家づくり関係のお話

屋内温度と健康に関するシンポジウム IN大阪 その1

<スポンサードリンク>

3年掛けて全国調査を行ってきた、スマートウェルネス住宅等推進事業における、
中間発表が先日行われました。

今回の調査では、断熱リフォーム前後における住い手の血圧や生活習慣、
身体活動量など健康への影響を調べてきました。

そして、中間発表でこの3年間で分かってきたことが発表され、
改めて、大阪でその内容についてお話頂く場として、シンポジウムを開催致しました。
私も大阪での活動内容について、お話させて頂きました!

屋内温度と健康に関するシンポジウム
沢山の方がご参加下さいました!

まずはこの調査を取り仕切っている委員会の幹事である、
慶應義塾大学の伊香賀俊治教授にお越し頂き、講演頂きました。

その内容でとても重要なことをここで挙げておくと、

◯まず、目安としてイギリスの基準などを参考にすると
 「屋内は18℃以上」
 であることが良いとされています。

◯今回の調査の結果、在宅時の居間の平均温度が18℃を下回っているご家庭が、
 "約6割!!" 

 太田解釈:つまり、日本の住宅は改めて寒い!!と言う事が言えそうです。

◯断熱リフォームを行ったご家庭の在宅時の居間の温度は、上昇傾向
 (有意に(明らかな)差がある場合で約2℃差)

◯室温の低下が血圧の上昇の影響は、高齢者ほど大きい

◯断熱リフォームにより、温度上昇があれば血圧も抑制される!!

◯温度上昇により、夜間頻尿にも改善がみられた!!

と、言ったことが主にお話されていた内容です。
もちろん、これら意外にも沢山のことが分析されていて、
あらゆる面にとって、寒さが人間の健康に悪影響を及ぼしていそうだということが、
示されています!!

慶応大学 伊香賀教授
慶応大学 伊香賀教授のお話

更に、今回はお医者さんの立場でありながら、
住居の寒さが、健康に悪影響を与えるのではないかと言う視点で、
調査研究されている、奈良県立医科大学の佐伯先生にもお越し頂き、
お話をして頂きました。
(※この3月に教授になられました。)

佐伯先生が、なぜお医者さんの立場でありながら、
このような研究に没頭されるようになったのかと言うと、

奈良県十津川村でのプライマリ・ケア診療(どんな病気でもまず、最初に治療に当たる)の、
ご経験が発端だそうです。

ここでは、どんな病気にも対処するのですが、その場で対処が出来ないとなった場合、
十津川村から他の医療機関に行くまでに、1時間~1時間半掛かるそうです。

更に、十津川村は広く、ご自宅で病気が発症し、そこからプライマリ・ケア診療を
受信するまでも道のりが長く、1時間も掛かるそうです。

急病の場合、最初の3時間でどのような対処をするのかで、その後が決まるそうで、
物理的に医療では難しいと感じられたそうです。

そこで、必要になるのが「病気を予防すること」

と、言う思いに至ったそうです。

そして、医学研究のトップジャーナルである、
The Lanset」では「日本において1年に10万人が過剰に冬に亡くなり、これは煙草による死者数と同じ」
と報告されていて、予防をするなら温度が重要なのではないかと思われたそうです。

そして2010年より研究を始められ、様々なことが分かったそうです。

◯10℃違う環境で、血圧にどれだけ差が出るか?
 冬は服を厚着していれば大丈夫という話があるが、実際には5.8mmHgもの差があり、
 服を着ているだけでは、対処出来ないことが分かった。

◯寒い家に住む人は、塩分摂取量が多くなる!!
 これは、マウス実験でも同様のことが分かっている。

◯外気温は関係なく、屋内温度が寒いと血小板の数が増える!!
 血小板は多すぎると、血管が詰まる。

と、言ったことが統計学的にきちんと処理した上で、
分かってきていると言う事でした。

奈良県立医科大学 佐伯講師
奈良県立医科大学 佐伯先生のお話

 


住宅CMサービス
<スポンサーサイト>
<スポンサーサイト>
←前へ
次へ→
 
資料請求・お問合せ