森のくまさん
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「暖かい家は健康に影響がある」引用論文の要約
今回紹介する内容は、建築に携わる研究者が「健康」と言う全く違う分野に言及したと言う点でセンセーショナルでした。
当時、暖かく過ごすことは何となく「良い影響があるのではないか?」程度に思われていたのですが、それを明確にして見せた点においてかなり大きな影響を世の中に与えました。
「住まいの高断熱化の居住者健康性に与える影響に関する研究」2009年8月 建築学会大会
https://ci.nii.ac.jp/naid/110007980785/ (CiNii)
- 家にしっかりと断熱材を入れると、冬はすぐに暖まり、冷えにくくなる
- なので、冬場に暖かく過ごすことが可能となる
- 断熱材をしっかりと入れた家に引っ越す前と引っ越した後の健康状態を全国の人にアンケートで答えてもらった
- 結果的に引っ越した後の暖かい家の方が様々な健康上の症状が改善していた!!
- 断熱の性能は高ければ高いほど、改善効果が高かった
(※効果には限界があり、ある一定以上断熱しても変わりません)
高断熱化の目安と具体的な健康への影響
引っ越した後の家の具体的な断熱化の目安は以下です。数字は小さい方が断熱性能が高いという意味です。新しい家づくりでの断熱性能の参考として下さい。
Q値、UA値について詳しく知りたい方は以下
参考
高気密高断熱住宅にするためのQ値
Q値の目安 UA値の目安 断熱グレード3 2.7より大きい 0.87より大きい 断熱グレード4 大体 2.7 大体 0.87 断熱グレード5 2.7より小さい 0.87より小さい
グレードが高ければ高いほど、引っ越す前より引っ越した後の方が、諸症状が改善したと言う人の割合が増えました。改善した諸症状を列挙すると。
- せき
- 喉の痛み
- 手足の冷え
- 気管支炎
- 肌のかゆみ
- 目のかゆみ
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性結膜炎
- アレルギー性鼻炎
このように様々な症状が改善する事が示されました。
後の研究によると、これら以外にも改善する諸症状があることも示され、家の中で暖かく過ごすことの重要性が分かってきています。
更に詳しい内容を知りたい方のために、以下の書籍を紹介致します。
以下の書籍では、この論文の著者である岩前篤教授が自ら暖かくすることの重要性を一般の人向けに解説しています。
【CHAPTER1】の【よい家は「健康」をつくる】を是非読んでみて下さい。
この本に関して、もう少し詳しく知りたい場合は以下にて。
参考 あたらしい家づくりの教科書家づくりの本の紹介また、こちらの書籍では出版が2015年ということもあり、先程の岩前教授の調査内容が更に拡大された内容を確認することが出来ます。その上、他にも調査・研究を行っている4人の研究者の方々の話も載っています。この内、3人はお医者さんで、お医者さんの視点からみて、暖かい家にすることが如何に大切なのかが語られてます。こちらも、一般の人向けの書籍となっています。文字数もあまり多くなく、読みやすい本となっています。
参考 先生が語る 病気にならないための家づくり家づくりの本紹介知っておくと良いこと
それまで、断熱をすると冬場に暖かく過ごせると言った程度の価値しか無いと思われていたものが、この論文をきっかけに、ハッキリとそれ以上の価値があるのだと世の中に知れ渡ることになります。そして、今では更に様々な調査や研究がなされて、その効果は更にもっと大きいものなのだと言うことも分かってきています。
現在の住宅に関する断熱化のキッカケを作ったという意味において、この論文の影響は計り知れないものと言えます。
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