「あたらしい家づくりの教科書」は共著と言う形を取られています。9人の著者がそれぞれの視点から家づくりについて語っているのが大きな特徴としてあげられます。
どの著者も家づくりを専門とする専門家ばかりで、専門家の目から見た今どきの家づくりとはこう言うものだよ。と、いう内容になっています。
この本では『家を断熱することの良さ』をテーマにしてそれぞれの著者が少しづつ違った視点から話を展開しています。
背景としてあるのは、日本の住宅は断熱が不足している家が殆どで、一般の人にその事実が知れ渡っていないと言うことにあります。
これはプロの側でも同じで、未だに断熱をすることが「邪魔くさい仕事がまたひとつ増えた」という程度にしか感じていない人もまだまだ多いことにあります。
ですので、これから家づくりをされるあなたにはせめて断熱することの重要性に気づいて欲しい。あるいは、この本を手にとったプロに断熱の重要性に気づいて欲しい。と言う思いがこもっています。
東京大学の前教授によると、「快感」と「快適」は違うということ。
快感に感じている事は、基本的に長続きしないと言う。
近畿大学の岩前教授によると、高断熱な住宅の方がお肌のお手入れもしやすくなるんだそうです。
全体的に読みやすく構成されています。本の装丁がキレイなのはやはりデザイン系の人が著者の中に入っているからだと思われます。写真もキレイで、紙の質にまでこだわりが感じられます。
また、文章表現も一般の人を意識した書き方がされていて、分かりやすい感じも受けます。ただ、一方で一般の人には理解が難しいであろう、グラフがそのまま載せられていたり、後半部分では専門用語が並んでいる部分があったりします。著者が複数いるので、どこから読んでも読めるようにできたら尚良かったと感じたので、分かりやすさは星3つとしました。
全体的には恐らく一般の人は初めて聞くだろう話が満載です。前半部分は家を断熱して暖かくすることの意味や、断熱する事によって得られる省エネの効果など、知っておくと家づくりにとても役立つ内容が殆どです。
値段は1500円と決して高くは無いので、かなりオススメです!!