迷いヒヨコ
森のくまさん
冬におこる窓の結露の現象。
寒い中結露で出た水を拭いたりするのは大変です。
結露とは、窓に限った話ではありません。結露にも様々な種類があるのです。
そしてこの結露、何も知らずに過ごしていると、とんでもない事態に陥ることもあります。
ここでは結露とは何か。結露(Condensation)の仕組みや原因について知った上で、あなたが出来る具体的な結露対策を詳しく解説します!
Contents
結露とは?
「冬になると毎年結露が発生する。掃除するのが面倒だし、結露ってどうしておこるだろう?」
そんなあなたや、
「新しい家では、結露がおこらないようにしたい!」と望んているあなた。結露とサヨナラするためには結露のことを少し知っておく必要があります。
まずはそもそも結露とは何か?について改めて確認しておきましょう。
冬場、朝起きると窓に大量の水滴が生じている。そんな経験をしたことがある人は沢山いるかと思います。それこそが正に結露です。 この他にも、下の写真のように氷水の入ったコップのまわりに水がつくのも結露の一種です。
結露とは家の中の「水蒸気を含んだ空気」が「冷たい」窓やコップにあたって急に冷やされることで、空気の中の水蒸気が凝結して水となって発生する現象のことを言います。
『結露!』なんて、仰々しい名前がついていますが、実はその正体は単なる水なのです。
「なんだ、単なる水かぁ。」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここで油断は禁物です。
結露が怖いのは、その単なる水が悪さをすることがあり、これが酷くなると家やそこに住んでいる人の健康状態に深刻な影響を与える事があることにあります。
迷いヒヨコ
結露のおこる、2つの原因とメカニズムを知る!
「冬になると毎年結露が発生する。掃除するのが面倒だし、結露ってどうしておこるのだろう?」
そんなあなたや、
「新しい家では、結露がおこらないようにしたい!」と望んでいるあなた。結露とサヨナラするためには結露のことを少し知っておく必要があります。
まずは結露の原因とは何か?を知って、確実な結露対策を立てましょう!
結露がおこる要因としては、2種類あります。
- 湿気を多く含んだ空気の存在
- 空気を急激に冷やすモノの存在
です。
水蒸気(湿気)を含んだ空気が、ある一定の温度まで冷やされると結露が発生します。
結露がおこる要因として、湿気を多く含んだ空気の存在を挙げました。
湿気を多く含んだ空気は、どこから発生しているのでしょうか?
湿気の主な発生源はこのような項目です
- 石油やガスのストーブ・ファンヒーター
- 水槽やトイレのタンク
- 風呂場の空気の流入
- 調理
- 屋内干し
- 人
以上のような項目が挙げられます。それぞれ、注意事項を見ていきましょう。
結露の主犯格と言っても良いでしょう。家の中で石油やガスを燃やすと、熱や二酸化炭素と同時に大量の水蒸気を発生させます。
このような燃焼型の暖房機器を使用している限りは、大量の水蒸気の発生は避けられません。
出来る限りこのような機器を使わず、エアコンなどの別の暖房機器を利用すると結露の発生量はグンと減ります。
狭い空間に水が溜まる場所があると、溜まった水から蒸発した水蒸気によって結露が発生することがあります。
出来る限り換気扇を利用しましょう。
風呂に入ったあと、換気扇を利用せずにいると水蒸気が部屋に入ってきます。
意外と誤解されていることが多いのですが、冬場の寒い時に風呂場の窓を開けるのは避けましょう。
風呂場の水蒸気は窓を通って外へは出ていかず、逆に部屋に入ってきてしまいます。
こちらも使用後はなるべく換気扇を利用しましょう。
こちらも、ガスを燃やしますので大量の水蒸気が発生します。IHコンロの場合は、量的にはそれほど多くないですが煮炊きをする場合は、料理からも水蒸気が発生します。
出来る限り調理を行うときは、レンジフードの換気扇を使用して下さい。
最近の洗濯機は脱水を行いますので、それほど多くの水蒸気を発生するわけではありません。
しかし、屋内に水蒸気を放出していることには変わりませんので、注意が必要です。
特に雨の日には屋内干しがやむなしですが、雨の日の方が家の外側の湿気が多いため、より影響を受けやすいです。
この場合もなるべく換気扇のある場所で、干すことがおすすめです。
防ぎようはありませんが、人自身も水蒸気を発生させています。
今まで出てきた発生源は何も無いはずの寝室で、朝起きると結露が発生しているのは人から出た水蒸気が原因の場合があります。
この場合は、発生源をなくすことは出来ないので、2つ目の原因である「空気を急激に冷やすもの」を減らす努力をすることになります。
湿気を多く含んだ空気があると結露をするかもしれないのですが、実際どういう原理で結露は発生するのでしょうか?
