森のくまさん
迷いヒヨコ
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暖房器具の種類
暖房器具には大きく電気を利用して暖めるタイプ、ガスを利用して暖めるタイプ、灯油を利用して暖めるタイプの3種類があります。
また、【暖房】として使う機器と【採暖用】に使う機器も異なります。
電気を利用した暖房器具には大きく2種類あります。
1つはヒートポンプ利用の暖房器具で、エアコンが代表格です。
2つめは、電気で直接あたためる器具で、電気ストーブやハロゲンヒーター、セラミックファンヒーターなどがこれに当たります。
ガスや灯油を利用した暖房器具としては、ガスファンヒーターや灯油ストーブ、ガスストーブなどがあります。
上記で紹介した器具は、暖房に使用されるものです。
これに対して、足元を暖めるホットカーペットやトイレの温水便座などは、採暖器具に分類されます。
「暖房」と「採暖」の違いは何でしょうか?
暖房とは、その名の通り「房」を「暖める」ことを目的としていて、部屋を暖めることがメインです。これに対して、採暖は「暖」を「採る」ことを目的としていて、体を暖めることがメインとなります。
ですので、トイレの温水便座やホットカーペット、コタツや電気毛布などは、体を暖めるために使用されるので、暖房器具では無く採暖器具に当たります。
暖房器具を選ぶ際には、部屋を暖めたいのか、体を暖めたいのかを区別して、自分の目的に合った器具を選ぶと良いでしょう。
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電気代やガス代から考えたお薦め暖房器具
ランニングコストを比較しようとした場合、電気やガス、灯油と3種類もあるので、どの器具がどれだけ光熱費がかかるのかを考える事が難しいように思います。しかし、実際にはそれほど難しい話ではありません。
ここでは、電気代やガス代、灯油代を比較した場合、どの器具が最もお薦めなのかを紹介します。
光熱費のことをランニングコストと言います。
このランニングコストは以下の式で求める事が可能です。
ランニングコスト = 原料コスト ÷ COP
原料コストは、電気・ガス・灯油のそれぞれの値段の比で求まります。
※これは取り出せる熱量で、ジュールと言う統一の単位に換算出来るためです。
1の熱を出すのに必要な価格を比較すると、
電気:都市ガス:灯油 = 7:4:3 (2021年12月)
です、値段は時期によって変動します。以前は4:2:1程度で、相対的に灯油の値段が上がっています。
また、プロパンガスの場合は都市ガスより高くなることを知っておきましょう。
深夜電力を利用するような蓄熱式の場合は、7の数字を深夜電力の料金に合わせた数字にします。(参考:5程度を利用すると良いでしょう。)
これに対して、それぞれの暖房器具にはCOP(成績係数)と言うものがあります。
この成績係数は、COPの数字が大きければ大きいほど、エネルギーを熱に変える効率が良い器具となります。
以下に代表的な器具のCOPを記載しておきます。
床暖房はCOPが低い器具であることを知っておきましょう。
暖房器具 | COP |
温水便座、ホットカーペット、コタツ、電気毛布、ハロゲンヒーターセラミックヒーター | 1.0 |
灯油・ガスストーブ、灯油・ガスファンヒーター | 約0.98 |
ガス温水式床暖房 | 約0.75 |
エアコン | 4~8 |
このようにコンセントからの電気を直接熱に変える器具はCOPが1となります。
これらを利用して、割り算した結果を示します。
暖房器具 | ランニングコスト(円) |
温水便座、ホットカーペット、コタツ、電気毛布、ハロゲンヒーターセラミックヒーター | 7.00 |
ガスストーブ、ガスファンヒーター(都市ガス) | 約4.12 |
灯油ストーブ、灯油ファンヒーター | 約3.06. |
ガス温水式床暖房(都市ガス) | 約5.33 |
エアコン(COP5とした場合) | 1.40 |
燃料の値段だけであれば、灯油が最も安いのですが、COPと言うものを加味するとエアコンが圧倒的に安いことが分かります。
つまり、電気代やガス代、灯油代を加味してランニングコストを比較すると、エアコンが圧倒的に安い器具となります。
とは言うものの、エアコンは暖房器具としては高価な部類です。工事費も掛かります。
これらを加味した場合、どうなるでしょうか?
