注文住宅を建築するにあたって、心得ておいた方が良い事がいくつかあります。
そのうちの一つが
「住宅建築に100%は無い!!」
と、言う事です。
これは、そもそも建築と言う行為が「多くの人が係わって作られる」ものであるからです。
そして、家電製品や車などのようにそのほとんど全てを「機械」が作るわけでなく、人間が手で作る部分が多くを占めるからです。
どんなに大手のハウスメーカーがほとんどを工場で組み立てて、建築現場の作業を減らそうとも、人間の手を加えずに作り出すという事は無く、必ず人の作業が入ります。それは、実際の施工だけに限らず、多くの人の手によってその家を建てるための情報のやり取りや、連絡が取られ、単純な連絡ミスによって全然違う物が出来てしまう可能性も含まれているためです。
人間が作業を行う事があると言う事は、必ずそこには「失敗する可能性がある」と言うことです。
このことをまず肝に銘じておくことが必要です。
当然、建てる側は極力「失敗」をしないように建てる事が必要とされますが、全くなんのトラブルも無く住宅建築が成功したという事は聞いたとこがありません。
かく言う私が施工側として100%完璧な住宅建築をしろと言われても当然完璧を目指しますが実際には確約は出来ないでしょう。その反対に注文者側であったとしても、完璧な建物を作らせることは、望まないでしょう。
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そして、私がこう心掛けておいた方が良いというのは、前もってそのように思っているほうが気持ちが楽にいられるからです。
ほとんどの方が住宅を実際に建てることは始めてのことでしょうから、良いのか悪いのか判別がつかず、不安になることが多いと思います。そして、完璧を求めると施工者側がそれに答えられないことにだんだん苛立ちを覚えるようになります。これが幾度か繰り返されると、(本来繰り返されることはまずいんですが・・・)、たまりにたまったストレスが爆発して、とても嫌な思いをすることになります。
住宅だけでなく、建築に関するトラブルは、この認識の違いによる物がビックリするほど多いです。また、このような感情的なもつれは「解決」する事は難しく、いつまでも緒を引きずることになります。
(明らかに欠陥や手抜きの場合は別です)
特に、工場などで物作りに携っていらっしゃる方は、完璧を求める傾向にあると感じます。それは、普段のお仕事などで精密な「精度」を求められているからだと思います。そして、その精度は「機械」を利用することで達成されている事がほとんどだと思います。
しかし、人が手を加える部分に関して同じような精度を望む事は難しく、腕の違いも表れます。
このことを知った上で、住宅建築に望むと心理状態としてはかなり「余裕」のある状態で望める事でしょう。
しかし、高いお金を払うわけですから妥協をする必要もありません。注文者としての権利もありますので、主張すべきところははっきり主張すべきです。
そして、良いか悪いかの判別がつかない時は我々のような間に入って物が言える立場の人間に相談すると良いでしょう。
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