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S×L エスバイエル(S×L)は、昭和26年に三成建築工業株式会社として大阪で発足した会社です。 昭和53年には、東証、大証で1部上場を果たし、平成2年にエスバイエルに社名変更しています。 エスバイエルは、木造住宅の提案を一貫して行ってきていますが、インターネットで打合せを進め、家を建てる取り組みなど新しい営業・販売スタイルに積極的に取り組んでいるように感じます。 また、近年では、長寿命住宅に特に力を入れているようです。 性能など詳しい評判は以下の項目でご確認下さい。 |
目 次 |
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エスバイエル(S×L)の特徴は?
◆ エスバイエルの特長 その1 : Loop
2009年にエスバイエルから発売されたLoopですが、
家の高耐久化を目指した商品として
「壁体内換気システム」
「ソフトによる壁内結露の見える化」、
「吸湿材や耐湿パネルの採用」、
「壁の中が見える窓(Lope)の設置」
などがなされた住宅です。
確かに木造住宅は、壁体内の結露が以前から問題となっていました。
20年程前までに建てられた住宅は、
壁内の結露により、カビが生えたり、柱、土台が腐ったりして
シロアリの被害を受けやすくなっています。
そこで、今建てられる木造住宅では、
外壁材と躯体(柱や梁、土台)との間に通気がとれる隙間を設け、
壁の中の湿気が抜けるように工夫されている住宅がほとんどです。
また、外に面する壁の内側には、室内の湿気が入らないよう
防湿シートなどが施工されています。
このことにより、温暖地では壁の中の結露は防ぐことができますが、
エスバイエルのLoopでは、上に書いたような対策を施しています。
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デメリットとして考えられるのは、
- 壁体内を積極的に換気する+断熱材がそれほど厚くできないことによって、
外壁に面する壁が冷たく感じられる可能性がある - 夏場の高湿度の外気を吸排湿材でどの程度調整できるのか不明確で
費用に対しての効果は、・・・
などがあります。
ただ、入居された方へのサポートシステムで、本来なら見えなくなる部分の点検がしっかりできることの
メリットは大きいと思います。
◆ エスバイエルの特長 その2 : 構造について
エスバイエルでは、「パネル工法」と「軸組み工法とパネル工法のハイブリッド工法」の
2つがあります。
◇ パネル工法
エスバイエルのパネル工法は、一般的な釘で枠材と面材を接合する方法ではなく、
接着剤で接合する方法を採用しています。
100年程度の耐久性をもった接着剤を使用しているようで、
初期強度も釘よりも高いというのが特徴のようです。
この接着剤を使う工法は、ミサワホームに通じるところがあります。
工場でパネルの製造ができる大手ならではの方法ですね。
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◇ HYT構法
エスバイエルの一部商品(アステア)には、
HYT構法(HYPER TECHNICAL WOOD構法)という新工法が採用されています。
柱と柱の間に斜めに入れる筋かいではなく、建物の外周部に合板を張る工法は増えてきましたが、
このHYT構法は、合板を柱や梁に直接留め付けるのではなく、ツーバイフォーのように、
枠を組んだ構造材を柱と梁の内側にはめ込んでいくといったところが他社と異なるところです。
また、現場では、このパネルを金物とボルトで固定するようになっているようで、
チェックが容易なところが評価が高いです。