簡単に言うと、湿度が100%を超えると、結露が発生します。
(水蒸気に色々な化学物質が混ざっていると100%で無くても結露は発生します。が、普通は100%です。)
これは、その「部屋の中の空気」に「水蒸気が存在できる量」の限界が決まっているからです。
この限界を超えると、強制的に水蒸気は水に変わらざるを得なくなります。
考えてみたら、不思議な現象ですね。
(限界が決まっているのは、水だけに限らず、酸素でも、窒素でも同じですが、水の場合は私達の普段の生活の範囲でこのような現象が生じるので、特に”結露”と、言う名前が付けられて特別扱いされているのです。酸素で同じような考えが適用出来るのは、-183℃を下回った場合です。。。。まぁ、普段の生活ではありえないですよね。)
この「水蒸気が存在できる量」は、実はその部屋の「温度」と「気圧」によっても変わります。
しかし、普通気圧は、よっぽどの高層マンションでも無ければ、普通は地上と同じ【1気圧】(1013.25hPa(ヘクトパスカルと読む))となります。
※10m上に移動すると、約10hPa程下がる。
気圧は天気によっても違いますが、概ね1気圧と考えて差し支えないです。
なので、「水蒸気が存在できる量」を大きく左右するのは、その部屋の「温度」。つまり室温によって変わってきます。
例えば、天井までの高さが2mで、床面の横も縦も2mの部屋が地上にあって、その部屋が23℃だったとしたら、
「部屋の中の空気」の量は、 2m×2m×2m で、8(m3)となります。
23℃で、1(m3)の空気の中に「水蒸気が存在できる量(正式には飽和水蒸気量と言います。)」は決まっていて、20.59gです。
(※色々な人が調べた結果、『1気圧の中で温度を色々変えてみて、1(m3)の空気の中に、どれだけ水蒸気が存在できるのか』は既に分かっていて、まとめられているのです。下のグラフ)
なので、 20.59g × 8m3 で、 164.72g が、
この部屋に「水蒸気が存在できる量」=【限界の量】です。
次に、今現在この部屋にどれだけの水蒸気が存在するのかを測ってみます。測ってみた結果、少し多めの70%だっとしましょう。
(普通はこの段階で100%を超えていることは少ない。雨などの場合は別ですが。。。)
すると、164.72g最大で含める内の70%なので、
164.72 × 0.7 の 115.3g ほどの水蒸気が含まれている事になります。
1(m3)では、 115.3 ÷ 8(m3) で、
【14.4g】ほどの水蒸気が部屋の中に存在しているのです。
今現在の空気に含まれている水蒸気の量は何となく分かりました。
次に、湿気を含んだ空気を急激に冷やすモノの存在があるかどうかが問題となります。
例えば、窓ガラス。
一般的な窓ガラスであれば、冬場に窓ガラスの前に立てばヒンヤリ冷気を感じた経験があると思います。
まさに、これが『空気を急激に冷やすモノ』となります。
窓ガラスは外が寒いので、ガラスの表面の温度が下がっています。これを測ってみると10℃だったとします。
この10℃の時に、「水蒸気が存在できる量」は、いろいろな人が調べた結果分かっていて、1(m3)の空気であれば、9.41g含む事が可能です。
先程、23℃の部屋の中には空気1(m3)中に14.4g 含まれていることが分かりました。
この空気が、窓に触れて急激に冷やされて、10℃になると。
1(m3)9.41gしか水蒸気が存在できないはずなのに、14.4g も水蒸気を含んでいますので、水蒸気として存在できる限界量を超えてしまったことになります。
そこで、仕方なく、水蒸気は一部、水へと変わり結露が発生するのです。
こんな感じで結露が発生するのです。これが結露発生のメカニズムです。
- 湿気を多く含んだ空気
- 空気を急激に冷やすモノの存在
この2つの要因が結露発生の原因となります。
「家の中の湿度(相対湿度)が50%しかないのに、窓が結露する」
そんな質問をされるときがあります。
50%だと湿度が高くないと感じられる方も多いでしょう。
ただ、この湿度(相対湿度)はその時の温度によって変わるので、同じ50%でも寒いときと暑い時とでは空気に存在することの水蒸気の量は全く違うのでした。
では、冬場に室温20℃で湿度50%で窓の結露を防ぐためには、窓ガラスの温度を何℃にしないといけないのでしょう。
実は、こんな時も先ほどのグラフを見れば分かります。
部屋の温度が20℃の時の空気が含むことが出来る水蒸気の限界の量(湿度100%の時の水蒸気の量)を見る。約17.3g程度です。
相対湿度が50%なので、 17.3×0.5 で、8.65gが今の空気1m3中にある水蒸気の量です。
今度は逆に、存在できる水蒸気の量が8.65gの時を見ると、大体温度が8~9℃位です。
つまり、室温20℃で50%の湿度の部屋で窓が結露しないためには、
【窓の表面の温度を8~9℃以下に下げないようにすればいい】
のです。
「そんなこと出来るのですか?」と言われそうですが、実はこれが可能なのです。後にその方法を記します。
迷いヒヨコ
結露は何が恐ろしい?カビやダニ、腐れやサビとの深い関係!
