ALCパネル

ALC

ALCパネルとは、高温高圧多湿養生を意味するオートクレーブ状態で製造管理された軽量気泡コンクリートパネルの事。ALCパネルのALCは、オートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート(autoclaved lightweight aerated concrete)略称である。

日本国内では数社が販売をしており、旭化成建材株式会社が販売するALCパネルをへーベル板と呼んで、有名である。

ALCパネルはコンクリートであるから、非常に熱に強く燃えない。
また、パネル内部に気泡が多数あるため通常のコンクリートに比べてALCパネルは1/4程度の重さである。

外壁や屋根、床板として使用される。
ALCパネルを断熱材としている説明も見かけるが、性能としては通常の木と同程度の断熱性能しかないため、これには無理がある。

また、気泡の部分に水が溜まって凍るとALCパネルは割れる。
このため、ALCパネルを使用した住宅を寒冷地では建てないようにするべきである。

ALC
ALCパネルの例【出典】旭化成建材
パネルの内部に、網状の鉄筋が入っている。

ALCパネルは普通の住宅で使える?

ALCパネルは火事に強い!

ALCパネルは鉄骨住宅で利用されているイメージが強いですが、普通の木造軸組み住宅でも外壁として利用できます。
上記のように火事に強いと言う特徴があるため、東京や大阪などの都市部でよく利用されています。
ただし、採用する場合の注意点として、通常の外壁よりも重量が重くなります。このため、許容応力度計算と言う詳細な構造計算を実施して、大きな台風や地震においても建物が大丈夫かどうかの計算を追加で実施することが大切です。(3階建て以上の場合は、追加ではなく必須で実施されます)

また、ALCパネルは外壁の他にも床合板の代わりに利用されることもあります。しかしこちらはどちらかというと、鉄骨の建物に向いています。
ALCパネルは強固なので、床に敷くと地震などにより歪む心配が減ります。しかし、先ほどと同じように重量がその分増え、その分地震時に不利になります。コストも上がるため、何のために敷いているのか分からなくなりがちなので、木造の場合は床に敷くことはあまりお勧めではありません。