冷房負荷

冷房負荷

冷房負荷とは、室温を目標温度設定に冷やすために必要なエネルギー量や熱量の事。

冷房負荷は光熱費に直結し、冷房負荷が低ければ低いほど光熱費も安くなり省エネとなる。近年、住宅においてはこの冷房負荷自体を表示する場合も増えていて、住まい手にとっても良い参考指標となっている。

一般的には、冷房負荷とはある屋内空間を目標の室温にするために、必要なエネルギー量や熱量を単位時間当たりで表現する事が多い。

冷房負荷の単位

【単位】
冷房負荷を表す単位として用いられるのは、〔W/h〕(ワット毎時)や〔J/h㎡〕(ジュール毎時平米)などと、

『エネルギー(熱)量を表す単位 ÷ 単位時間(若しくは、単位時間・単位面積)』

で表現される。
つまり、同じ冷房負荷と言う言葉でも、単位によって微妙に表現している事が違う場合があるので、注意が必要である。

【使用例】
住宅でよく使用される例としては、年間冷房負荷として1年にその家で使用される冷房・暖房に必要なエネルギー量を表現したりする。
(例えば、目標の室内温度を27℃などと決めて計算を行う。)

例えば、 21.9[kwh/㎡・年]などと書いてあると、この値にその家の床面積を掛け合わせる事で、その住宅に必要な冷房のエネルギー量が分かり、必要な電気代などが計算できたりする。
(※機器類の効率なども考慮に入れるため、単純な掛け算とはならない。)

もちろん、冷房負荷は少なければ少ないほど必要なエネルギー量が小さくて済むことになり、一般的には省エネに貢献していると判断できる。

『負荷』と書くだけあって、背負う荷物は軽いほうが良いと言う訳だ。

冷房負荷を減らす対策

遮熱による冷房負荷削減

住宅において、冷房負荷を減らす最も有効な手段としては、遮熱することである。遮熱が何故有効なのか、遮熱の方法については以下に詳細が記載されている。

参考 遮熱用語集

家の中の発熱(内部発熱)削減による冷房負荷低減

冷房負荷を減らすためには、家の中で発せられる熱量を減らすことも重要である。家の中では、

  • テレビや冷蔵庫、照明などの家電からの発熱
  • 人からの発熱(大人1人あたり、大体100W)
  • 調理による発熱
  • 風呂による発熱

などが挙げられる。家電からの発熱は、省エネ機器を利用すれば減らすことが可能である。

調理や風呂による発熱は、調理をする際、風呂を沸かす際に換気扇によって排熱することで負荷を減らすことが可能となる。

冷房負荷の正式な計算方法

住宅の場合、年間の冷暖房負荷算出方法が「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)によって定められている。計算には国に認められたプログラムを利用する必要があり、ここでは拡張デグリーデー法と言う計算方法の概要のみを示す。

ここで、1年の内暖房する期間を1日の平均気温が15℃以下となる期間とし、それ以外を冷房期間とする。

年間暖房負荷:暖房する期間の日々の負荷を全て足した値
年間冷房負荷:冷房期間の日々の負荷を全て足した値

1日の冷房・暖房負荷は『家の大きさ』や『家がある場所の日々の平均外気温』、『家の断熱性能』、『家の遮熱性能』、『室温の目標温度』、『太陽からの日射量』、『換気による熱の出入りの量』から計算される。

ここで大切なのは、正式な計算では家の中の発熱量が含まれていないことで、正確な負荷を計算している訳ではないことである。