ヌック

ヌック

ヌックとは、キッチンやダイニングなどの脇につくられる小さなコーナースペースのことで、完全に仕切られた空間ではなく、家族の気配を感じながらも個人で過ごせる2~3畳程度のスペースを指します。英語でいう、nook(ヌーク)またはneuk(イギリスのスコットランド地方の言葉)は、人目に付かない所、隠れ場所、部屋の片隅と言った意味があります。

※ここで言うヌックは床暖房の商品名である「ヌック」とは別物としています。

ヌックのプランニング上の意味や作り方

LDKの脇を利用するヌック

ヌックは主に、LDKの隅などに配置されることが多く、個人が過ごすスペースとした小さな空間をさします。

LDKを計画する際には、『家族の居場所』を計画することが非常に重要です。家族全員がソファで同じ時間に同じ映画を見ることも居場所の想定の一つですが、同じことをしていなくても、同じ空間に居場所があることが大切なのです。

その1つの解決策として利用できるのがヌックです。

ヌック
ダイニングのコーナーに位置するヌック

例えばこちらのヌックは、2階ダイニングの階段横に設置されたヌックです。こちらにはソファベッドがあり、例えば家族がダイニングで会話を楽しむ傍らで、こちらのヌックで本を読んだり、昼寝をしたりすることが可能となります。

ヌックには家具としてこのようにソファコーナーやソファベッドなどを設置することが多いです。座ったり寝転んだりして、過ごせるようにすると良いでしょう。

リビング横のヌック

こちらはリビングの横にソファコーナーを置いてヌックとした例です。
必要に応じてリビングにいる家族との直接的なコミュニケーションも可能としています。

階段下スペースを利用するヌック

階段下を利用したヌック【弊社設計

ヌックを作成しやすい場所として階段下があります。
こちらの例では、半分を階段下収納として、残り半分をヌックとして利用しています。

このように階段下は元々スペースが余ることが多いため、ヌックを作成しやすい場所となります。

ヌックの費用やデメリット

家の中にゆとりがある場合は、こういった家族専用のスペースを設けることが可能となります。反面、スペースが必要なためどんな家でもヌックの設置が可能かと言うと、そういう訳にはいきません

また、ヌックは小上がりを作ってスペースとすることが多いため、その分費用が掛かります。

シンプルなヌック

例えばこちらは最もシンプルなヌックと言えますが、通常の部屋に間仕切りと小上がりを追加で施工するため、7~8万円程度の追加工事費が必要になります。もう少し、こもりスペース感を出したい場合は更に垂れ壁(天井から下がってくる壁)を施工して、囲われている感を出すとよりこもった感じとすることが可能となります。

また、ありがちな事例として本来このヌックを両親が落ち着くためのスペースとして計画しても、結局子供のためのスペースになったという事はよくあります。