こちらも先ほどの表の値を使えば簡単に分かります。
例えば、ある12月のエアコンの電気代が1万円だったとしましょう。
これと同じだけ暖まろうと思えば、
・ハロゲンヒーター 5万円、
・ガスファンヒーター 3万円
ほど掛かります。
1月2月も同じ程度かかるとすれば、冬場における
・エアコンとコタツの差、12万円
・ガスファンヒーターとの差、6万円
です。
エアコンの導入費が仮に10万円だったとしても、1年か2年で元が取れてしまいます。 つまり、光熱費だけを考えた場合はエアコン一択なのです。
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暖房が効かない理由とおすすめな温度設定
エアコンだけに限らず、暖房によって部屋が暖かくならないと言うのはよく聞く話だと思います。この理由は何なのでしょうか?
答えは非常にシンプルなのですが、暖房器具によって暖まる以上に熱が家の外に逃げるからです。
この中でも特にエアコンの場合は暖まり難い理由があります。それは、エアコンの暖房だけエアコンから出てくる熱が他の暖房と比べて低いからです。
エアコンの吹出口は通常、22℃程度の設定で40℃程度の熱風が出ています。これに比べてファンヒーターでは、70℃前後とかなり高い温度の熱風が出ています。ストーブなどでも同じく高い温度の熱が出ています。
ですので、エアコンは特に出てくる温度が低いため、家から出ていってしまう熱量に追いつかなくなってしまうのです。
熱が出ていくのを防いで、暖かくするにはどうしたら良いでしょうか?
この答えは簡単です。
熱が逃げていかないように、断熱すると良いのです。
これから新築を建てる場合は、断熱が如何に暖房にとって大切なのかを知って貰えたらと思います。
参考 断熱性能と光熱費(省エネ性能)の密接な関係最適なUA値とは?計算方法や基準を解説!また、断熱をして暖かく過ごせることは、命の危険を軽減することにも繋がります。
これから新築をする予定が無い人でも、場合によっては断熱リフォームをする手があります。
光熱費だけの問題ではなく、ご自身やご家族の健康安全性のためにも家の断熱化を考えてみるのも良いでしょう。
参考
ヒートショックの予防に必要な、断熱化と室内温度ヒートショックの原因とは?予防には温度と断熱性能が重要
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暖房のお薦め設定温度は、2つの観点から決めてやると良いです。
1つは省エネの観点。もう1つは健康安全の観点です。
省エネの観点からは資源エネルギー庁の「無理のない省エネ節約」が参考になります。
参考 無理のない省エネ節約 資源エネルギー庁これを参考にすると、
エアコンであれば、20℃が一つの目安となっています。
※ガスや石油ファンヒーターは必要な時につけるとなっていますが、省エネの観点からはあまりおススメ出来ません。
断熱が十分で、エアコン暖房が十分な建物であれば20℃が一つの目安になります。
更に健康の観点から見てやると、以下が参考になります。
参考 健康を維持するために最適な温度は? ヒートショックの原因とは?予防には温度と断熱性能が重要高齢になっても健康で安全に暮らせる温度は大体22℃であることが分かります。
これら2つを見ると、 21℃前後が最も健康安全性に配慮出来て、省エネにも貢献できると言えそうです。
お薦めの温度設定は分かりました。
しかし、断熱性能が不十分だとエアコンだけでは効かなかったり寒かったりします。
この場合はどうすれば良いでしょうか?
断熱性能が十分な建物であれば、エアコン暖房のみで十分に快適な暮らしが出来ます。
しかし、そうでない場合は洗面所や脱衣室、トイレや浴室と言った場所が寒くなり易いです。
これらの場所は、ヒートショックが発生しやすい場所に当たります。
ですので、このような場所では「採暖」を意識することがお薦めです。
採暖用の器具としては、早暖性(早く暖まる能力)が高いものがお薦めです。
普段は消しておいても、使用時には直ぐに暖まるものが良いでしょう。
ハロゲンヒーターなどは直ぐに暖まる代表的なものです。
夜中のトイレや、脱衣室で服を脱ぐ前などにオンにして、使い終わったら消すという事を心掛けると良いでしょう。
暖房と採暖を上手く使い分けることで、省エネ性能も高く、健康的で安全な暮らしが出来るのです。
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