結露と言えど所詮は水。別にそのままにしといても大丈夫じゃないの?
そんな声が聞こえて来そうです。しかし、結露は何もしないでほっておくと、とても怖い結末が待っているかもしれないのです。 結露は何が恐ろしいのかを正しく知ることで、結露に対しての油断を無くし、必要以上の恐怖からも解消され、ご家族の健康や家自体を守りましょう!
「毎朝、窓の結露を拭くのが面倒・・・」
でも、窓の結露は、拭かずにほっておくと、人や家に様々な弊害をもたらすことがあります。
弊害の深刻度合いは様々ですが、考えられる弊害としては大きく3つあります。
- 窓のまわりにカビやダニが生えることでシックハウス症候群の原因になる
- 窓のまわりの柱など、知らないうちに構造材を腐らせる。錆させる。
- 家の中の熱が逃げやすくなる
このような弊害が起こりうるのです。
シックハウス症候群とは、「住宅に由来する様々な健康への傷害」の総称であり、単一の疾患を指すものではりません。
参考 シックハウス症候群の対策を知る家づくり応援サイト
このシックハウス症候群は、カビやダニが原因でも発生します。アトピー性皮膚炎などがその代表的な症状です。
住宅の高気密化・高断熱化などが進み、化学物質による空気汚染が起こりやすくなっているほか、湿度が高いと細菌、カビ、ダニが繁殖しやすくなります。それだけではなく、一般的な石油ストーブやガスストーブからも一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物などの汚染物質が放出されます。たばこの煙にも有害な化学物質が含まれています。シックハウス症候群は、それらが原因で起こる症状です。
「シックハウス症候群とは?」厚生労働省ホームページから引用
結露によって発生した水をそのまま長い間ほっておくと、カビが発生することがあります。このカビ、明らかに水がある状態でのみ発生するのではなく、湿気た状態(水はなく、水蒸気だけの状態)でも発生することが分かっています。(74.5%の湿度状況が120日間連続するとカビが発生しうるとされています。)
※ヤカンに水を入れて火にかけると、湯気がでます。あれを水蒸気と思っている人が多いのですが、実はあれは水です。水蒸気は、目には見えません。誤解が多いところなので、注意が必要です。
ですので、結露によって水がある状況は絶好のカビの原因となります。
(因みに、カビは湿気と空気と栄養素(ホコリなど)があれば繁殖すると言われています。)
そして、このカビを好むのがダニです。ダニはカビを摂取することで繁殖しますので、カビのいるところにダニもいる可能性が高くなるのです。
カビは、我々人間を直接死に至らしめるようなダメージを与えるわけではありません。ですので、過剰に心配する必要は無いのですが、多量のカビを肺の中に取り込むとで、アレルギー症状が出る場合があります。どの程度の量を吸うと、発症するのかはまだ解明されていません。
(※注意:発がん性のあるカビ毒を出す、アスペルギルス・フラバスなどもありますが、ほんの一部です。)
(※注意2:体が弱っている時にカビを体内に取り込むと、「一般的なカビ」にも関わらず、日和見感染症と呼ばれる症状が発生し、重篤な病気にかかることもあります。しかし、この場合空気に通常に浮遊するカビが原因になることもあるので、防ぐのは難しいとされています。)
これらの内容に関しては、大変お世話になっている大阪市自然史博物館の浜田信夫先生のご著書「人類のカビと歴史」に詳細が書かれています。
カビが嫌われるのは、そのにおいや汚れだけではない。カビは健康被害の原因になるためである。主な被害にはカビ毒、アレルギー、真菌症などがある。その中で、水虫の原因である白癬菌(はくせんきん)はユニークな位置を占める。それは有史以来、人に取りついてかゆみの原因になってきたからである。しかし、カビのほとんどの健康影響は人を死にいたらしめるような劇的なものではないためか、その被害に対する研究は必ずしも進んでいるとは言えない。
「「人類とカビの歴史 第4章カビと健康」著:浜田信夫」から引用
結露のもう一つ大きく怖い点は、発生した水によって、木が腐ったり、鉄がサビたりすることです。
腐ったり、サビたりした木材や鉄が、その家を支える重要な柱や梁だった場合、とても深刻な影響があることは何となく分かるかと思います。
