縁甲板

縁甲板

縁甲板とは、床や壁にはる、小幅で長尺の板材のこと。縁甲板の読み方は「えんこういた」である。縁甲板は縁側、つまり外廊下の甲板(こうはん、つまり床のこと)として使われたのが語源で,長さ3.6~4m、幅10㎝前後の板を本実(ほんざね)という加工(写真の赤丸部分)をしたもの。

実(さね)加工
縁甲板の実(さね)加工

縁甲板とフローリングの違いは?

今ではフローリングという名称の方が一般的になっているが、和室の縁側に使用する場合を特に縁甲板と呼ぶ場合が多い

縁甲板からフローリングへ

従来、縁甲板の材料としては、ヒノキ、マツなどの針葉樹が代表的で、一本の木から一枚の板を切り出してきた、無垢材を特に指していた。

徐々に都会で縁側というスペースを計画される事が少なくなってきており、縁甲板は縁側に使うと言うよりも、廊下に使用される材料として、扱われるようにもなっていった。

縁甲板は、本来一本の木から切り出されて一枚の板としてできたものであったが、最近では、家の隙間が少なくなったことで乾燥などによる反りの問題などが発生するようになってきた。このため、表面上の見かけは一緒であるが、薄い単板を何層にも重ねた複層の板を縁甲板として扱う事も多くなっていった。

更に時代が進み、縁甲板と呼ばれていたものはいつしか呼ばれ方が変わってきており、今ではあらゆる場所に利用する床板のことをフローリングと呼ぶことが一般的である。

縁甲板を天井や壁に貼る場合は羽目板

一本の木から一枚の板を切り出した実(さね)加工の板でも、使われる場所によって呼び方が変わります。

床に貼られる場合には、縁甲板やフローリングと呼ばれ、天井や壁に貼られる場合は羽目板と呼ばれます。

羽目板
天井に貼られる場合は羽目板

ただし、一般的には天井や壁に貼られる羽目板は縁甲板に比べて厚さが薄くなります。縁甲板は床で上に置かれるものなどを支える必要があるため、12㎜~以上の厚みとすることが多いのに比べ、羽目板の場合は5mm~9mm程度のものが多いです。