住宅の壁の具体的な断熱方法

近年、化石燃料の枯渇の問題や、地球温暖化の問題から住宅の省エネ化(断熱化)が
重視されるようになってきました。
また、人の生活も豊かになったことや、性能の高い冷暖房機器の普及も進み、
せっかく建てるなら快適な住まいを求める方も多いのではないでしょうか。


昔の家は、土を壁に塗ることによって、雨風や外の寒さを防いでいました。
ただ、土壁は一般的に使われるグラスウール断熱材の20倍も熱を通しやすいことを
ご存知でしょうか。

それを柱の間に塗りこんでいくので、厚みもそれほどとれません。
また、土壁は冬乾燥すると隙間ができ、隙間風が入ってきてさらに寒さを感じるのです。

そう考えると、昔の家の過酷さがわかって頂けると思います。
ただ、戦後建てられた住宅の中には、断熱材などが全く入っていない住宅もありますので、
そのような住宅に比べると少しはマシだったのかもしれませんが。。。


家を快適にするために、断熱材をいれたり、断熱性能の高い窓を入れたりとと色々な方法が
ありますが、ここでは、壁の断熱の方法を具体的に紹介します。

最近は、理解が進み、「内断熱VS外断熱」 といった話題はあまり聞かれなくなってきましたが、
おさらいの意味も兼ねて、詳しく書いていこうと思います。

断熱材の比較のページで、各々の断熱材のメリット、デメリットや施工する際の注意点を
紹介していますので、併せてご確認ください。

断熱材の比較

壁の断熱の主な方法として、壁の中に断熱材を施工する充填断熱という方法と
構造材(柱や梁など)の外側に断熱材を施工する外張断熱という2つの方法があります。

また、充填断熱と外張断熱を両方とも行う内外断熱(ハイブリッド断熱などとも呼ばれますが・・・)や、
RC造で建てられたマンションなどで採用される内断熱もあります。

まずは、それぞれの特徴を知っておきましょう。


外張断熱





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外張断熱って?

外張断熱は、構造躯体(柱や土台、梁などのこと)の屋外側に断熱材を張り付けたものをいいます。
よく、「外断熱」と言われますが、正式には、外張断熱が正解です。
鉄骨や鉄筋コンクリート造で採用されることが多い方法ですが、木造など工法に関わらず採用されるようになりました。

メリット

構造躯体の外に断熱材がきますので、構造材が人間が生活する快適な空間と同条件となり、長持ちすると言われています。
また、構造材で使われる木であっても、断熱材と比較すると熱を2.5倍通しやすくなっています。(鉄になると断熱材の1000倍、アルミだと4000倍です)木造の場合は、その構造材の面積がすべての壁の面積のうち約2割を占めますので、仕様書上同じ厚みの断熱材を使っていると、外張断熱の方が断熱性が高いといえます。
また、壁を外から覆ってしまうので、施工上の隙間も小さくすることができ、気密性を確保しやすいです。

デメリット

構造躯体の外に断熱材を施工しますので、壁の厚みが増してしまいます。また、壁を留め付けるビスの長さが決まっていますので、断熱材を厚くできないといったことが挙げられます。ちなみに、30mm程度が一般的です。

一般的に使われる断熱材の種類

ボード系断熱材が一般的に使われます。
(繊維系断熱材、発泡プラスティック系断熱材など)

充填断熱
 



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充填断熱って?

