外観とは家などの建物の外からの見た目のこと。
英語では、「the building exterior」とか「the house facade」と言ったりする。
facadesはファサードと発音し、主に道路側の外観を意味する。外観は4方向から見えるため、道路以外からの外観もファサードと誤解されがちだが、あくまでファサードは道路側からの見た目となる。
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外観と道路の関係
建物は建築基準法上、必ず道路に接している必要がある。
道路に接している側の外観は主にファサードと言われ、外観をオシャレにしたい場合、このファサード側に注力すると効果的である。
外見をデザインするうえで、道路による制限は大きく影響する。法律用語で道路制限と言う。
特に建物を高くしたい場合は、前面の道路の幅が建物の外観に影響する。
このため、前面道路の広さは設計前に事前に必ずチェックが必要となる。
土地の購入がこれからの場合は、道路の広さがどの程度か、これに対して十分な土地の広さがあるかを確認すると良い。
ただし、緩和措置などの法規的な条件があるため、道が狭い場合や道に対して極端に敷地の奥行きがない場合は、専門家に確認しれ貰う方が良いだろう。
外観とデザインの関係
外観のデザインには、外壁材が大きく影響する。(外壁材の種類については、「外壁材の種類と比較」)漆喰やモルタルなどの塗材と呼ばれるものを使用した場合は、定期的に塗り替え等のリフォームが必要となる。
よって、メンテナンスを含んだコストとの兼ね合いを検討することが重要となる。
また、窓の配置や形状・屋根形状や屋根材も大きく影響を及ぼす。

こちらは、外観に窯業系サイディングを使用した例である。
窯業系サイディングでは、大きな板状の材料を外壁として張り付けていく。
サイディングは事前に模様や色がついていて、これがデザインとして重要となる。
デメリットとして、写真の2階部分のように板と板の繋ぎ目が不自然に見えてしまう事である。つなぎ目を上手く隠すか、上手にデザインとして取り入れるなどの工夫が必要となる。

この建物の右側には金属系サイディングが使用されている。その名の通り、金属で出来たサイディングであり、通常は縞模様となっていることが多く、上手くつなぎ合わせることで、繋ぎ目が分かりにくく出来るメリットがある。外観上はモダンでシャープな仕上がりとなる。
デメリットとしては金属のため、サイディング自体が熱くなり、断熱を確保したサイディングにするか、建物自体の断熱を確保することが望ましい。

こちらは、外観に漆喰を設置した例である。
板状のサイディングとは違い、繋ぎ目が見えずシームレスで綺麗で滑らかな外観となる事が特徴である。
デメリットとしては施工に時間と費用が掛かり、サイディングと比較するとひび割れが生じやすい。ひび割れが生じると、当初の美しさが崩れるため必要に応じてひび割れを補修することとなる。
この建物は道路が北側に面しており、南側に庭が配置されている。
そのため、大きな窓をファサードに利用することはパッシブデザイン上難しい。
道路側に小さな窓が多く配置されているのは、間取り上の制約の結果である。

外観には木材を利用することも可能です。木材は自然な風合いと飽きのこな模様が特徴的で、何となく柔らかな雰囲気を感じて好感を持つ方も多いのではないでしょうか?
デメリットは、木材は太陽の紫外線で劣化し難いように塗料などで保護する必要があります。長く紫外線にさらされた木材は灰色に変色します。木材を利用する場合は、塗料が落ちてきた場合に塗り重ねる頻度が他の材料より多くなる点です。
外観パースの例
計画段階でこの外観がどのようになるのかをイメージするために外観パースと言う、イメージを絵でシミュレーションした図面が作成される。
ファサード側がどのようなイメージになるのかが重要となる。

ひと昔前に比べ、パソコンのグラフィック性能が劇的に向上しているため、写真のようなパースを作成することも可能となっている。
外観デザインの種類
外観には、類型化されたデザインの種類がいくつかある。
【和風・和風モダン・モダン・南欧風、北欧風、カリフォルニア】
など、地域の特性を表現した言葉が利用されている。
とはいえ、決定的な定義はなく個々が描くイメージで分類されている。

例えば上のイラストを類型化すると、
(上の段左から)南欧風、モダン、洋風、(下の段左から)洋風、モダン、和モダン
と、言ったところだろうか。もしかしたら他の人は違うかもしれない。
このように、これと言った決まりは無く、寧ろ多種多様すぎることが日本の街並みの統一感を損ない、街並みとしての美しさを損なっていると言える。
ここで、海外の美しい街並みを見ておこう。



日本も本当の昔は統一された美しい街並みでした。