迷いヒヨコ
森のくまさん
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一戸建てかマンションか?メリット・デメリットの比較
まずはそれぞれのメリット・デメリットを整理した表を見て貰います。
どちらを選ぶかは、より優先順位の高い項目に有利な方を選ぶと良いです。
※あくまで参考です。逆転する場合もあります。
一戸建て | マンション | 備考 | ||
間取り | 自由度 | 〇 | △ | 一戸建てでは注文住宅が選べるためマンションよりも間取りの自由度が高い傾向にあります |
バリアフリー | 〇 | 〇 | 廊下の幅やトイレの大きさなど、どちらもバリアフリー対応の物件が可能です | |
使い勝手 | 〇 | ◎ | ワンフロアで繋がるマンションの方が移動しやすく屋内では住みやすい傾向にあります。 | |
リフォーム | 〇 | △ | マンションの場合、間取りの変更は排水の場所や構造の問題が絡むため難しくなります | |
設備 | 仕様の自由度 | ◎ | 〇 | 設備の選択肢は戸建の方が選択の幅が広くなります。 |
太陽光発電等の設置 | 〇 | × | 太陽光発電などは共有部への設置になりますので、マンションで個人で取り付けるのは難しいでしょう | |
駐車場の利便性 | 〇 | △ | マンションは、駐車場までどうしても離れてしまい、出し入れに時間が掛かることも多いです。 | |
お金 | 購入資金 | △ | 〇 | 近年マンションと一戸建ての価格差は小さくなっていますが、 土地から購入となるとマンションの方が安い傾向にあります |
資産価値 | 〇 | ◎ | 比較的、売りやすいのがマンションであることを考えると資産価値はマンションに軍配が上がります。 | |
維持費 | 〇 | △ | マンションには固定的に管理費がかかります。戸建ての維持費は初期投資とのトレードオフとなります。 | |
環境 | 利便性 | △ | 〇 | 同じ金額であれば、マンションの方が立地の条件が良い傾向にあります |
外の騒音 | △ | 〇 | 戸建より道路などからの距離が離れるので、騒音などは入りにくくなります | |
上下・隣戸からの騒音 | 〇 | △ | マンションは構造躯体を共有していることから、どうしても騒音が気になる傾向にあります | |
採光 | 〇 | △ | 立地の条件によって一長一短ありますが、窓が多く設置できるため各部屋の採光が確保しやすいのは戸建となります | |
通風 | 〇 | △ | マンションは一般的にワンフロアのため、部屋ごとの通風は一戸建ての方が確保しやすい傾向にあります | |
防犯 | △ | 〇 | マンションはオートロックなどを備えた物件が多く、戸数も多いため標的にされる確率は減ります傾向にあります |
上の表を基に特に気にするべきメリット・デメリットを以下に挙げておきます。
- 所有の満足感が高い
一戸建ての最大のメリットは、その土地や家が家族だけのものといった感覚が得られることです。またリフォームしたいと思ったら、自由にリフォームを行うことができます。 - プライバシーの確保
隣地とは、一定の距離がありますので、マンションのような騒音のトラブルに発展するケースも稀です。歩く音にも気を遣うような生活をしなくていいため、精神的に楽といった点が挙げられます。
- 購入資金が高い
一戸建てのデメリットは、購入時の予算がマンションに比べて高い点が挙げられます。同条件のマンションと比べると高い傾向にあります。 - 依頼先によって失敗もある
工事を依頼するときに、その業者の見極めが重要になってくる点でしょう。戸建て住宅は比較的小さな企業でも建築することが可能です。それが故、依頼先が玉石混合であり、失敗に繋がるケースがあります。
- 購入資金が比較的安く、売りやすい
マンションのメリットは、一戸建てよりも購入金額が安いといった点が挙げられるでしょう。物件や地域によっては、逆転していることもあります。また、マンションは立地が良ければ売りやすいと言うメリットも大きいです。
なお、最近では、マンションを購入される方が減少していることもあって新築マンションの『再販物件』では、販売価格の見直しや値引きされる物件も増えています。郊外などで探すなら、こういった再販物件を中心に探してみると掘り出し物件が見つかるかもしれません。 - 重要な維持管理は計画的に行われる
毎月管理費を納めていれば、共有で使う部分は計画的に維持管理を行ってもらうことができます。専有部分の管理は各家庭で行うことになりますが、定期的にメンテナンスが必要な外壁部分や防水に関わる部分などは管理組合で行います。 - 虫が入りにくい
マンションで高層階の場合は、蚊やアリなどの虫が上がってきにくいといったメリットがあります。特に虫が嫌いな方が増えてきた現代では、このメリットが魅力的な方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 上下、隣の騒音問題
マンションに住むにあたってもっとも問題になりやすいのが、『騒音』です。生活をするには、どうしても音が出てしまいます。歩行やドアの開け閉め、洗濯や入浴、トイレやお風呂の排水音などは構造材や配管を伝わりますので、防ぐことができないのです。
また、問題が起きやすい原因の一つに、お互い様の関係ではなく、上の階の人は下の階に、その下の階の人はさらに下の階の人にといった一方的に騒音を許容してもらわなければならないといったことが挙げられます。
現在は、床の防音性能を上げて、音を伝えにくいような作りになっていますが、それでも全く聞こえないようなレベルではありません。どうしても小さなお子様がいるところは気を遣わなければなりません。 - リフォームのし難さ
リフォームをする場合、配管スペースの問題でキッチンやお風呂の場所を変えることが難しい場合が多いです。また、住戸内に構造上の柱や壁がある場合はこれを動かすことは出来ません。このため間取りに制約が出ます。
迷いヒヨコ
一戸建てとマンションの割合、どちらが多いか?