もし、柱や梁が、腐ったり、錆びたりした状態で、地震が生じたら、本来、その柱や梁が支えて大丈夫だったはずの家自体が倒壊する危険性も考えられます。
下の写真を見てください。これは阪神・淡路大震災の時に倒壊した我が実家です。
この家は鉄骨で出来ていたのですが、その鉄骨が実は酷くサビていたのです。
今だから私も冷静なのですが、おそらくこの異常なサビは、結露が原因で起こったのではないかと考えています。これがもし、健全な状態だったら・・・
これは、ある意味で特殊なケースと言えるかもしれません。しかし、結露が発生した結果、壁の中の断熱材が通常通り性能を発揮せず、熱を通し易くなってしまうことがあるようです。
これは、結露により大量発生した水が、断熱材であるグラスウールやロックウールに染み込み、断熱材自体が水のせいで重くなってずり落ちることが原因だそうです。
自分で書いておきながら、「なんなの?」ですが、そこまで大量の水が発生するのは、かなり稀なのではないかと個人的には思っています。。。
ただ、もしこのような事が発生したのであれば事態は深刻です。
水によって当然、カビも生えているでしょうし、断熱材が殆ど機能することがなくなり、更にカビが生えやすい状況となります。つまり、負のループが生じてしまうわけです。
事態はどんどん悪い方向へ進み、最悪の状況となると予想されます。
迷いヒヨコ
結露の3大発生場所を知る!
結露が発生する仕組みが分かってきましたが、今度は結露がどこに発生するのかを知ることも大切です。
窓は明らかに見て分かるのですが、実際に怖いのは見えない場所に発生している結露なのです。
そこで、結露が発生する3つの場所をここでは知ることにしましょう。
まず、結露が目に見えて発生する場所をひと纏めにしてみます。
最もポピュラーな場所は窓です。これに関しては誰もが経験があると思います。
これと同じく、目に見える場所として結露が発生しやすいのは、玄関ドアです。こちらも経験がある人も多いと思います。
更には換気扇の換気口の周囲。ここは見逃しがちかもしれませんが、結露が発生することは少なくありません。
他にも内壁自体が濡れている場合もあります。これも結露です。タンスを置いているとその後ろの壁に結露が発生することもありますが、こちらも同じ種類の結露とします。
これらをひと纏めにして、『表面結露』と言います。
最も怖いのが、この結露の発生が目に見えない場所です。大きく2つある内の最も深刻な方を先に紹介します。
最も深刻な被害になりやすいのが、『壁体内結露(へきたいないけつろ)』と呼ばれるものです。
この壁体内結露は、通常は目に見えることはありません。それが故、発生しているかどうかを確認することがとても困難です。
そして、結露が発生していることが分かるのは、カビが生えてそれが繁殖し、カビが家の内側にも侵入してきたときに発覚することが殆どです。そして、その時点ではカビだけでなく、腐りやサビなども発生していたりします。
最も怖いとされるのは、このためです。
この壁体内結露が何故発生するのかと言うことですが、主には『家の中で発生した湿気(水蒸気)が壁の中に入る』ことによって、発生します。
どのような経路を辿るのかというと、下記の絵のような感じです。
湿気を含んだ空気が、コンセントやダウンライト、換気扇の穴の周り等を通して、壁の中に入っていきます。
壁の中に断熱材などが無かったりすると、冬場は壁の中の温度が低い状態となります。
そこで、結露が発生する訳です。
最後に、結露が最もよく発生する場所で、ある意味で結露の防ぎようは無いのですが、対策のしようはある場所です。
それは、『エアコンの中』です。
実は、エアコンは除湿機能と言うものが搭載されていることが多いのですが、これは結露の原理を利用して部屋の中の水蒸気(湿気)を取り除いています。わざと結露を発生させているわけですから、最も結露がよく発生していると言っても過言ではない場所です。
今度は「それの何が問題なの?」と言われてしまいそうですが、実はこの結露が原因でエアコンにはかなりカビが発生・繁殖しやすい状況が生まれてしまっているのです。なので、エアコンにもカビを防ぐための対策が必要になってくるのです。
迷いヒヨコ
森のくまさん
窓の結露に対する結露対策
