らせる住宅について考えていきたいと思います。
森のくまさん
ヒートショックは、家の中の温度差が原因で起こる大きな血圧変動のこと。
そのヒートショックによって亡くなる方は交通事故で亡くなる方よりも4倍以上多いのです。
そして、日本では特にその割合が多いことが徐々に分かってきています。
それはなぜか・・・
そして、その怖いヒートショックを防ぐための方法は・・・
下のページで詳しく紹介していますが、要は現在日本では、家の外を歩くよりも冬場に家の中にいる方が危険とも捉えられるのです。ヒートショックと住まいの関係 実は他人ごとでは済まない問題なのです。
森のくまさん
人間の体は、体温が下がると免疫力も下がってしまい病気になりやすいのです。風邪のとき、家を暖めて、体が冷えないようにするのもそのためです。
世界的な医学の論文を集めた「The Lancet」では、
「日本において、1年に10万人が過剰に寒さが原因で冬に亡くなり、これは煙草による死者数と同じ」
(出典:「Mortality risk attributable to high and low ambient temperature: a multicountry observational study」)
と報告されていて、正に寒さは万病の元なのです。
つまり、病気になった時だけ家を暖めるのではなく、普段から暖かくしていると、病気にかかりにくくなるのです。
このようなお話しをしていると、「昔の人は、寒さに耐えて生活していたから元気なのだ」といった持論を展開される方もいます。
たしかに、人間はいろんなストレスに打ち勝って、体が強くなっていくことを否定するつもりはありません。
ただ、昔の人は、家の中の寒さで体が強くなったのでしょうか?
田舎にいる私のおじいちゃん、おばあちゃんを見てみると、畑仕事などをするために規則正しい生活をし、日中は外で体を動かしていたからこそ、90歳まで田んぼや畑で仕事ができていたのではないかと思うのです。
つまり、筋肉量の違いや代謝量の違いが寒さへの強さの源と考えられるのです。
それに、家族の寝顔しか見ずに朝から晩まで働くビジネスマンやビジネスウーマン、学校から帰っても受験戦争に勝つために塾に通う学生など昔に比べると遥かに体を鍛える機会も減りました。
そんな現代において、当時と同じことが果たして言えるでしょうか?
押し付けるつもりはありませんので、将来のことやお子様のことも含めて、しっかりと考えてほしいと思います。
それに関連して、メタボ検診、どうして急に始まったのでしょう・・・
メタボ検診の本当の目的を知らない方はぜひ覗いてみてください。あなたの家づくりが変わるかもしれません。
参考 医療費の推移とメタボ検診と住まい必要な住まいの性能1990年代初頭、新居に入った方がめまいや鼻水・咳などの症状を訴える事例が数多く報告されました。原因をいろいろと調べた結果、新築時に使うクロスの糊や防虫剤などに含まれるホルムアルデヒドやクロロピリフォスが大きな原因として考えられ、これらの症状が出た方を「シックハウス症候群」と呼ぶようになりました。現在は、 法律でこれらの物質の使用制限や使用禁止の措置が取られ家に利用される材料が原因で症状が出る方は、少なくなっています。
ただ、減ってはいるものの、いまだシックハウスで悩む方がいる現実を忘れてはいけません。シックハウス症候群の症状が出てしまうと、普通の生活を送ることが困難な場合もあります。車の排気ガスや香水に含まれる化学物質によっても症状が出てしまうため、外にすら出られなくなる方もいます。
また、シックハウス症候群と診断された方の中には、天然の材料から出る化学物質が原因だった方もいます。
「天然だから安全」
こういったキャッチフレーズをよく耳にしますが、鵜呑みにすると危険な場合もあります。
シックハウス症候群にならないための予防策を以下のページにまとめました。
新しい家で病気にならないためにも、シックハウスを知って、家づくりに活かして下さい。また、シックハウスについては本当に安全かは測ってみないとわかりません
参考 シックハウス症候群の対策を知る必要な住まいの性能 参考 ホルムアルデヒドの初歩から測定の方法まで必要な住まいの性能マンションなどでは、上の階の音が問題になることはありますが、戸建の家でも同じように、家の中の音と、外の音が原因でストレスや眠りが浅くなるなどの原因となるのです。
東京都が幹線道路沿線にお住まいの方5000名以上を調査した結果がありますが、この結果では、騒音が大きくなるに従い「夜中に目が覚める」「憂鬱になる」「イライラする」などの精神的な症状に影響を与えることが分かっています。また、他にも、「耳が遠い」「めまいがする」「貧血」などの自覚症状を高めていることも示されています。
