切土(きりど)

切土

切土(きりど)とは、宅地を造成する際に、もとからある地盤を掘って平らにした地面です。切土地とは、切土によって出来た土地を指す。

そのため、切土によって出来た土地は一般的に建物を建てるためには良好な地盤が多く建物の傾きや沈下に対して比較的安全と言われています。

造成する際には、斜面を掘った土をただ捨てるだけだと土の処分にかかる費用が高くなるため、他の場所で盛土をして造成していきます。

盛土

切土や盛土をした場合のデメリット

人工的に宅地を作った土地(造成地)では、この切土と盛土が混在する土地も珍しくなく、家を切土と盛土にまたがって建てた場合盛土と元の時にまたがって建てた場合、適切な地盤補強を行わないと「不同沈下」のおそれもあります。

盛土切土図
建物が盛土と元の土地にまたがって建っている例

図のように盛土部分は、締め固められはするものの、それほど強固な硬い地盤とはなっていない。建物がまたがっている左側の元からの土地は長い時間を掛けて圧密され、締め固まった状況となっている。ここから、盛土部分が建物の重みに耐えられず、右方向に傾くこととなる。これを不同沈下と呼んでいる。

このような事例として、中越地震の際には、造成地での建物被害が大きかったことが挙げられます。

盛土切土図

また、上図のように盛り土部に建物を建てた場合においても、適切な地盤改良が必要となる。この場合、地盤改良を行わないと「圧密沈下」が発生し、建物がある程度沈んでしまうリスクがある。

切土や盛土の場合の適切な地盤改良

こういった造成地の場合、硬い地盤が確認できる深さまで建物を支えるための杭を埋め込む地盤改良が必要となる。(下図)

地盤改良の例
地盤改良の例

切土や盛土の見分け方

まずは、その土地自体が造成地かどうかを確認する必要がある。既に造成された土地の場合、造成された時期がいつなのかを確認する。近年であれば、造成するために計画された図面が残っているはずである。その図面を見ると、切土地なのか、盛土地なのかを判別することが可能となる。

古い造成地の場合は、明確な図面が残っていることが少なく、調査を行わずに判断することが困難となる。この場合は、別途地盤調査を行い、地盤の強度によって安全を確認する必要がある

切土があるから大丈夫という訳ではなく、切土があれば、盛土がある可能性が高いと考えて、地盤調査の結果などをしっかりと確認するようにすべきである。

斜面地を購入する場合の注意点

斜面地を購入して、購入後に切土や盛土を行う場合、切土によって2mを超えるがけが出来る場合盛土で1mを超えるがけが出来る場合は、別途役所に宅地造成を行う事の許可を得る必要がある。

このため、極端な斜面地の場合は造成に掛かる費用の他に宅地造成の許可を得るために必要な費用が別途必要となる。