結露が目に見えて発生するのは窓です。この窓から発生する結露は目に見えるがゆえ、比較的対策は施しやすいです。どんな防止方法があるのか、みていきたいと思います。
窓の結露対策で大切なことは、できるだけ全ての窓に結露対策を施してやることです。
どこか一箇所だけの結露対策だと、その窓は改善出来るのですが、余計に他の窓が結露すると言った現象が発生します。
なので、面倒でも全ての窓について、結露対策をすることをお勧めします。
まずは、この点を知っておいて下さい。
結露が発生するのは、
・湿気を多く含んだ空気
・空気を急激に冷やすモノの存在
でした。
なので、この内のどちらかを無くしてやれば結露を防ぐことが出来るようになります。
ここでは、「空気を急激に冷やすモノの存在」を少なくする対策方法を記載します。
「今、住んでいる家の窓の結露が酷い…」
そんな方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方のための対策方法をいくつかご紹介します。
一言で窓と言っても、実際には窓には大きく2つの部分に分けて対策を考えることが出来ます。
それが、
- 窓のガラスの部分
- 窓の周囲のサッシ(大概はアルミ)の部分
とに分かれます。
窓ガラスの結露を防止するためには、ホームセンターなどで売られている「結露防止シート」や「断熱シート」がお勧めです。
この他には、特に梱包用のプチプチシートが最も防止効果が高いと言えます。
このような『熱を通し難いシート』を窓に貼ることで、「空気を急激に冷やすモノ」である窓ガラスに直接空気が触れないようにしてやる訳です。
もし、家に梱包用のプチプチシートがありましたら、窓の大きさにカットし、両面テープで貼りつけても同じ効果が得られますので、是非試して下さい。
ただし、プチプチシートは効果が高いのですが、ガラスが透明で無くなりますので、外の景色が見えなくなると言った欠点もあります。
窓ガラスにシートを貼り付けるだけでは、ガラスからの結露は防止出来ても、回しのサッシ(主にアルミの部分)からの結露は以前と同じか、余計に酷くなることもあります。
そこで、ホームセンターで売られている結露防止シートには、周りのサッシにも貼り付けることが可能なものもあります。
デコボコが多いと、かなり手間なのですが、一度貼り付けると当分の間はそのまま使えるので対策の価値はあると言えます。
下記に具体的な商品なども掲載していますので、参考にして下さい。
参考 省エネを個人や家庭でできることを知ろう!取り組み事例家づくり応援サイトまた、すこし金額的に大がかりになりますが、『窓ガラスだけを交換するリフォーム』や『今ある窓の室内側にもう1枚窓を取り付けるリフォーム(内窓リフォーム)』でも結露対策をすることができます。
ただし、内窓リフォームの場合は、内窓自体の気密性能や断熱性能が悪かったりすると、内側の窓と元の外側の窓との間で結露が生じることもありますので、製品の選び方や取り付け方には注意が必要で、そのことをよく知っている業者さんにお願いすることが大切です。
大きな窓がある場合や、ガラスの外が見えなくなるといったことを気にされる方は、こちらをお勧めします。
ちなみに、約40坪の家の全ての窓に内窓リフォームをすると約200万円かかります。
1箇所当たり、小さな窓なら数万円程度。大きな窓なら10数万円~20数万円程度です。
ガラス交換だけだと、家全体で100万円ほどです。
窓の大きさ、数などによって金額が変わりますので、目安とお考えください。
魔法瓶はなぜ冷たい水を入れても結露しないのでしょう。
魔法瓶は、水を溜める内側と手で持つ外側との間に動かない空気の断熱層があります。
動かない空気は非常に熱を伝えにくく、断熱効果が高いので、魔法瓶の外側は冷たくなりにくくなっています。
つまり「空気を急激に冷やす」ことが無いように対策をしているのです。そのため、結露しないのです。
家の窓も、2枚のガラスの間に空気の層を作ってやると窓ガラスの結露を抑えることができます。
窓の結露はガラスだけではありません。
ガラスの周りにある、アルミ製のサッシも対策が必要です。
アルミは木の1,500倍も熱を伝えやすいのです。
そのため、冬のアルミサッシは外とほとんど同じ温度になっています。
ですので、窓に結露を発生させないためには、アルミではない材料の窓を採用すると言う対策方法が一般的です。
