床下換気口

床下換気口

床下換気口とは、基礎の内部の換気を行うための開口のことです。

現在は、基礎パッキン工法が多くなってきていますが、数年前までは、この床下換気口を設置する家が主流でした。

床下換気口の設置基準

床下の湿気を適切に抜くことができるよう、この床下換気口には、設置する間隔や開口の面積が法律で定められています。

建築基準法では、

5m以下のごとに300cm2以上の面積の開口を設け、ネズミの侵入を防ぐ対策を講じること

となっています。

また、フラット35と言う住宅ローンを借りる場合は以下の規定を守る必要があります。

4m以内の間隔で300c㎡以上の大きさの床下換気口を設置

どちらにせよ換気口自体のサイズは300c㎡以上が必要となります。

床下換気口は塞いでも良いか?

適切な換気を行うことが目的ですので、物置を計画している部分や空調や給湯設備の屋外機が設置される部分を避けて計画することが望まれるでしょう。

一方で住んでいると、冬場に床が冷たくて床下換気口を塞いでしまいたくなります。果たして塞いでしまっても良いのでしょうか?

本来、床下換気口は床下の湿気を防ぐために設置しています。ですので、防ぐことは望ましくないです。特に、床下の地面(土)が剥き出しになっている布基礎と呼ばれる基礎の場合は、床下点検口を防ぐことは避けましょう

ただし、床下に適切な防湿処理を施した基礎の場合(地面が見えていなくててコンクリートとなっていて、更にその下に防湿のシートが敷かれていることが分かっている場合)、それほど湿気が溜まらない構造となっているケースがあります。塞ぐことは望ましく無いのですが、冬場はそれほど湿度が上がることも無いので、どうしてもと言う場合は自己責任において塞ぐ選択肢もあり得るでしょう。

床下換気口を塞ぐ場合、ホームセンターなどで売っている発泡スチロールなどの断熱材を床下換気口のサイズに切断してはめてカバーしておき、いつでも取り除けるようにしておくことが望ましいでしょう。

しかし、塞いでしまったために湿気が多くなり、結果的にシロアリなどの被害にあう可能性もありますので、あくまで自己責任で行いましょう。

床下換気口にひびがある場合の修理

床下換気口が少なくなり、基礎パッキンへと変わっていた理由として、一番大きい理由が床下換気口の周囲で、基礎にひび割れが生じやすいためです。

床下換気口から発生したひび割れ

写真のように床下換気口の角からひび割れが発生しています。これは床下換気口を設置した場合によくあることですが、3mm以上の幅があるひび割れの場合、基礎の内部にある鉄筋を錆びさせる恐れがあるため、補修してやる必要性があります。

ヘアクラックと言う、0.3mm程度のごく小さいひび割れの場合はそのまま進行しないで止まっている場合は問題ありません。しかしひび割れの大きさがそれ以上大きくなって進行いく場合は、これを補修する必要があります。

補修の仕方は、ひび割れの間に補修液を充填する方法があります。基礎と同じモルタルを詰め込むことが出来ると一番よいのですが、これが難しい場合は、エポキシ樹脂と言う接着剤のようなもので、補修してやります。

床下換気口がない?基礎パッキンを利用した場合

近年、殆どの基礎では基礎パッキンを使用しています。このため床下換気口が無いように見えるのですが、これは上手く見えないように基礎パッキンを隠しているからです。

基礎パッキン
基礎パッキンの場合
犬走り
床下換気口が無いように見える

上の写真のように、水切り板金と呼ばれるもので基礎パッキンは覆われるため、外側からは換気口が無いようにみえます。

なお、床下換気口と基礎パッキン工法のメリット・デメリットは、基礎パッキン工法のページで詳しく紹介しています。こちらも合わせて確認してみてください。

参考 基礎パッキン用語集

床下換気口は後から取り付けられるか?

床下換気口の後付けが出来るかどうかですが、これはとても危険なので止めておきましょう。リフォーム業者が後付けの床下換気口を提案する事例があるようですが、知識が無い業者である可能性が高いと思われます。

基礎には鉄筋が張り巡らされていて、後から床下換気口を開ける場合はこの鉄筋を切断することになります。仮に切断した分、補強が出来る場合であれば後付けできなくは無いのですが、鉄筋に匹敵する補強を行う事は非常に難しく、例えば、樹脂などで補う事は出来ません

構造計算などをしっかりして、かなりの補強計画が無い限りは床下換気口の後付けは出来ないと考えましょう。