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2016年8月

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遮熱に配慮した沖縄の住宅

冬場でも暖房をつけることは殆ど無いと言う沖縄。
逆に夏においては、暑さ対策やカビ対策がとても重要になるようです。

訪れた視察住宅の奥に進むと、LDKが表れます。
そこでは、心地の良い温湿度が実現されていました!

遮熱を施したLDKの温度
夏の真っ昼間でも、LDKは28.3度と快適です!

この日の那覇の外部の気温は、30.3℃とそれほど暑くは無かったのですが、
エアコン2台の稼働で、家中を冷房しているそうです。

遮熱を施したLDKの湿度
湿度もまた、快適範囲を保っています!

そして、我々が大人数でおしかけたにも関わらず、比較的湿度も低い状態を保っていました。
これには、断熱による工夫や、受けた熱射を逃がすための工夫、
屋内空気の循環に関する工夫など、様々な工夫がなされていました!

このあたりの対策に加えて、沖縄ではカビがとても重要な対策になるそうで、
屋内にこもった湿気によるカビが発生しないように、
床下に対する工夫などもなされていて、
我々もとても良い勉強となりました^^

大変熱心な工務店さんで、今回の視察の間にも、
我々が持ち込んだ計測用の機器についても、高い関心を示されていました^^

お互い、今後も良い情報交換をしていこうと言うお話になっています!

紫微鑾駕(しびらんか)
紫微鑾駕(しびらんか)

天井をみあげると、紫微鑾駕(しびらんか)と書かれた札のようなものに、
袋と昆布のようなものがぶら下がっていました。

これは、大阪などで通常天井裏に掲げられる、御幣(ごへい)と似たようなもので、
新築の家の守護を願う護符だそうです。
この護符に塩と米と昆布をぶら下げて、当時に清める意味もあるようです。

紫微(しび)とは中国から伝わる道教の言葉で、
北極大帝すなわち北極星の神を指し、
鑾駕(らんか)はその神が駕籠に乗って降りてくることで、
除災招福(災いを除き、福を招く)の呪語のようです。

ここにも沖縄独特の文化がありました!

ロケーションの良い沖縄の住宅
ロケーションが最高です!

そして、2軒目のお宅を訪ねると、そこは、見晴らしの良い高台の上に建てられた、
なんとも贅沢なロケーションの建物でした^^

先程の住宅でもそうですが、窓はやはり熱を一番通しやすい部分とあって、
樹脂製のペアガラス窓を採用されています。

こちらの住宅でも夏の日射対策を行っていて、本来であればその視察に訪れたのですが、
写真を撮っていて感じたことは、その土地で生まれ育った材料を利用すると、
なんと写真映えするだろうと感じたことです。

真っ青な空が広がっていて、その晴天下にある住宅。
このような建物が例えば大阪にあったとしても、大して似合わないだろうし、
沖縄の地においては、コンクリートで作られた建物よりも遥かに溶け込んでいる感覚を
味わうことが出来ました。

こと、町並みを考えたとき、その地のその場所にある材料を使用して建てることこそ、
本当にその地に溶け込んだ、良い建物ができるのかもしれないと思わされる一幕でした。

窓からの最高の景色
心から癒やされそうな風景が広がっていました!!

そして中に入ると、雄大な景色が切り取られていました^^;
視察の本来の目的を忘れてしまいそうなその景色に圧倒さます。
毎朝このような景色を眺められるのは、さぞかし癒されることでしょう。

ただ、この窓においても夏の日射が入らないような工夫がなされていると共に、
高断熱の窓を用いて、暑さ対策が行われていました。

よく、プロの中にも樹脂製の高断熱窓だと夏が暑くなると言ったような、
誤解を招くような話をする方もいますが、それは、「遮熱」と「断熱」の違いを
よく理解されていないのだろうと思われます。

こうして、現実に沖縄で樹脂製の高断熱窓を利用して、
快適に(そして、最高のロケーションで)生活をされている事実を目の当たりにすれば、
それが完全な誤解であることが分かるはずです。

いずれにせよ、今回の視察で、夏の対策にも断熱が有効であり、
それには遮熱がセットであると言うことがよく分かる視察でした!!