家を建てた後で窓のサッシを交換するのは非常に大変で、工事も非常に高くなります。
家を建てる際に窓の種類はぜひ施主であるあなたが要望を出しましょう。
出来れば樹脂でサッシが出来た窓、もしくは木(実は樹脂と同じ程度に熱を通し難い)でサッシが出来た窓を選びたいものです。
ハウスメーカーのカタログに窓の仕様が書かれていますが、
「種類が沢山で、いったいどれが結露しにくいの・・・?」
と感じると思います。
最近では窓毎に「自己適合宣言書」というものをメーカーが出していて、それを見るとその窓の断熱性能(Uw値と言う)が確認でき、この値が低ければ低いほどよい断熱性能と言えます。Uw値は1.0を下回るとかなり優秀な断熱性能で、1.5程度でも断熱性能としては良い方です。
まずは、この窓のUw値を確認しましょう。
以下は、Uw値が分からない場合でも、簡単に比較できるよう窓ガラスと周りの枠であるサッシの性能を比較していますので、参考にして下さい。
断熱性能が高いほど結露がしにくいということを念頭に・・・
【断熱性低い順】
- シングルガラス(普通の窓ガラス)
- ペアガラス(ガラスが二重)
- 複層Low-Eガラス(ガラスが二重な上に、特殊な金属皮膜がある)
- 真空ガラス(ガラスとガラスの間が真空)
- 複層Low-Eガラスアルゴンガス入(更にガラスとガラスの間にアルゴンガスが入っている)
- トリプルガラスLow-Eアルゴンガス入(ガラスが三重)
- トリプルガラスダブルLow-Eアルゴンガス入(三重の内、二重がLow-E)
- トリプルガラスダブルLow-Eクリプトンガス入(間に入っているガスがクリプトン)
- トリプルガラスLow-E真空・クリプトンガス入(ガラスとガラスの間が真空とクリプトン)
この他にも沢山の種類の窓がありますが、代表的なところはこのような感じです。
値段的には、複層Low-Eガラスアルゴンガス入がお手頃です。
ガラスとガラスの間の中空層(空気やガスが充填されている部分)は厚い方が断熱性が高く16mmで最高!それ以上厚くすると断熱性能が減る。
6mmよりも12mmの方が断熱性は上!
中空層は乾燥空気よりも、アルゴンガスのような比重の重いガスの方が 断熱性が高い!
【断熱性が低い順】空気 < アルゴンガス < クリプトンガス < 真空
お手頃なのは、アルゴンガスです。
ガラスとガラスの間の距離を保つためのスペーサーが、金属のものより、樹脂製のものの方が良い。
【断熱性が低い順】アルミサッシ < アルミ+樹脂複合サッシ < 樹脂サッシ・木製サッシ
となります。
樹脂サッシは、通常窓ガラスより断熱性能が高いのですが、窓ガラスが3重以上になると、ガラスのほうが断熱性能が高くなります。
また、樹脂サッシ自体にも性能があり、サッシの内部の中空層の構成状況によっても分かります。
窓の種類を詳しく知りたい方は、こちらのページもご覧ください。
参考 窓の種類と比較家づくり応援サイト壁の結露に対する結露対策
壁に触ると濡れている。そんな経験をしたことがある方もいるかもしれません。また、タンスを退けてみるとその裏の壁がカビだらけだったと言う経験がある方もいるでしょう。カビが生えているとなかなか気が滅入るものです。しかし、実際に一番怖いのは目に見えないところで発生している結露です。一体、壁にはどのような結露が発生することがあるのでしょうか。
壁に発生する結露の種類には「表面結露」と「内部結露」があります。
「表面結露」でもタンスの裏側などに発生する結露は普段は目にすることがありませんので、発見した際には既にカビや腐食が起こっていることがよくあります。
また、どんな結露よりも一番怖いのは壁体内に発生する「内部結露」です。発見が遅れると、構造も駄目になる場合があります。
大きく分けるとこの2種類になります。それぞれの対策方法を見ていきましょう。
壁の表面結露は、通常壁が何かに隠れていない場合はあまり発生しません。
ただし、コンクリートの壁などでその表面の温度が外部の寒い気温と同じように下がることがあれば、そこで結露が発生する場合があります。この場合は、壁自体がそこまで冷たくならないようにすることが理想的ですが、かなり大掛かりな工事になりますので、「究極の対策!結露の原因である湿気を抑える工夫」を参考に対策を練って下さい。