このように、騒音は、お住まいの方の健康を害するものとして認識すべき問題です。
新しい家を建てるのであれば、騒音を遮断する快適な空間の実現も必要といえます。
家の外から聞こえてくる騒音。殆どは、窓ガラスを通って音が入ってきます。
ですので、窓ガラスを二重三重としていくと、それだけ外からの騒音を減らすことが可能です。
騒音にも気をつけたいと言う方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
【経験者の話】「二重窓にして外の音が気にならなくなったお話」(0:06 ~)
冬になると窓の結露に悩まされる方も多いと思います。結露した窓を拭くのが毎日の日課、まずは窓ふきから一日が始まるなんて方も多いのではないでしょうか。
結露を放置していると、窓まわりや窓を支える構造部分がカビたり、腐ってきたりと、いいことはありません。家の寿命も縮むし、アレルギーの原因になることも。
そんな結露ですが、見た目にこだわらなければ、意外にも簡単に防ぐことができます。また、家を建てるなら、結露が出ないような家にしたいですよね。
下記では結露対策の具体的な方法を紹介します。
参考 結露とは?仕組みと原因【窓・壁・エアコンの結露対策】必要な住まいの性能以上、見てきたように冬でも暖かく暮らせて、シックハウスにもかからず、騒音にも悩まされない、結露によるアレルギーにも悩まされない。
そんな健康的に暮らせる家は、まさに体にも心にも優しい快適な空間と言えそうです。
住めば都。どんな性能の住宅でも慣れれば人は快適に感じたりします。
しかし、慣れが必ずしも体に優しいかどうかは別の問題です。
一生の半分を位を家の中で暮らすことを考えれば、家の中くらい体に優しくて、快適な空間としても良いのでは無いでしょうか。
快適な空間とは?快適な空間の定義
快適な空間とはどんな空間なのでしょう。
快適な空間とは、熱、音、光、空気質について十分な性能を満たしている空間と言えます。以下に詳細を挙げると、
- 「暖房・冷房している部屋としていない部屋の温度差が小さい」(熱)
- 「天井付近と床付近の温度差が小さく頭寒足熱である」(熱)
- 「家の中で外部から聞こえる騒音が小さい」(音)
- 「昼間は照明が無くても十分に明るい」(光)
- 「空気が汚れていない」(空気質)
- 「窓や壁に結露しないためカビなどが発生し難い」(空気質)
- 「省エネできる」(省エネ)
これらを満たす空間が快適と言えます。すべてのキーワードは、お住まいのご家族の健康や安全に繋がるものです。
参考 頭寒足熱は快適な空間の基本!必要な住まいの性能勘違いされている方も多いのでぜひ知っておいて頂きたいのですが、快適な家の条件は、「断熱性能」、「気密性能」を高めた家にすることですが、暖房や冷房に頼り切った家にすることを強制するものではないということ。春や秋でも窓も開けられない家といったイメージをもっている方もいますが、決してそういうものではありません。
確かに、冬に家の中を安定して常に20℃にしようと思えば、暖房が必須になります。しかし、家計の節約を頑張っている奥さまは、月々かかる光熱費を減らすために、いろいろと我慢をして生活している方も多いと思います。
私たちが訴える快適な空間とはそうではなく、24時間暖房を行っても時折暖房をつけたり消したりするよりも光熱費が安くなる住宅です。
参考 最適なUA値とは?計算方法や基準を解説!必要な住まいの性能昼間は、太陽の光を家の中に取り込み、自然の恩恵を存分に受けながら最低限のエアコン暖房の稼働で、家の中が13℃を下回らないこと。そんな空間を目指してほしいのです。
家の断熱性能や気密性能を挙げることで、温度は高く保つことができます。また、夏にも断熱性を上げた家は遮熱と組み合わせることで、快適に暮らすことが可能となります。
夏は断熱すると逆に家の中が暑くなるという専門家もいます。ただ、それは、日射の影響をしっかりと考慮していないから。夏は、断熱に加えて、遮熱をする必要があります。その遮熱を考えずに家を建ててしまうと、昔ながらの家よりも暑くなるのは当然です。
参考 パッシブデザインとは?メリット・デメリットを知る!?必要な住まいの性能断熱と遮熱がしっかりと考えられた家に住む方の中には、夏にエアコンをほとんど使わずに生活される方もいらっしゃいます。
参考 夏をもっと快適に暮らすための工夫エコ住宅の住まい方快適な家には、たくさんのメリットがあります。
快適な家を実現するために
家の性能のお話になると、難しいから考えたくない・・・
そんな方には、至ってシンプルな方法をお教えしましょう。
断熱性能はG2を目指しましょう!
