スキップフロア

スキップフロア

スキップフロアとは、1階と2階、2階と3階などの間に高さを変えたフロアを持たせた構成のことを言います。上のイラストは家の断面を抽象化したイラストになっています。このように完全に階層と切り分けることもスキップフロアですが、下のイラストのようにフロアの一部を別階層とする場合もスキップフロアと呼ばれます。

スキップフロア
フロアの一部を別階層とするスキップフロア

構造上は両者は別の扱いになります。最初のイラストでは、スキップフロア部分は層として扱われず、構造上はその要素の検討は行いません。しかし、2番目のイラストの場合、ダイニング側とリビング側の高低差が大きい場合は別階層として扱われ、別々の構造の検討が必要となり、コスト的にもかなり高額となります。このように同じスキップフロアでも費用面に違いが出てきます。

以下のイラストのように、ハシゴを利用して別空間を作る場合は通常ロフトといって、スキップフロアとは区別します。

ロフトの例
ハシゴを利用する場合はロフトと言う

スキップフロアがおしゃれな理由

スキップフロアのメリットは、空間に変化を付けることができるため、空間に面白みを持たせることができるという点です。

リビングよりも高い位置にダイニングキッチンを設けると、間仕切り壁など無くても来客の目線を気にせずに炊事などでき一体空間とできますので、その分広く見せることができます。

スキップフロア
リビングの向こう側のダイニングが高いスキップフロア(弊社設計

狭小地などでは、家の面積に対して空間を上手く生かして広く使いたい要望も強く、そういった敷地条件のご家族には向いた構成とできます。

また、足腰を弱らせないために日頃から階段の上り下りをするのは健康にとって良いようです。
1階から2階へと上がるには12段から14段の階段を上がらなければなりませんが、スキップフロアとすると一つの階段がその半分程度になりますので、ちょうどいい運動となるでしょう。

スキップフロアを階段の途中で利用した例

スキップフロアの最も簡単な利用方法として、階段の途中を利用する方法があります。場所さえ確保することが出来れば、それほど大きな費用が掛からないのがメリットです。

スキップフロア
階段の途中を利用したスキップフロアの事例

この写真のように階段の途中に書斎コーナーを設けるだけで、空間にかなりの変化をもたらせます。また、階段自体は吹抜けと出来ることも多く、高さ方向の工夫がそれほど必要がないため、割と簡単にプランニング出来てしまいます。

このようの空間に変化が生まれ、小さな個室空間が出来ることがスキップフロアを階段の途中で作るメリットです。このような場所は子供の遊び場としても有効で、完全に区切って子供たちが何をしているのか分からないと言った状況も生まれにくく、またおもちゃ等を散らかしてもその場所のみで済む安心感も生まれます。

スキップフロアのデメリット

スキップフロアもいいことばかりではありません。

たとえばリビングとダイニングキッチンの間でスキップフロアとした場合来客時のお茶出しでも階段を上り下りしなければなりません。

また、車いすの生活になった場合には、中層階でエレベーターを設けることは困難になってしまいます。

階段に取られるスペースはあまり変わらないものの、通路として使うスペースは増える傾向にありますので、実用的な広さは確保しにくいのがデメリットです。

また、高気密高断熱でない建物でスキップフロアとした場合、空間に繋がりが出るために建具などで仕切ることが難しくなります。このため、暖房が効きにくくなり冬に寒い思いをしたやめたほうがいいなどと、後悔するケースもあります。典型的な失敗例と言えるでしょう。スキップフロアにする場合は、建物が高気密高断熱住宅であることが必須となります。

長期的な目を持って計画するようにしましょう。