中古マンションと中古一戸建てどっちがいい?

中古住宅(既存住宅)の場合であっても新築と同様、マンションか一戸建てかは大きく迷うものです

どちらのほうが安く、またどちらのほうが買ったあとも満足できる生活ができるのでしょうか?

ここからは新築ではなく中古マンションと中古一戸建ての場合にかぎってメリットデメリットを比較していきます。

購入にかかる費用

まず物件価格ですが、同じ条件(立地や広さ、築年数)の場合マンションと比較すると中古一戸建ての方が高い傾向があるようです。

参考 Market Watchレインズ

これはマンションがほぼ建物のみの価格であること(土地は全住戸人で等配分されるので微々たるもの)と、一戸建ては価格の変化が少ない土地に建っていて、土地と建物のセットの価格で売られていることが要因です。

結果、年数が経過しても中古一戸建ては比較的価格が下落しにくいため、中古マンションと比較すると高くなるようです。

またここで大阪府の住宅の建て方別「持ち家」「借家」の割合見てみましょう

持ち家と貸家の割合

上の図を見ると大阪では戸建て住宅の場合、賃貸より持ち家のほうが多いのに比べて マンション(共同住宅)の場合は、逆に分譲の方が圧倒的に少ないことが分かります。

そして、注目すべきは共同住宅で売られる可能性のある持ち家(約60万戸)よりも、一戸建て住宅で売られる可能性のある持ち家(約140万戸)の方が多い点です。

ですので大阪では既存住宅として市場に出回るマンションの数が少なく、中古であっても価格が高くなっています

ランニングコスト

次に購入したあとにかかるお金です。マンションには管理費や修繕積立金を毎月払わなければなりません。ですがそれは周辺の清掃や計画的な建物の修繕をマンション側がやってくれるということです。(10年に一度大規模修繕という修繕をしなければならないことになっています。)

固定資産税も一戸建てと比較すれば安く済みます。土地の配分が小さいことと、建物にかかる税金は年々減少するからです。


中古一戸建ての場合必ず払うのは固定資産税くらいです。一見マンションに比べて安くて良さそうです。ですが毎日の周辺掃除に加えて、家が老朽化したときは自分で修繕費を払わなければいけません。

金額だけで見ると、おおむねマンションのほうが負担は大きいようです。

リフォームでの比較

更にリフォームについても比較していきましょう。

   

中古一戸建てのリフォーム

中古一戸建ての方が「通常の木造住宅」であれば、圧倒的に自由にリフォームできます。

予算さえあれば、間取りの変更や窓のとりかえ、キッチンの入れ替え等かなりいろいろなことができると考えていいでしょう。

フルリフォームも可能です。建物の構造部分(スケルトンといいます)だけを残し、あとの内装や設備を丸ごと入れ替えることも可能です。

あなたの家族構成やライフスタイルにあわせた、大胆な間取り変更も可能です。 しかしやりたいことが多ければ多いほど費用は高額になります。 

リフォームによってはローンを組むことは可能なので、あなたが使える予算をみて検討してみてください。

また耐震改修やバリアフリー改修、省エネ改修など補助金や減税の対象となるリフォームもあるのであなたが購入に検討している建物にも適用できるか調べておいて損はありません。

中古マンションのリフォーム

次はマンションの場合です。マンションには「区分所有法」という法律があります。 区分所有者(各住戸人)がマンションで共同生活を送っていくための最低限のルールをまとめた法律です。

区分所有法によってマンションは専有部分と共有部分に分けられます。管理組合や管理規約も区分所有法に定められています。

リフォームできるのはこのうち専有部分のみとなります。

専有部分とは壁、床、天井に囲まれた居住空間のことです。 

構造体や玄関前の廊下、エレベータはもちろん、あなたの家の玄関ドアや窓、ベランダも共有部分に入ります。

つまりコンクリートの壁に穴を開ける、玄関ドアを取り替える、窓の位置を変えるといったことはたいがいの場合できません

一戸建てに比べて制約は多いですが、壁材や室内のドアの交換、キッチンユニットや浴槽などの設備交換は可能です。

さらにマンションの構造に触れなければ、部屋の間仕切りを付け替えることによって間取りの変更も可能です。

玄関ドアも内側の塗り替え程度でしたら可能です。

またリフォームするときは管理組合に届出し承認されなければなりません。その際は管理規約にも目を通しておきましょう。

あとで当初の計画を変更しなくてはならないこともあるので事前に確認しておきましょう。

老朽化したマンションの建替え問題

ここで老朽化したマンションの建て替えについても説明したいと思います。 国土交通省のマンション建替えの実施状況(平成28年4月1日現在)によると、マンションの建替え実施準備中、実施中、工事完了済を全て合わせると合計252件となります。

また国土交通省の築後30、40、50年超の分譲マンション数によると築30年を超えるマンションは172,7万戸。仮に一棟あたりの戸数を50戸とすると築30年以上のマンションは約3.5万棟となります。

となると全国の建替え対象となりうるマンションで実際に建替えされたのは0.71%しかありません。

なぜ建替えはこんなにも実施されないのでしょうか?

区分所有法によるとマンションの建て替えにはそのマンションの区分所有者の4/5以上の賛成が必要とあります。

マンションの建て替えには一戸当たり約2000万円の建築費に加えて、建築中の仮住まいの家賃や転居費用などがかかります。建て替えに賛成するにはこの費用を負担できる経済力が必要なのです。

(実際建替えが行われたマンションの多くはデベロッパー側が負担し、住人側の負担が0というものでした。負担が0なので賛成に投票した人が多かったのです。)

また老朽化マンションの住人は大半は高齢者です。高齢者は引越しをきらい、環境を変えたがりません。このまま建替えせずに静かに余生を暮らしたいと思う人もいます。

以上の理由により建て替えに必要な4/5以上の賛成票を得るには非常に高いハードルがありなかなか進まないのが現状です。

このままでは老朽化したマンションは廃墟とならざるおえません。

老朽化したマンションの再生は大きな社会問題として注目されています。

新築住宅の場合を知りたい場合はコチラをあわせてお読み下さい

参考 一戸建てかマンションか?メリット・デメリットや割合をチェック家づくり応援サイト

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