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シックハウス症候群の対策を知る

1、シックハウス症候群とは

シックハウス症候群は病気としての認定がなされていません。
シックハウス症候群の定義は、「住宅に由来する様々な健康への傷害」の総称であり、
単一の疾患を表す訳ではありません。

それも複合的な要因が考えられるため、化学物質や換気にだけ気を付けておけば
シックハウス症候群にならないという訳ではありません。

シックハウス症候群の主な原因に注意することが基本です。



2、シックハウス症候群の原因


sickhouse.jpgのサムネール画像


化学的な要因
住宅で使われる建材はもとより、家具、カーテン、防虫剤、芳香剤などの
化学物質によってシックハウス症候群を発症する場合があります。

物理的な要因
寒さや暑さ、電磁波、騒音、気圧変化、湿度変化、光などにストレスを感じ、
シックハウス症候群を発症する場合があります。

生物的な要因
花粉、カビ、ダニ、ウイルス、細菌、微生物などによって、シックハウス症候群を
発症する場合があります。

精神的な影響
家を建てる、引っ越しをする、環境の変化などの心理的・肉体的ストレスを
感じることによって、シックハウス症候群を発症する場合があります。

大気・水質汚染の影響
工場や幹線道路、廃棄物の焼却、農薬散布などが原因となりシックハウス症候群を
発症する場合があります。


3、シックハウス症候群の症状

シックハウス症候群には以下のような症状があります。
心当たりはありませんか?

目に出るシックハウス症候群の症状
痛み、かゆみ、涙が出る、充血、チカチカする

呼吸器系に出るシックハウス症候群の症状
せきが出る、くしゃみが出る、喘息(ぜんそく)、痛み、息切れ

に出るシックハウス症候群の症状
鼻水、鼻づまり、鼻血、ニオイに敏感

に出るシックハウス症候群
耳鳴り平衡感覚の異常

食欲に出るシックハウス症候群
食欲不振、吐き気

皮膚に出るシックハウス症候群
アトピー性皮膚炎、じんましん、乾燥、赤み、かゆみ、皮疹

精神・神経に出るシックハウス症候群
疲労感、不眠、頭痛、倦怠感、めまい、眠気、集中力・記憶力の低下、頭痛、
不安、うつ、行動異常
 
末梢神経に出るシックハウス症候群
関節痛、筋肉痛

循環器に出るシックハウス症候群
不整脈、動悸


4、新築時のシックハウス症候群の対策


まず、平成14年の法律改正で新たに規制された内容を紹介します。

・新築時に使う建材の規制

クロルピリホス
使用禁止

ホルムアルデヒド
使用制限
   
・機械式の換気設備の設置が義務化


kanki_system.gif使用する建材によっても異なりますが、
一般的には、「居室」及び「家の中に取り込んだ空気が通過する部屋」の空気が
2時間に1回入れかわるような能力を
持った機械式(ファンをモーター等で動かして強制的に空気を送る方式)の
換気システムを付けないといけなくなりました。



 







法律では、多くの方がシックハウス症候群を発症した大きな原因を規制したことになります。
これによりシックハウス症候群を発症する方を減らすという目標に対しては一定の
成果をあげています。

ただ、これでシックハウス症候群になる方をなくすことまでは出来ていません。

法律でカバーされていない問題1
法律では、どんな条件下でも家の中のホルムアルデヒド濃度は、
100μg/m3未満にしないといけないとなっています。
ただし、それを確認しなくてもよいことになっています。
決められた接着剤や建材を本当に使うかどうかは、各施工者の良心に委ねられています。

解決方法
家の引き渡し前にホルムアルデヒド濃度の測定を依頼しましょう。
基準の濃度未満になっているかを確認して入居すればシックハウス症候群になる
リスクを減らせます。

法律でカバーできていない問題2 
法律で規制がなされたものは、クロルピリホス、ホルムアルデヒドのみです。
接着剤の中に含まれるシンナーなどの原料となるトルエン、キシレン、
エチルベンゼン、スチレンなどの体に悪い影響を与えると考えられている
化学物質全てを規制した訳ではありません。

