基礎パッキン

基礎パッキン

基礎パッキンとは、住宅の床下の換気を行うために、基礎と土台の間に敷く通気部材のことです。

基礎パッキン
土台と基礎の間にある基礎パッキン

写真のように基礎パッキンには空気を通す穴が開いており、ここから床下に通風します。通風することによって床下の湿気を抑え、カビの発生やシロアリの侵入を防ぐ目的で設置されます。この基礎パッキンを使った工法を基礎パッキン工法と呼びます。

それに対し、基礎の立ち上り部をくりぬいて取り付ける床下換気口があります。これは従来型の換気口ですが、近年ではあまり見られなくなってきました。

床下換気口
床下換気口

基礎パッキン工法のメリット・デメリット

基礎パッキン工法の長所

  • 基礎の立ち上り部に開口しないので、基礎の施工性が高い(要は施工が簡単!)
  • 外周部の一部に物を置いても床下全体の換気に与える影響が小さい
  • 床下点検口に比べ、床下の換気効率が高いとされている(1.5~2倍とも)
  • 基礎の立ち上り部に開口がないため、意匠性に優れる
  • 雨水の浸入の危険性が低い

基礎パッキン工法の短所

  • 樹脂部材なので、耐久性に不安がある
  • 玄関周辺などの通気を確保してはいけない部分には気密タイプを施工する必要があり、施工ミスが起きやすい

耐久性の不安に対して、基礎パッキンメーカーのJOTOテクノさんでは、60年経っても殆ど変形が無いとする検証結果を表示されています。

参考 JOTOキソパッキン 複合素材の将来(寿命)予測について城東テクノ株式会社

 

床下換気口の長所

  • 開閉可能なタイプが選択でき、冬場は閉めておくことで床の冷たさを軽減できる

床下換気口の短所

  • 床下換気口設置部への鉄筋の補強が必要なので、施工手間が増える
  • 床下換気口のまわりにクラックが生じやすい
  • 床下換気口のまわりに物を置くと極端に換気効率が落ちる
  • 高低差のある敷地の場合は、雨水の浸入に注意する必要がある

どちらかというと、基礎パッキン工法の方が施工業者にとっても扱いやすく
施工実績も増えてきたことから、部材の価格や施工費も安価になっています。

現在では基礎パッキン工法が主流となっいて、床下換気口は古い住宅でしか見られなくなってきています。

基礎パッキンの間隔

基礎パッキンを設置する際、特段法律上の決まり事はありません
ですので、短い基礎パッキンを適度な間隔に並べて施工をしている場合があります。この場合、柱の真下に基礎パッキンが無いと土台が下に沈んでしまう可能性があり、適切に並べる必要があります。

これに対して、長い基礎パッキン(基礎パッキンロング)を利用して、基礎の周囲全てに設置することも可能です。この場合、虫の侵入や雨の侵入なども軽減できるため、出来る限り周囲全てに設置することが望ましいと言えます。

また、基礎パッキンからのシロアリの侵入を防ぐことをメーカーが保証していたりします。

例えば、「JOTOテクノ しろあり保証1000 JOTOキソパッキング工法」では、10年間の保証があり被害発生に対して1000万円もの保証金がついています。
これは、反対に考えるとそれだけ基礎パッキンが安心な工法であるという事の表れとも言えるでしょう。

基礎断熱の場合は、気密パッキン

近年では、高断熱住宅の増加と共に基礎断熱と言う工法も増えてきました。基礎断熱の場合、本来外部扱いだった床下が、屋内扱いとなります。

このため、基礎から通風する必要が無くなります。そのため、通風のための穴が空いていない「気密パッキン」と呼ばれるものを使用します。

基礎パッキン
穴の開いていない気密パッキン

この気密パッキンは穴が空いていないだけでなく、基礎や土台との僅かな隙間からも空気が入ってこないように、パッキンがついています。

気密パッキン
気密パッキン(出典:JOTOテクノ

写真のパッキンの部分が家の重さ潰れることにより、基礎とパッキンパッキンと土台の隙間が無くなり、空気が流通しにくくなる仕組みです。

基礎断熱の場合、この気密パッキンを使わないと言ったことも法律上は可能です。この場合、雨の侵入や空気の侵入を防ぐためにパッキン部分のみを敷くと言った方法があります。