という事です。詳細は以下を参考にして下さい。
参考 最適なUA値とは?計算方法や基準を解説!必要な住まいの性能高気密高断熱住宅を謳うハウスメーカーや工務店も増えてきましたので、この言葉はどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
では、高気密高断熱住宅とはいったいどんな家なのでしょう。
気密性は、隙間の小ささを表わす性能です。断熱性は、家の中の暖めた熱や冷やした熱を外に逃がしにくい性能です。この両方に「高」という言葉が入っているので、勘のいい方は、気密性や断熱性が高い住宅ということは察しがつくと思います。
では、具体的にどんな性能を持っているかですが、残念ながら高気密高断熱住宅には、具体的な性能の基準はありません。この言葉を使っている工務店やハウスメーカーを見ると、大よそ平成28年基準を満たした住宅か、もしくはそれを上回る性能を持った家を指していることが多いようです。
つまり、高気密高断熱住宅と言われただけでは、もしかしたら、ほしい最低限の性能を持った家なのかもしれません。今販売されるハウスメーカーの家で最も性能が高い数値は、次世代省エネ基準の約3倍。
これだけ違う性能を高気密高断熱住宅という一つの言葉だけで判断するのは危険でしょう。
本当に欲しい性能の家を建てるためにも、営業マンのたくみな言葉やCM広告に惑わされることなくぜひしっかりと知識を付けることをお勧めします。
また、断熱性は間取りと建物の仕様が決まれば、計算によって横並びで比較できる数値を出すことができます。一般的には、熱損失係数のUA値やQ値という数字を使います。具体的な目標値は以下で確認して下さい。
参考 最適なUA値とは?計算方法や基準を解説!必要な住まいの性能では、家の隙間はどうなのでしょうか?
家の隙間は、使う材料や家の仕様によっても変わりますが、大工さんの仕事の丁寧さも大きな影響を与えます。そのため、気密性を確認すると、大工さんの真面目さを判断することができます。
気密性は、実際に測ってみないと分かりません。
家を建てているときに測ればやりかえが可能ですので、気密性を上げるための対策ができます。逆に完成した後では、その家がどの程度の隙間なのかを評価する意味合いが強くなります。
以下のページで気密性能について詳しく紹介します。
参考 気密をマスターしよう! ~気密測定とは?~必要な住まいの性能高断熱住宅を実現するために 高断熱住宅を比較するために必要な情報満載
気密性能とは? 気密性能は、家の快適さや安全に大きな影響が・・・
2000年代初頭に外断熱、内断熱で、ハウスメーカーや断熱材のメーカーがどちらの方がいいのかを争っていたのですが、結局のところどちらでも構わないというのが、私たちの持論です。どちらも長所と短所があり、選ぶ人の求める家に近いものを選択するというのが、ベストです。
以下では外断熱、内断熱の特長を絵を使いながら紹介しますので、その特長を活かすことができる方法を選択すると良いでしょう。
参考 住宅の壁の具体的な断熱方法必要な住まいの性能断熱材には、いろいろな種類があります。また、同じ名称であっても比重や発泡割合などによって、性能が違います。また、ややこしいのが、グラスウールやロックウールのように名称につく数字が大きい方が性能が高いものもあれば、ビーズ法ポリスチレンフォームのように数字が小さい方が性能が高い場合があること。
(低い) 性能 (高い)
グラスウール10K < グラスウール24K
EPS 2号 < EPS 1号 < EPS 特号