解決方法
こちらも測定でどれくらいの濃度になっているのか確認できます。
規制はされていませんが、指針値(目標数値)が出されている物質も多いので、
こちらも確認してみると安心です。
→指針値が定められている化学物質はこちらです。


5、シックハウス症候群かな?と思ったら

まずは、医師へ相談して下さい。
ただ、シックハウス症候群かどうかの判断ができる病院は全国でも数か所です。
そのため、専門の医療機関にかかるというのは難しい方も多いでしょう。

シックハウス症候群は一旦発症すると回復するまで時間がかかることが多いです。
ただ、早めに家の中の環境を改善しなければいけません。

下に化学物質を原因としたシックハウス症候群の対策を挙げます。

1、換気の量を増やす
出来る限り窓を開けて換気して下さい。
また、夜や幹線道路沿い、花粉症の季節など窓を開けられない場合は、
トイレやレンジフードなど、普段は停止している換気扇を動かして下さい。
家にいる間動かすことで、家の中の空気をきれいにすることができます。
  
2、ベイクアウトを行う
温度が上がると放散する量が増える化学物質の特性を使い、
建材から出る化学物質を早めに出す方法があります。
家の中の温度を40℃近くまで上げて数時間その状態を維持した後、
窓を開けて換気する、これを数回繰り返すことで化学物質の濃度を強制的に
下げることができます。
但し、建具や内装が急激に乾燥するため、反りや亀裂が生じる場合があります。
そのため、加湿を行いながらベイクアウトすることをお勧めします。

3、普段使うものを見直す
家の中の空気を汚す可能性があるものの使用は控えて下さい。
タバコ、消臭剤、殺虫剤、化粧品、灯油のストーブなど
 
4、定期的な掃除を心がける
ホコリに付着した化学物質を体内に入れないために、定期的な掃除をして下さい。
  

他の原因もあります。

まずは、医師に指示を仰いで下さい。

ホルムアルデヒドの初歩から測定の方法まで


ところで、ホルムアルデヒドとは?


material_illust.jpg ホルムアルデヒドは、フェノール樹脂、尿素樹脂や
パーティクルボード、繊維板、合板などを生産する際の
接着剤の重要な原料として用いられる化学物質です。
それ以外でも、でんぷんのりなどの天然系接着剤の
防腐剤や、身近なところでは、形状記憶シャツにも
利用されています。
 ホルムアルデヒドは、温度が高い程揮発しやすい性質
をもっています。そのため、夏場の室内では、法律で
定められる指針値を超える場合があります。

 ここからは専門家向け
 分子式 HCHO
 無色の気体で、刺激臭をもつ
 ホルムアルデヒドは、一般的な住宅内の
 揮発性有機化合物の放散量が施工後、
 数週間から数ヶ月で当初の1~2割程度に
 減少するのに対し、放散量の減少のスピードが非常に遅いことがわかっている。
 そのため、特にホルムアルデヒドに留意して建材の選定や施工を行う必要がある。


ホルムアルデヒドはなにから出る?

 先に挙げたように、ホルムアルデヒドを含んでいる建材が主な発生源となっています。
 また、たばこ煙や燃焼排気中にもホルムアルデヒドが含まれ、
 大気の中にも0.01ppm前後は存在しますが、シックハウス症候群の主な原因に
 なるほど高濃度ではありません。


ホルムアルデヒドの体への影響は?

 ホルムアルデヒド濃度との関係
 100μg/m3(0.08ppm:23℃の時の換算値) 
  国が定める指針値

 0.4ppm程度(法律で規制される濃度の5倍)
  短時間であっても、目への刺激を感じるなどの人体影響が現れる
  ※個人差があります。

 発がん性
 ホルムアルデヒドに曝されるとがんの原因になる可能性があります。
 鼻咽頭がんが指摘されているようです。
 国際ガン研究機関(IARC)はホルムアルデヒドをグループ1に指定しています。
 

ホルムアルデヒド規制までの歴史

 住宅の気密化が進む
     ↓
 シックハウス症候群を発症する人が増える
     ↓
 ・当時の厚生省(現厚生労働省)の住宅指針検討専門部会化学物質小委員会から
  室内のホルムアルデヒド濃度指針値(0.1mg/m3=0.08ppm)が示される
 ・健康住宅研究会からホルムアルデヒドが優先取組物質に選定される
     ↓
・住宅メーカーや工務店などでもクロス用接着剤のノンホルムタイプへの変更
・F☆☆☆☆・ F☆☆☆といったホルムアルデヒドの放散が少ない建材の使用