エスバイエル(S×L)の評判
◆ エスバイエルの評判 その1 : 営業マンの対応
創業から年数が経過していることもあって、営業マンの対応や営業スタイルは
成長中のハウスメーカーよりも評判は良いようです。
また、長年営業を続けている方が多いようで、
提案力も評価が高いように感じます。
家自体に他社を圧倒するほどの商品力はないように感じますが、
標準仕様にとらわれすぎない家づくりによって、
提案力が鍛えられているのでしょうか。
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◆ エスバイエルの評判 その2 : デザイン力
エスバイエルは、企画住宅はそれほどではないのですが、
自由設計では、デザイン力の評判が高いようです。
会社としても、設計者の教育に力を入れているのでしょうか。
家を長期間残していくためには、愛されるデザインと言うのも
重要な要素になってきます。
自由設計で、デザインに力を入れようと思うと、
材料にかかる費用が上がる場合が多いです。
費用をかける部分はどこなのか、しっかりと優先順位を付けましょう。
エスバイエル(S×L)の商品と坪単価は?
◆ エスバイエルの商品バリエーション
◇ 自由設計
- MINCA
- SIMPLE & MODERN
- 小堀のすまい
- アステア
- New Authent
- GP1
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◇ 企画型
- 光風
- MOO(ムー)
- Vit.「自分流」
- VitPremium
- wingmodern
- ハイパーエコロジー住宅
- 「家族の休日」
- 多世帯住宅
◇ インターネット販売
- ネットdeすまい
◇ 3階建
- 3階建てシリーズ
商品のバリエーションは幅広くなっています。
また、現在、インターネットでの販売に力を入れているようですが、
物を買うように家を買うことが出来るのかどうか不安な面もあります。
◆ エスバイエルの坪単価
◇ 自由設計
55 ~ 80万円 / 坪当たり
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◇ 企画型
45 ~ 70万円 / 坪当たり
◇ インターネット販売
28 万円 ~
◇ 3階建て
60 ~ 75万円 / 坪単価
ローコストと大手ハウスメーカーの価格帯の間を狙っているのが
エスバイエルです。

