テクノストラクチャーは、パナソニック電工(旧松下電工)が販売する工法で
テクノビームと呼ばれる鉄と木を組み合わせた梁を使い、
間取りの自由度を上げる工法になっています。
また、すべての家で構造計算を行い、地震や台風、積雪などに耐える造りに
なっています。
では、そんなテクノストラクチャーを詳しく見ていきましょう。
◆ テクノストラクチャーの目安坪単価は?
◆ テクノストラクチャーの評判
◆ テクノストラクチャーのデメリット
◆ テクノ ストラクチャーの特徴
テクノストラクチャーは、以下の大きな特徴があります。
- 木造と鉄骨造を上手く組み合わせた耐震性と間取りの自由度
- パナソニック電工の商品を安く提供
- 施工のチェック体制
- 外張断熱工法「くるみ―な」
◇ 木造と鉄骨造を上手く組み合わせた耐震性と間取りの自由度
まず、テクノストラクチャーが他の工法と大きく異なる部分として、
テクノビームがあります。
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ビームとは、英語で梁を意味するのですが、
このテクノビームは、鉄骨材を木材でサンドイッチしており、
ムク材よりもたわみにくく柱の数を減らすことができます。
また、その柱も、ムク材と比較して、1.5倍の強度を持つ集成材を使っているため、
広い空間を実現することが可能となっています。
SE構法でも紹介しましたが、ムクの梁を使った場合は2間(3.6m)~2.5間(4.55m)ごとに
柱を立てないといけないため、間取りの自由度が限られます。
小さな部屋では問題ないのですが、大きな空間を作りたいといった要望には
制限が出てきます。
その間隔を延ばすことができると言うことは、間取りに自由度が増すということなのです。
◇ パナソニック電工の商品を安く提供
テクノストラクチャーはパナソニック電工が部材の製造・販売を行っています。
そのため、一般的な商流である
製造元 → 商社 → 卸問屋 → 工務店
(日本は複数の商社や問屋が間に入るため、価格が非常に上がります)
ではないため、パナソニック製品を工務店が安く購入することができます。
工務店も安く仕入れた部材を比較的安く建てる方に提供できる仕組みができています。
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(豆知識)
住宅の価格を抑えるためには、この間に入る商社・問屋との価格協議は避けて通れません。
商社・問屋も
会社の健全度は?購入する数は?結びつきの強さは?将来性は?支払いは現金か?
などによってハウスメーカーや工務店への卸価格を変えています。
そのため、同じものを違う会社で見積もりすると商品の価格も変わってくるのです。
ただ、テクノストラクチャーのように自社商品をフランチャイズで販売する場合は、
この商流を販売側が決めて卸価格を安くすることで、加盟する工務店のメリットを
高めているのです。
これは裏側のお話ですが・・・
◇ 施工のチェック体制
どんなにいいものであっても、現場で正確に確実に施工されなければ、
本来持っている性能を発揮することができません。
それは、テクノストラクチャーでも同じことです。
そこで、テクノストラクチャーでは、2重のチェック体制をとっているとのことです。
建築する現場には、施工する工務店が行うチェックに加え、
複数の専門家による現場チェックが義務付けられているようです。
また、施工ミスが起きると重大な瑕疵に繋がるような各部材の接合部などには
施工方法を示したシールを貼り、チェックしやすいようになっています。
もし、テクノストラクチャーを選ばれるのであれば、このシールの意味を知って
ご自身でも確認するとよいでしょう。
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特殊な建て方なため、分からないことがあれば、施工店や施工している現場の
大工さんなどに聞きましょう。
◇ 外張り断熱工法「くるみ~な」
これはオプションのようですが、高気密高断熱住宅「くるみ~な」も選択できます。
壁は外張断熱仕様、床と天井で断熱する方法をとっています。
断熱性能を示すQ値は2.38W/m2・K
隙間の大きさを表すC値は、1cm2/m2以下
となっています。
Q値は次世代省エネ基準の2.7より少し良い程度で、大手ハウスメーカーと
それほど変わらない性能ですが、
C値は1以下を目標としているようで、目標が達成できているのであれば優秀でしょう。
ハウスメーカーの断熱性能、気密性能を知りたい方は、こちらをご覧ください。
◆ テクノストラクチャーの目安坪単価は?