ここからは、かなりマニアックな内容です。
特に、気になる方だけがお読みになることをお勧めします。


ホルムアルデヒドの仲間

 ホルムアルデヒドの仲間には分子中に同じアルデヒド基を持つアセトアルデヒドや、
 炭素と酸素の二重結合を持つアセトンなどがあります。
 これらをまとめてカルボニル化合物と呼びます。

 アセトアルデヒド
 平成14年に0.03ppmという指針値が設定されました。
 近年、ホルムアルデヒドの室内濃度が減少傾向にあったのに対し、
 アセトアルデヒドの濃度は上昇傾向にあります。
 アセトアルデヒドは天然成分として乾燥木材からも発生します。
 アセトアルデヒドやアセトンは人体でも生成される化学物質で、
 有識者のあいだでもホルムアルデヒドほどの健康影響はないであろうといわれています。


空気中のホルムアルデヒドの測定の方法

 ホルムアルデヒドを測定する方法はいくつかあります。

 検知管法
  ガラス管の中にホルムアルデヒドと反応して着色する指示薬が入った検知管に
  一定の空気を通して、着色長からホルムアルデヒドの濃度を求める測定の方法
  個人的見解だが、少し高めの濃度が示される場合が多い。

 (高速液体)クロマトグラフ法
  部屋の空気を捕集剤に吸着させ、その吸着された様々な有機化合物を細かく分離して、
  ホルムアルデヒドなどの化合物の量を調べる測定の方法
  もっとも正確に測定する方法のひとつで、空気の補修方法の違いでアクティブ法と
  パッシブ法にわかれる。

  アクティブ法
   捕集剤の中に強制的に空気を通過させて試料を採取する測定の方法。
   (新築の場合の詳しい測定の方法)
   窓開け換気を行う(30分)
     ↓
   窓を全て閉め、5時間以上放置
    ※換気回数が1時間に0.5回の場合
    ※換気計画の中に入っている空間は全て扉を開ける
    ※換気システムは運転
    ※出来る限り生活される状態を維持
    ※生活される方にとっては、家具等の搬入後が望ましい
     ↓
   測定(30分:空気の流量の設定により異なる)
    ※午後2‐3時のもっとも1日で暖かくなる時間の測定が望ましい
    ※原則1箇所2回の測定


  パッシブ法
   捕集剤を測定したい箇所に吊るしておき、試料を採取する測定の方法
   (新築の場合の詳しい測定方法)
    窓開け換気を行う(30分)
      ↓
    窓を全て閉め、5時間以上放置
    ※換気回数が1時間に0.5回の場合
    ※換気計画の中に入っている空間は全て扉を開ける
    ※換気システムは運転
    ※出来る限り生活される状態を維持
    ※生活される方にとっては、家具等の搬入後が望ましい
     ↓
   測定(24時間:最低でも8時間)
    ※午後2‐3時のもっとも1日で暖かくなる時間をまたいだ測定が望ましい

   捕集剤の種類
    たくさんあるので、こちらのページでご確認下さい。
     国土交通省のページ
     http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/hinkaku/090401passivesampler.pdf

 吸光光度法
  ホウ酸溶液の中に室内の空気を通しホルムアルデヒドを捕集する。
  この補修した溶液に、数種の溶液を混合すると赤紫色に発色するため、
  550nm付近の波長で吸光度を測定する方法


 信頼性の高いクロマトグラフ法によるホルムアルデヒドの測定費用は
 年々下がってきています。
 そのため、検知管法との測定費用の差もそれほど大きくないため、
 せっかく測定するのであれば、クロマトグラフ法のアクティブ法やパッシブ法で
 測定を依頼することをお勧めします。

 ホルムアルデヒドを含む室内の化学物質の測定を行う業者は右や下に出ていますので
 興味のある方は、ホルムアルデヒドの測定にかかる費用など確認してみては
 いかがでしょうか?