エスバイエル(S×L)の快適性能は?
エスバイエルの家はどれくらい快適かを、『断熱・気密性能』、『遮音性能』、『空気の清浄度』で
評価します。
総合点
2.0 (5点満点)
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快適性能を見ると、平均よりも少し劣る結果になっています。
それでは、各性能を見てみましょう。
◆ エスバイエルの断熱性能、気密性能
【評価結果】
★★☆☆☆ (2 : 平均以下)
【解説】
家の暖かさや涼しさは、家の断熱性能や気密性能、
自然の光や風をどのように取り込むかの設計手法などから
判断できます。
エスバイエルの断熱性能、気密性能を見ていきましょう。
エスバイエルは、
標準仕様では、次世代省エネ基準を上回ってはいるものの
中途半端な印象は否めません。
◇ エスバイエルの断熱仕様
部位 | 仕様 | 厚み |
床 |
ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS) U値=0.034 |
63mm |
壁 | ロックウール U値=0.038 |
- mm |
天井 | ロックウール U値=0.038 |
- mm |
窓 |
アルミ樹脂複合サッシ+遮熱Low-Eペアガラス(3+12+3) |
- |
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Q値は、2.68W/m2・K
C値は、3.7cm/m2。
エスバイエルのQ値やC値を見る限りでは、
平成11年に制定された次世代省エネ基準レベルといったところです。
壁体内通気を充填断熱で実現していますが、
SA-SHEのような外張断熱にすると、より壁体内結露が抑えられるように感じます。
コストとのバランスなのでしょうが、より検討の必要性を感じます。
また、自然の風や光を家に取り込むような提案は
設備に頼りすぎない生活に繋がります。
省エネも大切ですが、エアコンなどをなるべく使わない少エネ提案も
日本人の住まい方としては必須でしょう。
他のハウスメーカーの断熱性能は
で確認してください。
◆ エスバイエルの遮音性能
【評価結果】
★★☆☆☆ (2 : 平均以下の性能)
【解説】
遮音性能は、家の中に外の音を入れない性能を指します。
たとえば、家の前が交通量の多い道路だった場合、
「その車が通る音が室内に入ってくると熟睡できない」、
「テレビの音量を上げないといけない」
「家族とゆっくり会話ができない」
などの問題が出てしまいます。
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そのため、家の快適性には、家の中の静かさも重要になってきます。
遮音性能は、換気口などの単純開口の有無や気密性能、窓の性能、壁の性能などで
ある程度推測することができます。
◇ 単純開口の有無
まず、換気ですが、エスバイエルは第3種換気システムを採用しています。
ダクト式ではなく、各部屋に給気ファンが取り付けられる方式のため、
そこからの音の侵入が考えられます。
隙間相当面積のC値は3.7ですが、外からの騒音を考慮した場合、
ほどほどの性能ではないでしょうか。
◇ 窓の性能
アルミ樹脂複合サッシが入っています。
アルミ樹脂複合サッシは、樹脂サッシや木製サッシと比較すると開閉する窓部分(障子部分)と
窓枠部分の隙間がどうしても生じてしまいます。
ただ、ペアガラスが採用されていますので、ある程度音を低減することができます。
◇ 壁の性能
壁の仕様ですが、ロックウールが採用されています。
ロックウールは、断熱材の中で最も遮音性の高い
断熱材のひとつです。
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厚さは現在調査中ですので、はっきりしたことは言えませんが、
壁の遮音は比較的良いのではないでしょうか。
◆ エスバイエルの空気の清浄度
【評価結果】
★★☆☆☆ (2 : 平均以下)
【解説】
空気の清浄度は、建材からでる化学物質対策への姿勢と
換気システムのフィルター性能、気密性に関係してきます。
エスバイエルの家の空気の清浄度は、
ハウスメーカーの中では平均以下ではないでしょうか。
◇ 化学物質への取り組み
シックハウス症候群などの発症事例がマスコミなどで大々的に取り上げられることは無くなりましたが、いまだに新築住宅に入ってシックハウス症候群の症状を発症される方がいます。
企業としては、法律を順守して建てることが最低限の対策ですが、大手ハウスメーカーの中では、自社で化学物質の濃度測定を行うなどの取り組みをしているところもあります。
エスバイエルは、法律遵守はしているものの、それ以上の対策は特に見られません。
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◇ 換気システムの性能
エスバイエルの換気システムは第3種換気システムです。
気密性能があまり高くないエスバイエルの家ですと、
換気計画通りに空気を流すことは難しいのではないでしょうか。
以前、C値2.0の家で各部屋に取り付けられる空気の量をはかったことがありますが、
換気扇で排気される空気の4割程度でした。
つまり、新鮮な空気を入れたい居室には新鮮な空気はあまり入ってこずに
排気用の換気扇が付いている周辺ほど換気されることになります。
また、 各部屋に取り付けられる給気口には、性能の高いフィルターを取り付けることが
できません。
花粉などの侵入を抑えることは難しいでしょう。
◇ 気密性能
断熱性能や遮音性能でも紹介しましたが、気密性能が低いことによって、
ホコリや花粉などの侵入量が増えます。
家の中が負圧になる換気システムのため、コンセントボックスなどからの
空気の流入が懸念されますので、気になる方は、気密コンセントなどを
選択してみてはいかがでしょうか。

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エスバイエル(S×L)の経営危険度は?
エスバイエルに限らずですが、将来的に保証を受けていくためには、
その会社が存続していて初めて実現するものです。
出来れば、完成保証などに入らずとも安心できるところに頼みたいといった希望も
あると思います。
各社の経営危険度を紹介したページでご確認下さい。

エスバイエル(S×L)の最近の話題
エスバイエル(S×L)では、今後営業マンの教育をすすめていくと社長が言っています。
現在の紹介受注が低いようで、2割程度となっているようです。
積水ハウスなどは紹介受注が多いと評判ですが、
同様にすでに建てて頂いた方への訪問を積極的に行っていくようです。
ハウスメーカーの営業は、ノルマとの戦いのような側面があり、
すでに建てた方へのアプローチはそれほど積極的に行われていないという評判を
よく耳にします。
「家を建ててからが本当のお付き合いが始まる」
という優良な工務店とは異なる姿勢が
やはり建てた後のクレームにつながることが多いのです。
そういった面をエスバイエル(S×L)では
今後会社の方針として打ち上げて取り組んでいく姿勢は
評価できる点ではないでしょうか。
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それが建てた方の安心につながり、
クレームも減るということでお互いいい関係が築けるでしょう。

最終更新日 : 2011年8月2日