エコキュート

エコキュート

エコキュートとは、ヒートポンプ式の電気給湯機の総称。給湯器の中では消費電力が少なく経済的かつ最も省エネである。冷媒にフロンを使用しないので、環境にもやさしいのが特徴。エコキュートは、主な機能はその名の通り給湯(つまりお湯を沸かすこと)である。
お湯の沸かし方が特徴であり、原理としてはエアコンの室外機が空気を暖める方法と同じである。

エコキュートと電気温水器の違い

エコキュートがお湯を沸かす原理はヒートポンプ式と呼ばれ、ガスや灯油などを燃やしてお湯を沸かす方法に比べ、圧倒的に効率的(つまり省エネ)にお湯を沸かすことが可能で、ガスを燃やしてお湯を沸かす方法では1のエネルギーで精々0.9程度のお湯しか沸かせない事に比べて、エコキュートのヒートポンプ式では1のエネルギーで4.0程度のお湯が沸かせる。(2022年現在)

これに対して、昔からある電気温水器は1のエネルギーで最高でも1.0程度のお湯しか沸かすことができない。

同じ、電気でお湯を沸かすエコキュートと電気温水器はお湯の沸かす仕組みの違いによってこれだけの差が生じている。ヒートポンプ式は非常に省エネルギー性能に優れた仕組みなのである。

最も省エネ性能に優れた給湯器:エコキュート

世の中には様々な方法でお湯を沸かすことが可能である。
代表的なものとして、以下の4種類がある。

  • ガス給湯器(エコジョーズや従来型の給湯器)
  • 灯油給湯器(エコフィールや従来型の給湯器)
  • 電気温水器(電気自体で発熱させてお湯を沸かす方法)
  • エコキュート(ヒートポンプと言う仕組みでお湯を沸かす方法)

この中において、エコキュートは最も省エネ性能に優れていると言える。(ただし、太陽の熱でお湯を沸かす太陽熱温水器や薪でお湯を沸かす方法、エネファームなどは別)ただし、これには条件があり「年間給湯保温効率(JIS効率)」と呼ばれるものが、3.5を超えている必要がある。最新式のものは、大概この数字を超えており、最も省エネと言える。

省エネの効果が高い事から、エコキュートを導入するに当たって、補助金がもらえることも多い。これは自治体自体が省エネルギー性能を認めている証でもある。導入の際には都道府県や市町村などの役所のホームページや担当者に連絡を入れて利用できる補助金などがないか確認する事が大切である。

光熱費が最も安くるのもエコキュート?

ガスや灯油でお湯を沸かす方法に比べて、エコキュートは光熱費を安くしてくれるだろうか?これは、その時の電気代やガスの購入値段によって多少の変動がある。しかし、現時点(2022年)では同じエネルギー量を使用した場合、都市ガスと電気は倍も差がないため、エコキュートの光熱費が最も安くなる。

また、エコキュートを導入するに当たってオール電化(ガスなどを家に引き込まない)契約をすることで、更に電気代が安くなり、更なる光熱費の削減が可能となる。

また、現在では統一省エネラベルと言うものが表示されるようになった。この表示には、年間に必要な光熱費が表示されることとなり、消費者にも分かりやすくなっている。このラベルがついているもの(ラベルがついているものは大概省エネで、光熱費が安い)で見比べてみると良いだろう。

統一省エネラベル
統一省エネラベルの事例(出典:資源エネルギー庁

エコキュートの購入価格

エコキュートの場合、エコジョーズなどのガス給湯機器に比べて購入価格が高いことが一番のネックである。しかし、近年ではエコキュートの購入価格も大分下がってきている。従来は工事費込みで80万円程度かかっていたが、近年では年間給湯保温効率が3.5を超えるものでも40万円程度で設置することが可能となっており、通常のエコジョーズでも30万円程度かかることを思えば、家庭でのお湯を使う量によって異なるが、数年で元がとれる計算となる。

エコキュート設置の注意点

エコキュートは写真のようにお湯を貯めるタンクを設置する必要があり、この設置スペースの確保を最初のプランニングの段階で考慮する必要がある。

エコキュート
エコキュート 左がヒートポンプユニット 右が貯湯タンク

また、置く場所があったとしても道路から置く場所までに運ぶスペースが確保できないケースもある。この場合は、新築の段階で工事の手順を工夫すれば設置は可能となるが、エコキュート全てを交換することが困難となる。とはいえ、エコキュートの大きい側のユニットは貯湯タンクと呼ばれるもので、滅多に壊れるしろものではない。お湯が暖まりにくくなったとしても、それはこのタンクと、横にあるもう一つのヒートポンプユニットを繋ぐ冷媒の漏れである場合が多く、すべて交換となることはあまりない。本当の寿命が来るのは、配管自体が劣化して水漏れを起こす場合である。配管の劣化は10年後にくるか、20年後にくるか、使用頻度によって変わる。この場合でも、部分的な材料の交換で解決できるのか、それとも交換が不可能な材料なのかによって変わる。

出来れば、将来的な全交換を視野に入れた設置計画を立てることが大切と言える。