地盤調査

地盤調査

地盤調査とは建物を支えるだけの硬さがその土地に備わっているかどうかを調べるための調査

地盤調査が必要な理由

地盤調査が必要な理由は、建物を建てる際に地盤が柔らかいと建物の沈下が生じて、建物自体の沈み(圧密沈下)や傾き(不同沈下)が発生する恐れがあるからである。

圧密沈下
土地が柔らかいと建物の『圧密沈下』が生じる
不同沈下
同じ敷地で柔らかい部分と硬い部分がある場合、柔らかい側に『不同沈下』が生じ傾く

これは特に埋立地や盛土や切土によって出来た造成地に生じやすく、普通の土地であっても柔らかい部分と硬い部分が混在している場合もある。

また、土地の硬・軟は昔の地形からもある程度判断できる。扇状地や後背湿地などの河川に近かった場所は、地盤が柔らかい場合が多く山岳地や丘陵地で、造成が行われていない場所などは固い地盤が多い

直近の土地が固いことが分かっていても、調べてみると硬さが違う場合もあり、地盤調査は必ず行うべきである。

現在では、住宅を建てる前に地盤調査をする事が一般的。これは1999年に制定された品格法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)と言う法律により10年以内に建物の傾きが生じないように施工会社が保証することを義務づけたためである。

地盤調査に掛かる費用

地盤調査の方法はいくつかあるが、戸建て住宅の場合は【スゥエーデン・サウンディング試験(SS試験)】が一般的である。この次によく用いられる方法は【表面波探査法】である。
どちらも一長一短があり、精度の違いはさほどない。

これらの地盤調査に掛かる費用は

3~8万円程度

であることが一般的である。ハウスメーカーなどでは、地盤調査を無料で行っているところもある。

また、より正確な調査方法として、実際に土地に棒状の筒を埋め込んで、土自体を採取する【ボーリング試験】を行う事も可能だが、この場合は費用が高い。調査する深さによって費用が変わるが、20~50万円程度かかり、戸建て住宅ではあまり利用されない。

【動画】地盤調査のやり方(スウェーデン・サウンディング試験)

地盤の表面が固い場合の地盤調査の例が以下の動画である。

一般的な地盤調査の方法は、以下の手順となる。

調査のポイントを決定する。通常は建物予定地の4隅と真ん中の5ポイント
最初のポイントに調査機を置く。まずは、重りだけ(25kN,50kN,100N)でどれだけスクリューポイントが沈むかを試す。
スクリューポイント
次に、スクリューポイントに回転を加えて、25cm毎に何回転(実際には半回転数)で下がったかをカウントする。50回転しても25cm下がらなくなった深さで調査終了。次のポイントに移る。

石が当たって、スクリューポイントが下がらない場合もあるため、ハンマーで叩いてみても下がることが無いかを確認する。

地盤調査報告書の解説

地盤調査報告書
地盤調査報告書の試験データ

これは地盤調査報告書の中にある、試験データである。このなかで重要なのは「1m当たり半回転数Nsw」と「荷重Wsw」である。これを元に支持力を算出する。右側の指示健闘範囲において、NswとWswの平均値を求め、必要な強度が確保できていれば地盤を補強する必要がない

もし、必要な強度が確保できない場合は、どの深さの地盤なら支えられるかを探し、その深さまで地盤改良を行う。

地盤改良の種類と費用

地盤改良の方法とおおよその費用は以下の3種類が主である。

  • 表層改良:比較的浅い位置に支持地盤があり、表面部分のみを土とセメントを混ぜて強固にする方法。費用は約20~30万円
  • 柱状改良:比較的深い位置に支持地盤があり、支持地盤までの間も固めの地盤である場合、セメントによって作られる杭を作成し、これによって家を支える。深さによって費用はまちまちだが、100万程度は必要
  • 鋼管杭による支持:深い位置に支持地盤があり、支持地盤まで緩い地層しかない場合。鋼管の杭を打ち込み、これにより建物を支える。杭の長さによって費用が変わるが、100万円以上の場合が多い
地盤改良
地盤改良の種類