この他に壁の表面に結露が発生するケースとして、タンスの裏側やカーテンの裏側など、物の影に隠れている場合に結露が発生することがあります。
【タンスの裏側に結露が発生するのを防ぐ方法】
これはタンスを置く位置を工夫してやると良いです。
外に面している壁の前にタンスを置くと、その裏側に結露が発生しますので、出来れば間仕切りなどの外に面さない壁の前にタンスを置くようにしましょう。
また、どうしても外に面した壁の前に置かざるを得ない場合は、
【壁にピッタリくっつけて、湿気が入らないようにシーリング(隙間を埋めるゴム状接着剤)でタンスと壁の隙間を埋める方法】
があります。
この場合は、水蒸気が入る隙きを完全になくしてやる必要があり、微妙に隙間があると余計にカビる可能性もあります。
それが難しい場合は、タンスの裏側に湿気が回り込んでも、そこで溜まらないようにしてやる必要があります。
壁とタンスとの間を多少開けることと、「究極の対策!結露の原因である湿気を抑える工夫」を実践することが必要です。
【カーテンの裏側に結露が発生するのを防ぐ方法】
壁側に断熱を施すなど、費用のかかる対策方法もありますが、もう少し手軽に結露を防ぐにはカーテン自体が壁に掛からないように、窓の大きさ調度のカーテンになるようにカーテンを裁断してやると良いです。
こうすることで、壁に発生する結露は防ぐことが可能です。しかし、窓に発生する結露は殆ど変わらないはずですので、窓の結露に対する防止と対策と合わせて対策を行いましょう。
しかし、これらの対策は根本的な問題を解決する方法ではありません。
これから新築をする場合やリフォームのタイミングに結露のない家にしたいと言う場合は、しっかりと『空気を急激に冷やす』部分をなくしてやることが大切です。そのためには、冬でも外の冷たさが伝わってこないように、しっかりと断熱してやる必要があります。
この場合、どの程度断熱をすればいいかに関しては正式には結露計算と言う計算が必要となります。
例えば、北海道と九州では外の温度が違うため、必要な断熱も変わるからです。
とはいえ、壁の表面結露については断熱さえすれば比較的簡単に止めることが可能です。
結露の中で最も怖いのがこの内部結露です。主な対策方法としては2つに分かれることが多いです。
これは、結露の原因の一つである、
・湿気を多く含んだ空気
を壁の中に入れないようにするのか、貯めないようにするのかの違いです。
これから新しい家を計画する、またはこれからリフォームをするという場合は、必ずどちらかの対策をしてもらうようにいましょう。
【湿気を壁の中に入れないようにする】
まず、1つ目の対策としては、壁の中に水蒸気を含んだ空気が入っていかないように対処する方法です。
この中にも様々な方法がありますが、シンプルな方法としてはビニールシートのようなものを壁に貼ると言う方法です。
湿気を通さないシートがありますので、これを貼っておけば基本的には壁の中に湿気は入っていきません。
シンプルですが、施工は要注意です。例えば、コンセントやエアコンのダクト配管などで、壁に穴を開ける部分が出てきます。このときに、一緒にシートにも穴を開けることになるのですが、この穴をしっかりと塞いでやるといった、慎重な作業が必要になってきます。
【湿気を壁の中に貯めないようにする】
こちらも考え方は一つですが、方法は様々にあります。
分かりやすいのは、壁の中に常に空気の流れを作る方法です。こうすることで、壁の中に湿気が溜まることを防ぐ訳です。
この他にも、壁全体に湿気が通る材料を使うことで、常に湿気が動き回れるようにする方法です。こうすることで、部分的に過剰に湿気が溜まることを抑制出来ます。
迷いヒヨコ
更に詳細な内部結露防止方法や結露計算の方法を知りたい場合は以下を参考にして下さい。
参考 内部結露の事前の計算による確認方法内部結露エアコンにおける結露とカビ
実はエアコンではかなりの確率で結露が生じています。そして、結露によって生じた水が長い時間エアコン内にとどまっていることもよくあるのです。エアコンにおける結露についても、知っておく必要があります。
実はエアコンではかなりの確率で結露が生じています。そして、結露によって生じた水が長い時間エアコン内にとどまっていることもよくあるのです。エアコンにおける結露についても、知っておく必要があります。