充填断熱は、構造躯体(柱や土台、梁などのこと)の間に断熱材を充填していく方法をいいます。
よく、「内断熱」と間違えられていますが、充填断熱と内断熱は違うものです。
鉄骨造では、鉄の断熱ができないため、木造や2×4(ツーバイフォー)で主に採用されています。

メリット

構造躯体の間の使われていない空間に断熱材を入れるため、見た目が変わりません。
また、100mm程度の断熱材を入れるスペースを確保できますので、いろんな断熱材を採用できます。つまり、性能を確保しながらコストを抑えることが可能となります。

デメリット

構造材の部分の断熱ができないため、熱の通り道(熱橋)となってしまい、鉄骨などでは検討が必要です。また、地震などの力に抵抗するための筋交いや、コンセントボックスなど、壁の中に納まっている建材や設備に干渉されるため、施工ミスが生じやすく、設計通りの厚みを確保できないなどの弊害が出る場合があります。

一般的に使われる断熱材の種類

繊維系断熱材が一般的に使われます。最近では、吹付けウレタン断熱材やセルロースファイバーなどの施工も増えてきました。2×4や筋交いを用いない木造住宅では、性能の高い発泡プラスティック系断熱材を用いる場合もあります。

内外断熱(ハイブリッド)

内外断熱(ハイブリッド断熱)って?

内外断熱は、外張断熱と充填断熱を両方とも行った断熱の方法です。
断熱性を極限まで上げるために採用する場合と、鉄骨造で鉄部分の熱橋対策で採用する場合の2つがあります。
内外断熱だから断熱性が高いといったうたい文句を聞きますが、鉄骨系ハウスメーカーは仕方なくこの方法を採用せざるを得ないということにご注意ください。

メリット

断熱材を厚くし、断熱性を上げることができます。
外張断熱の断熱材の厚みを確保できない点や充填断熱の熱橋ができる点などそれぞれのデメリットを改善することができます。
当然、外張断熱、充填断熱のメリットを有しています。

デメリット

断熱材にかかる建材コストと施工手間がかかりますので、高くなることがデメリットでしょう。

一般的に使われる断熱材の種類

鉄骨系メーカーは繊維系断熱材がほとんどです。
2×4では、繊維系もしくは、発泡プラスティック系断熱材を使います。

内断熱

内断熱って?

内断熱は、外張断熱とは逆に、構造材の室内側を断熱する方法です。
主には、鉄筋コンクリート造のように構造材の間に断熱材が施工が不可能で、熱容量(物体の中にどのくらい蓄熱できるのか)の大きな構造の場合に採用されます。
鉄骨造や木造ではあまりメリットを得られないため、採用されることはあまりありません。

メリット

構造躯体の室内側を断熱しますので、暖冷房空間を小さくでき、エアコンなどのランニングコストを抑えることができます。
暖房を短い時間しか使わない鉄筋コンクリート造に住む方にとっては最適な断熱方法となるのではないでしょうか。

デメリット

室内側に断熱材を施工するので、部屋が少し狭くなってしまいます。そのため、厚みを確保することが難しく、断熱効果を得ようと思うと、使える断熱材も限られます。

一般的に使われる断熱材の種類

吹付けウレタン断熱材が一般的です。繊維系や発泡プラスティック系のボード断熱材も使われます。




外断熱 VS 内断熱


一時期、「外断熱 VS 内断熱」といったあまり意味のない議論がなされていました。

これは、発泡プラスティック系断熱材を製造するメーカーと繊維系断熱材を製造するメーカーが
販売シェアをかけて争っていた際に、それぞれのデメリットを誇張して伝えたために起こった
騒動です。

そしてさらに、大手ハウスメーカーも加わって「鉄骨の外断熱 VS 木造の内断熱」に発展し、
専門家もこぞってこの議論に参戦したために、一般消費者にとっては、
外断熱?内断熱??どっちがいいの???といった混乱を招いたのです。
まったく迷惑な話です。

現在は、外張断熱であろうが、充填断熱であろうが、工法や施工個所に合った方法を選択し、
しっかりとした厚みを確保すれば、大きな性能の差は生じませんし、一方が劣っているといった
ことがないということで終息しています。

それぞれのメリット・デメリットを理解して選択できる知識を付けておけば、迷うこともないでしょう。

住宅の壁の具体的な断熱方法 >> 住宅の屋根・天井の具体的な断 熱方法 >> 床の具体的な断熱方法





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