一戸建て | 共同住宅 | |
全国 | 53.6%(127.3㎡) | 43.6%(51.2㎡) |
全国平均では、一戸建てに住む世帯の方が多くなります。そして一戸建て住宅の方が一戸当たりの居住面積も大きくなります。共同住宅はこの半分程となります。
次に県ごとの一戸建てと共同住宅の割合です。(長屋は除く)
政府統計より編集
政府統計より編集
東京都では共同住宅が圧倒的に多いですが、それ以外の地域ではそれほど大きな差はありません。傾向としては、地方より都会の方がマンションの割合が多いと言えそうです。
迷いヒヨコ
一戸建てとマンションの維持費や資産価値の違い
一戸建ての方が購入時にかかる費用が高いことはすでに紹介したとおりです。では、購入時だけでなく、将来に渡って家にかかるお金はどうなのでしょう。
購入後にかかる費用として、
- 一戸建て → メンテナンス費用
- マンション → 管理費、修繕積立金
があります。
マンションの管理費は人件費の割合が多く、管理を自分で行う一戸建てにはかからないお金が必要になってます。通常、この管理費、修繕積立金は平均すると
月に2万円以上
かかっているようですので、住宅ローン以外に年間24万円以上も負担しなければなりません。
また、この管理費や修繕積立金は、購入時は比較的抑えた金額となっていますが、築年数が古くなってくるに従って高くなる可能性が高いと言われています。また、共用部はこの修繕積立金で補修を行っていきますが、占有部は各家庭で費用を負担して管理をしていかなければなりません。
水まわりの改修や設備の取り換えなどが必要な場合は、10年間で50~100万円ほどかかってきますので、予め計画の段階でこの費用を計算に入れておく必要があります。
一戸建ての場合でも、10年間で100~150万円ほど補修や防蟻処理などにかかる費用を考慮する必要がありますが、差し引きしても、マンションの方が150~250万円も負担が大きいことがわかるでしょう。
家を所有すると、建物と土地に対して固定資産税と都市計画税がかかってきます。
+++ 課税方法 +++
- 固定資産税 :
建物 評価額 × 1.4%(各市町村によって異なるので要確認)※
土地 評価額 × 1.4%(同上)※ - 都市計画税 :
建物 評価額 × 0.3%(各市町村によって異なるので要確認) ※
土地 評価額 × 0.3%(同上)※
※ 特例が定められていますので、詳しくは市町村の関係部署にお尋ねください
これは1年に1度納める税金です。
土地の所有分が小さくなるマンションの方が納税額が小さく、年数の経過とともにその差が大きくなっていきます。
また、税金が半額となる軽減措置もマンションが5年間受けられるのに対し、戸建住宅の場合は、3年となっています。
建物だけの築年数から見た成約価格で比較すると、築5年まではそれほど変わらなかった物件価格も築10年を超えたあたりから徐々に差が出始め、築20年を超えると、その差はかなり大きくなります。
首都圏で調査されたデータでは、一戸建ての方が1,500万円以上も高く売買されています。
ただ、マンションも一戸建ても立地の条件によって大きく変わります。
家の周りの利便性が上がれば価値が上がりますし、管理され定期的なメンテナンスを行っている物件では、マンションの方が資産価値の低下が緩やかな場合もあります。
将来どうなっていくのかの予測は難しいと思いますが、マンション購入の場合は、管理の体制がどのようになるのか、駅からの利便性はどうなのか。一戸建の場合は、ご家族の定期的なメンテナンスが重要になってきます。
いつか引っ越すことが予想される場合は、売りやすさ重視で利便性の良い場所でマンションとする方が良いでしょう。費用面においてもトータルではマンションの方が安くなる傾向です。
迷いヒヨコ
一戸建てとマンションの快適性の違い
快適性について、「暑さ・寒さ」、「騒音」、「明るさ」、「通風環境」で確認することにします。
マンションから一戸建てに移り住まれた方は、
「暖房などの光熱費が上がっているのに寒い・・・」
といった印象を持たれる方が多いようです。
これは、マンションの場合は、隣や上下が外ではなく、暖房などをされた家が隣接しているため(図)で、外気に面する壁や窓はそれほど多くありません。そのため、暖房をあまりしなくても暖かさをキープすることができるのです。(ただし、マンションにおいても最上階や、一番端の住戸は暑さ・寒さの影響を受けやすくなります)

一戸建てでもマンションと同等の暖かさを得ることは可能です。ただ、それには、断熱性や気密性を上げていかなければなりません。
参考 最適なUA値とは?計算方法や基準を解説!必要な住まいの性能現在マンションなどにお住まいの方は、一戸建てを建てる際には、この断熱性や気密性を考慮した家を検討するといいでしょう。
音でも外から入ってくる音と、上下階や隣の家から聞こえてくる音があります。一戸建ての場合は、前者が気になりますし、マンションの場合は、後者が気になるでしょう。そのため、この音環境は甲乙つけがたい部分になります。
では、まずマンションの音を気にされる方にアドバイスです。マンションなどで特に気を付けないといけないのが、上下階の音の問題です。東京では、この騒音によって健康に害を及ぼしたとして、下の階の人が上の階に住む方を相手に裁判をおこした例があります。
結果は、上の階の方が賠償金を支払う判決が出ています。
このように、マンションに住まれる場合は、この騒音を気にする必要があるのです。現在新築で建てられるマンションは、この上下階の騒音を出来る限り抑えるために、建物側でも様々な工夫がなされています。
では、マンションを選ぶときに比較すべき基準などはあるのでしょうか?
