ドーマーとは、屋根からつきだして付けられる窓のことです。ドーマーウィンドウとも言います。
ドーマーのメリットと事例
ドーマーには、いくつかの特有のメリットがあります。
- 屋根裏部屋や、窓が設けられず暗くなりがちなホールなどに光を採り入れる
- トップライトとは違い普通の窓と同じように地面に対して垂直に取り付けられるので家の見た目を変えるアクセントにもなる
- 高い位置から空気が抜けるので換気の効率が高く、夏場の天井付近の熱気を抜きやすい
などのメリットがあります。
ドーマーの内部から見た構造や外部からの見た目は以下のような例があります。

こちらの写真では、ドーマーから上手く光を採り入れることに成功しています。このため、ロフト部分が明るくなり、有効な使い方となっています。また、リビングの一番高い部分に窓があるため、この部分から熱気を逃がすことも可能となります。

外観にドーマーを採り入れた事例です。ドーマー窓の家は存在感があるため、外観が際立っています。
ドーマーのデメリット
ドーマーには逆にデメリットもあります。
- 屋根形状が複雑になることや窓付近の防水の立ち上りが不十分になりやすいことなどから、雨漏りする可能性が高くなる
- 窓の数や屋根の面積が増えることで、コストが上がる
- 窓掃除が大変
などです。
雨漏りは基本的に凸凹部分が多くなればなるほど、その危険性が高まります。ドーマーを設けることは、この凸凹を増やすことになりますので、施工の難易度は高くなります。
また、費用としては窓が増えると同時にこの部分の造作や防水工事も増える事となります。1か所当たり、5万~10万円程度のコストが掛かりますが、雨漏りのリスクが高まるため、割高に費用が設定されている場合もあります。
高い場所に窓を設ける場合は、常に掃除が大変になります。取り付ける場合、窓ふきをするのか?する場合はどのように行うべきかを事前にしっかり検討しておきましょう。
ドーマーと比較検討される天窓や越屋根
ドーマーを検討される方の中には、同じように屋根部分に窓を設置するトップライト(天窓)と迷われる方もいらっしゃいます。

コスト的に安くなるのは天窓ですが、屋内が異常に暑くなる最大の欠点があります。
また、設計アイデアの一つとして越し屋根の取入れを考えてみるのも良いでしょう。


近年ではあまり見かけなくなった越屋根ですが、日本ではドーマーよりもこの越屋根が従来よく利用されていました。越屋根は熱気を抜いて、屋内の環境を整える目的で利用されてきました。
外観や機能性などを考慮して、じっくり検討しましょう。