今後も、今回視察させて頂いた工務店さんとは、長いおつきあいをさせて頂きたいところです^^

 

ヒンプン(ひんぷん)のある沖縄の家を見学してきました!

(一社)空気調和衛生工学会の省エネルギー委員会の住宅設備指針検討小委員会の
活動の一環として、沖縄の伝統的な木造住宅を引き継ぎつつ、
新たな知見を取り入れながら家づくりに取り組んでいる工務店さんの視察に行ってきました!

沖縄では、コンクリート住宅が長い間メインになっていました。
しかし、こちらのコンクリート住宅は、日本が戦争に負けた後に、
アメリカが入ってきたことにより、だんだん広まってきた住宅であり、
本来の沖縄の伝統的な木造住宅とはかけ離れています。

今回、我々は伝統的な木造住宅のエッセンスを引き継ぎつつ、
新たな知見を取り入れている工務店さんの取り組みを知るために、
視察に訪れました。

ヒンプン(ひんぷん)
ヒンプンのある沖縄の伝統的な住宅

昼頃に那覇空港に着いた我々は、まず沖縄の伝統的な木造住宅の中で、
ソーキそばの食べられる店で、工務店さんと合流しました。
上記の写真はそのソバ屋さんの店先です。

沖縄の伝統的な家屋の門にはヒンプン(ひんぷん)と呼ばれる、
魔物除けの壁が設けられています。
こちらの壁は、魔物が直接家の中に入ってこないように、
設けれられている壁で、中国の屏風が由来とのことです。

一般的に男性や客人は右側を通って入り、女性は左側を通って入るそうです。
そして、その右側奥には離れの建物があり、我々はそこで昼食を頂きました。

沖縄民家の離れ
沖縄の伝統的な木造住宅の離れ

沖縄の伝統的な住宅も"木造住宅"です。
こちらの離れは、沖縄の特徴的な赤色の瓦ではない離れですが、
かなり年季の入った建物です。
母屋の方は、赤色の屋根瓦となっていましたが、
こちらも修理の後が見られました。

台風の被害を防ぐためには、木造よりも鉄筋コンクリート造の住宅の方が良いと言う事で、
最近までは鉄筋コンクリート住宅が多かったようですが、木造住宅も進化し、
大概のことでは、昔のように台風による大きな被害を受けることは無くなったので、
改めて木造住宅が見直されだしているようです。

そして、今回視察に訪れた工務店さんの手がける住宅は、
単に沖縄の伝統的な木造住宅を復活させるというだけに留まらず、
断熱や遮熱の技術を用いて、如何に暑さを防ぐかと言う取り組みも行っていらっしゃいます。
我々はその取組について、今回視察に訪れました。

お話によると、沖縄では冬場でも殆ど暖房をすることは無いそうです。
(ただ、沖縄でもコタツは売ってるし、場合によってはコートを着るそうです。
 暑さに慣れている分、寒さに敏感だそうです。)

ですので、住宅を計画する際には主に"暑さ対策"を講じることがメインとなるそうです。

そう言った授業を昼食中に受けた後、午後からいよいよ建物見学に伺いました!

沖縄の住宅
沖縄の最新の木造住宅

まず、最初に訪れたのはこちらの建物。
琉球瓦と呼ばれる、赤色の瓦がやはり雰囲気を醸し出しています。

伝統的な住宅では、ヒンプン(ひんぷん)があるので、基本的に建物自体には玄関ドアを設けないそうです。
しかし、やはり最近の建物では玄関を設けないわけにはいかないようで、こちらの建物でも玄関ドアがありました。

また、暑さ対策の基本中の基本として、窓は全て樹脂サッシを利用。
やはり暑さ対策にも重要な要素として取り入れられているそうです。

早速、屋内に入ってみると。。。

屋内ヒンプン
屋内にあるヒンプン(ひんぷん)

ありました!ヒンプン(ひんぷん)です!
こちらは、琉球石灰岩と呼ばれる、こちらも沖縄ならではの石灰岩を利用して作られています。
沖縄の文化がここに継承されていました!