この上下階の音を気にされる方は、
L値
を比較することをお勧めします。このL値とは、上で音を出した時にどれくらいの音が下に伝わるのかを表わした数値で、L値が小さい程音を伝えにくい工夫がなされているということになります。
たとえば、L-60だと、お互い許容できる範囲ですが、L-40だと、気兼ねなく生活できる範囲といった具合です。このL値にも、LLといった軽いものを落とした時に伝わる軽量音やLHといった人が歩いた時に伝わる重量音の2つがあります。この2つの音を防ぐ手立てをどのようにしているのか、また、使っているフローリングの性能はどうなのかを比較しましょう。
戸建の場合は、外の音をいかに遮音しているかをチェックすると良いでしょう。遮音には、窓の性能、壁の性能、気密性能や換気の種類が関わってきます。
この各性能の詳しい比較方法は、別ページで紹介しますが、比較項目は以下となります。
- ペアガラス以上にになっているか
- サッシは、樹脂サッシや木製サッシか
- 繊維系断熱材を使っているか
- 換気はセントラル式の第1種か
などを確認すると遮音性能を確認することができます。
マンションの場合は、どうしても南北などの2方向のみしか窓が取れない場合が多く、例えば南側のリビングは明るいけれど、住戸に挟まれている寝室や洋室は暗いといった環境になりやすくなっています。
高層階では、日射を遮るような建物がないため、LDは明るくできるのですが他の部屋は電気を付けて生活しなければならないといったことが起こりやすいです。
モデルルームなどではなかなか確認できない点なので、注意が必要です。
各部屋の窓は確保しやすい一戸建てですが、土地の条件によっては、常に日陰になっていて、部屋の光が確保できないといった可能性が考えられます。これは一戸建ての場合は高さがそれほど高くなく、隣地建物の影響を受けやすいためです。
マンションの場合は、住戸で2方向にしか窓が付いていない間取りが多いため、風が通りにくいといったことが挙げられます。
また、防犯やプライバシーの関係から、共有の廊下側に面した窓は開放しにくいといった
状況もありますので、注意が必要です。
マンションの中でも、こういった問題を解決するために、廊下と部屋の間に吹き抜け空間を設けているところもありますので、もし通風とプライバシー、防犯などを両方得たい方はこういった物件も検討されてみてはいかがでしょうか。
また、高層マンションの場合には、高層部分では地上とは違いとても強い風が吹いています。窓が付いていてもほとんど窓が開けられないといった状況になってしまいますので、注意してください。
東西南北に窓を設けることができるため通風は確保しやすく、間取りを工夫することでより家の中で風を感じることができる空間にすることが可能です。
また、風は、地上に近い窓から入ってきて、家の高い位置に付けられた窓から抜けていく
といった流れができるため、上下階で通風を促すような場所に開閉できる窓を設けることで風の流れを多くすることが可能です。
せっかく一戸建てにするのであれば、窓の種類にもこだわりたいですね。
迷いヒヨコ
一戸建てとマンションの入居までの流れの違い
一戸建ての注文住宅・建売住宅とマンションの家づくり流れの違いを表にしました。注文住宅の場合、入居までにしなければならないことが多くなります。
注文住宅 | マンション・建売住宅 | |
1 | 情報収集 | |
2 | 土地探し | |
3 | 施工業者選び | 物件選び |
4 | 間取り・仕様打合せ | (仕様打合せ) |
5 | 工事請負契約 | 購入申込・売買契約 |
6 | 現場チェック | |
7 | 引渡検査 | 内覧会 |
8 | 引き渡し | |
9 | 引っ越し・入居 |
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