ただ、断熱材は、その材料の特性もそうですが、厚さを考えなければいけません。逆にいうと、性能がそれほど高くなくても、厚みさえしっかりと確保できていれば問題ないということになります。
それぞれの材料の特長を抑えながら、正しい施工がされるように、以下のページでしっかりと確認してください。
参考 住まいの断熱材の比較と種類必要な住まいの性能また、窓も断熱材と同様にいろいろな種類があります。実は、家の中から逃げる熱の量がもっとも多いのが窓です。家の快適さは、まずは窓から・・・
窓の種類や断熱性の比較など詳しく紹介します。
参考 窓の種類と断熱必要な住まいの性能「24時間換気システム」とは、シックハウス症候群の対策のために、新しく家を建てる場合には、ほとんどの家で取り付けが義務化された常時まわし続けないといけない換気扇のことです。
リビングや寝室など、長時間人が在室する居室は2時間に1度すべての空気が入れ替えられる能力をもった換気扇を取り付けなければなりません。
その換気システムにも様々な方法や、種類があります。
イニシャルコストが安いものや、ランニングコストが安いもの、花粉や外の誇りを入れにくくするものなど、多岐にわたります。ハウスメーカーでは、家の仕様を決めると勝手に決められる場合がありますが、せっかくだったら、その特長を知ってご家族に一番合った換気システムを選びましょう。
家の性能が決まったら、その家に適した暖冷房の機器や必要な能力を決めていきます。暖冷房の機器は、家の快適性や月々の光熱費に大きな影響を与えます。そのため、なにも考えずにエアコンを付けるのではなく、生活のスタイルにあった暖房機器を選んでいけるようになりましょう。
たとえば、家に長時間家族の誰かがいるご家庭と共働きで子供も学校に通っているような家庭では、暖冷房の使い方も違うでしょう。また、ご家族が暑がりなのか寒がりなのか、その両方なのかによっても選ぶべき暖冷房機器の種類は変わってきます。数年、数十年先の将来を考えた計画が必要です。
参考 住まいの暖房 機器の比較必要な住まいの性能快適な空間の実例の紹介
快適な空間を実現した事例の測定結果を以下の掲載しています。このような空間を希望の方は是非ともお問い合わせください。
参考 吹き抜けのあるダイニングやリビングの温度差と室温の測定結果必要な住まいの性能 参考 大阪で建てた高気密高断熱住宅の温湿度測定結果必要な住まいの性能よくある疑問・質問
家の断熱性や気密性などで 疑問に思っていることがあれば、
ぜひお問い合わせください。
森のくまさん
- 断熱材って何を使えばいいの?
- 極論を言えば施工さえしっかりと行えばどんな断熱材を使ってもいいです。
ただ、床にグラスウールなどを使う場合には、床の裏側と断熱材の間に空気が入らないようにしないと断熱効果が大きく低下するので、通常は、グラスウールでもボード状にしたものが使われたりします。
使う場所にあった断熱材というものがありますので、以下のページでしっかりと確認してください。
- 壁内結露ってなに?
- 壁内結露とは、家の中の湿気が壁の内側に入って起こる結露現象です。
そのため、柱を濡らしてしまうことになり、腐れや断熱材の脱落など家の耐久性を極端に落としてしまうことに繋がってしまうため、注意が必要です。
壁内結露させないためには、家の中の湿気を壁の内側に入れないように、湿気を通さないシートを石膏ボードの内側に張ったり、湿気を通しにくい(透湿抵抗の高い)断熱材を施工することが重要です。
チェックが難しいので、設計の段階や、施工中にしっかりとチェックして下さい。
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