オーバーハング

オーバーハング

オーバーハングとは、建物の上階が下階からはみ出て、飛び出ている様子のこと。別名「持ち出し」と言われある。

オーバーハングは、下図のように上階部分が下階からはみ出した状態の事を言う。

オーバーハング
オーバーハングの例

一般的には、住宅でオーバーハングの状態にあることは、あまり好ましい事ではない。
これは下部に支えが無く、地震が発生した場合弱点となる可能性があることと、年月が経つと、この部分が曲がって傾く可能性があるからである。
しかし、土地の制約などで少しでも空間を大きくするために用いられることは多々あり、デザイン上の理由から、このような設計にされる場合もある。

いずれにせよ、構造的には不安定であることは確かであり、オーバーハングを用いるのであれば、その分、梁を太くする等しっかりとした構造にしなければならない事は明白である。

木造構造とするのか、鉄骨構造とするのか、または鉄筋コンクリート構造とするのかで、オーバーハング出来る大きさにも違いが出てくる。
あまり大きなオーバーハングとするのであれば、当然支える柱が必要になったり、柱を無しとするのであれば、構造計算をおこなってその安全性を確かめる事が重要である。

また、バルコニーや庇が大きく張り出している事も同じようにオーバーハングと呼ぶ事がある。
この場合は、その重さがそれほど大きくないので、比較的容易にまた頻繁に取り入れられる。この場合においても、飛び出しすぎに注意が必要である。

もし、オーバーハングの計画を提案された場合、その安全性についてどのような検討が行われたのかを確認する必要がある。

特に将来的に傾きが発生する可能性については、検討が行われていないことが多く、後から困らないように事前に確認するべきである。