エアコンはその構造的に常にカビが生えてもおかしくない状況にあります。
エアコンは、「除湿」と言う機能が搭載されているものがほとんどですが、この除湿をどうやって行っているのかと言えば単純に部屋の中の空気を冷やして、結露をさせているだけなのです。
ですので、結露した水は一旦エアコンの内部に溜められ、それが有る一定以上になると排水されると言う仕組みになっています。
実は、これが原因でエアコンは常に水が内部にある湿気た状態となっています。
カビは湿気た状態で、酸素と栄養素(ホコリ等)があると繁殖する可能性があります。エアコンの中のこの状況はカビにとってとても良い繁殖条件が揃った場所なのです。
エアコン中の結露を防ぐと言うことは不可能です。
しかし、カビを防ぐ方法なら少しあります。
カビはエアコンが稼働しているときには、それほど増えることが出来ません。
逆に、それまで止まっていて、夏や冬がやってきた最初に動いた時に一番沢山のカビがいるのです。
では、どうやってカビを防ぐかと言うと。
この季節の始まりの時期に掃除をすると言うことも大切だと思います。そうすれば、少なくとも体内に取り込むようなことは少なくなるはずです。
これとは別に、カビを防ぐ方法は、『エアコンを停めないこと』です。
冷房や暖房のまま稼働し続けると、かなりの電気代が掛かります。
それでは結構つらいので(省エネでもないので)、送風モードで動かしておくことがオススメです。
送風モードであれば、電気代は微味たるものです。
究極の対策!結露の原因である湿気を抑える工夫
様々な対策方法を見てきました。しかし、これらは対処療法的に症状を和らげている方法にしか過ぎず、根本的に結露の原因をなくすことには繋がりません。次にみていくのは、究極の対策法として、根本的な湿気自体を抑制する方法です。どのような方法があるのでしょうか。
結露を防ぐ、最大の方法は「湿気を多く含んだ空気の存在 」を無くすことです!
単純なのですが、「火のないところに煙は立たない」のと同じで、湿気の無いところで結露は発生しないのです。
ただし、過乾燥になると今度は風邪をひきやすくなる、肌が荒れやすくなるなどの別の危険性もありますので、今回は、「大量に発生する湿気を抑制する」と、言う観点からご紹介します。
対策としては、大きく2つが考えら得れます。
【湿気の発生を抑える!!】
冬場の湿気を抑制する方法としては、『暖房器具』を見直すことです。
石油ストーブ、ガスストーブ、ガスファンヒーター等の家の中で燃料を燃やして火を起こすような燃焼器具は最も大量の水蒸気を発生させています。こういったものを使用しているようであれば、湿気の発生の心配がない、エアコンやコタツ、電気カーペットなどを利用すると良いでしょう。省エネの観点も考えると、エアコンが最も最適です。しかし、断熱性能が低い家ではエアコンでは温まらない可能性もありますので、注意が必要です。
【発生した湿気を取り除く!!】
発生した湿気を取り除くには、発生箇所で取り除いてしまうことが肝心です。
調理の際には、必ず換気扇を回しましょう。調理中に出る、水蒸気の量も多量となります。
また、お風呂から上がったときもできるだけ換気扇を回しましょう。冬場に浴室内の湿気を取り除こうと窓を開けると、逆効果になり、かえって家の中に湿気が入ってくる結果になる場合があります。
ですので、お風呂の場合も窓をあけるのでなく、換気扇によって湿気を取り除きましょう。
これらでも、発生した湿気を取り除ききることが出来ないこともあります。ですので、その場合は極力、換気扇を駆動させておくことです。今では24時間換気をすることが基本的には前提とされており、換気によって空気を動かすことで、防げる結露もあるのです。
もし、自宅に24時間の換気扇がない場合は、換気扇を新たに設置することも検討の余地にはります。しかし、この場合、あまりスカスカで隙間だらけの家の場合は、換気扇がそれほど効かない場合もあります。
見てきたように、最終的には湿気自体の発生を抑える。発生したとしてもそれを取り除いてやる。と、言うことをまずはトライしてみると良いでしょう。
とはいえ、お金のかかることでもありますので、出来ることからやっていくと言うことが肝心です。
迷いヒヨコ
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