テクノストラクチャーは建売などでも販売されており、坪単価も様々です。
当方で調べたところによると、
40万円代~70万円
が多いようですが、「くるみ―な」などのオプションや、パナソニック電工以外の商品を
選択すると高くなってしまう傾向があるようです。
構造計算やテクノビームなど、価格が上がってもそれをメリットと感じられる方は
当然ですがテクノストラクチャーを選択するようですが、
工務店に勧められるがまま選ぶと、高いと感じるかもしれません。
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テクノストラクチャーを選択しても、建てる方は工務店と直接契約します。
不明瞭な見積もりとなっていないか、契約内容は大丈夫かしっかりと確認してください。
仕入れた金額をいくらで建てる方に提示するのかは決まっていないようです。
テクノストラクチャーを扱う施工店で相見積もりをとると金額が違うかもしれませんので、
施工店の健全度なども分かるかもしれません。
テクノストラクチャーと大手ハウスメーカーの平均坪単価を比較して見ましょう。
ハウスメーカーの坪単価比較 大手ハウスメーカーと各都道府県ごとの平均坪単価を比較してみましょう
◆ テクノ ストラクチャーの評判
テクノストラクチャーは梁に鉄骨の材料を使っています。
そのため、その鉄が家の中に寒さや暑さを伝えるのではないかという不安を持っている方が
多いようです。
オプションで用意されている外張断熱「くるみ―な」であれば、
その梁を外から隠すように断熱材を貼りますので問題ありません。
ただ、標準ではロックウール断熱材を外張りしているようです。
厚みが十分に確保されているかどうか、家の中の水蒸気がしっかりと防げるような
施工ができているか確認が必要です。
通常室内側の湿気を防ぐためには、吸湿性の低い断熱材を施工するか、
湿気を通さないシートを施工します。
比較的暖かい地域であっても、吸湿性の高い、繊維系断熱材を使う場合は、
シートを柱や梁に隙間なく留め付ける施工しないといけません。
もし、その施工に不備があると、内部結露がおこり壁の中で構造材が腐り
家の耐久性が著しく低下します。
断熱材を詳しく知りたい方はこちらを確認してください。
住まいの断熱材の比較
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また、テクノストラクチャーもSE構法と同様で、工務店の評判とセットになっています。
施工する工務店によって評価が分かれますので、
その点に注意する必要があるでしょう。
ただ、テクノストラクチャーの特徴に共感される方の意見として、
以下の点が挙げられるようです。
「テクノストラクチャーは、パナソニック電工やパナソニック電工テクノストラクチャーで
構造計算を行っているため、構造上問題があるような間取りにすることができません」
工務店の家の耐震性に不安がある方にとっては評判が高いようです。
また、テクノストラクチャーの部材を使いますので、
構造に大きな影響を与える継ぎ手部分が、工務店の「施工の良し悪し」に左右されにくくなり
安心だと言う方もいます。
工務店の施工に不安を抱える方が、リスクを小さくできると言ったメリットを挙げています。
その他にも、テクノストラクチャーの間取りの自由度に対する評判がきかれます。
大きな空間を実現したい方、1階にビルトインガレージを設けたい方、
3階建てで1階に開放的な間取りを希望される方
などには評判です。
◆ テクノストラクチャーの欠点
テクノストラクチャーの欠点は、価格とリフォームの面でしょう。
◇ 価格が高くなる
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テクノストラクチャーの場合、構造材にかかる費用が一般的な木造と比較すると高くなります。
そのため、テクノストラクチャーのメリットを活かした間取りでないと、
割高感を感じてしまうでしょう。
特徴で挙げたメリットを活かした提案をしてくれる認定工務店を見つけ、
同じ間取りで在来工法などでも実現できないのか、
実現できたとしてどれくらいの費用が変わるのかを確認し、納得した形で工法を選択しても
よいでしょう。
◇ リフォームが自由に行えない
家の大きな改修をしたい場合、施工した工務店に頼むことが一般的です。
ただ、その工務店が潰れていたら、良い関係が続いていなかったら、
他の工務店やリフォームの施工会社に依頼するしかないでしょう。
ただ、テクノストラクチャーの場合は、テクノビームなど特殊な工法であり、
構造計算によって柱の位置や梁の掛け方を決めています。
つまり在来工法のように誰でも必要な壁の量が計算ができて、柱の位置が決められる訳ではなく
柱をずらすような大型リフォームの場合は、再度テクノストラクチャーで計算してもらわないと
いけません。
つまり、施工した工務店とは切っても切れない関係が続くということになります。
また、構造計算も無償でやってもらえる訳ではありません。
構造計算にかかる費用は負担しないといけませんので、その分だけリフォーム費用が
高くなることは知っておいた方がいいでしょう。
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