私は文化とはそのままの形だけで受け継がれるべきものとは考えていません。
文化は時代に応じて、適切に変化し、その形を変えつつも精神を受け継いで行く。
それこそが文化の継承において重要な要素だと思っています。
そうでも無いと、どんどん文化が時代に取り残され、やがて消えて行ってしまうと思うからです。

今回、こうして文化が受け継がれている姿を目の当たりにして、
私の考えは間違いでは無いと言う事を改めて実感致しました^^

こちらの住宅を見学していると、まだまだ驚かされることが沢山ありましたが、
それはまた次報にて。

 

実験住宅で宿泊してきました!

富山県黒部市に建てられた、とある企業さんの実験住宅にて、宿泊させて頂きました!
こちらの住宅では、実生活に近い形でのさまざまな実験が行われているようです。
毎年、建築学会と言う建築における最大の学会において、さまざまな発表をされているので、
きっとこの住宅にて分かった新たな事実も、発表されるのではないでしょうか。
(パッと見た感じでは、今回の九州で行われた建築学会の一年に一回の大きな
 九州での発表大会では、まだそう言った内容は見られませんでしたが。)

宿泊の夜には、この企業さんがブラジルで実際に栽培していると言う、
コーヒー豆を、炒るところから始めて、味あわせて頂きました^^
とても香ばしく、家中にその香りが行き渡って、なんとも贅沢な気分にさせて頂きました。

コーヒー一杯飲むのでも、炒るところから始めることで、
こんなにもゆったりとした時間が流れるのだと改めて感じさせて貰える瞬間でした!

忙しい暮らしの中でも、たまにはこう言った一時を楽しむ時間が持てれば、
豊かな気持ちになるものですね。

今後の参考になる、とても良い体験でした!

黒部市の実験住宅
実験住宅の外観

今回この黒部への出張では、宿泊もさることながら、
もう一つ、駅前で開発が行われている共同住宅の見学もさせて頂きました。

こちらには、現時点で3棟の共同住宅が建てられていて、
こちらは、それぞれの棟がそれぞれの建築家さんが自然の力を利用すると言うテーマに沿って、
建てられた共同住宅です。

パッシブタウン
今回の計画の模型

現在、3期までの計画が進められていて、2期工事まで終わっている状況でした。
上の写真は、一般の方でも入ることが出来る、今回の計画のコンセプトを紹介した、
展示施設にあった模型です。

お話を聞くと、計画は第6期まであるそうです。

日の入り具合に配慮されていたり、風の流れに配慮されていたり、
面白かったのは、地下の駐車場まで、昼光(太陽の光)を取り入れる工夫がされていたところです。
(そもそも、地下駐車場があること自体に驚きましたが・・・・)

共同住宅ですので、通常の一戸建て住宅に比べると、建物が大きいので、
建物自体が風の流れを遮らないように、配置が工夫されている計画。
湧き水が潤沢にあるこの場所において、特殊な給排水計画を用いて、冷暖房の足しにしている計画。
建物の躯体に熱が伝わらないように、工夫されている計画。

などなど、共同住宅だからこそ言った工夫が凝らされていました!

実際にこちらの街区に入ってみると、私が一番良いなと感じたのは、
「緑が多い」ことです。

パッシブタウン2
緑の多い街区

普段、大阪に住む私にとっては、こんなに緑の多い清々しい場所で住めることこそ、
大きなパッシブなんだろうなと感じました。
緑と共に住むことは、手間の掛かることです。
折角の綺麗な緑も、誰かが手入れをしてやらなければ、荒れ果ててしまいます。

日本が開国する以前の話、海外の船から日本を見て、
日本がハッとするほど美しい国だと思われたのには、
この手入れの行き届いた、緑にあったとも言われています。
私は、きっとこれこそが日本人が受け継いでいくべき、文化なのでは無いかと感じています。

だって、自分がこんなに落ち着くのですから、
やはりそう言うDNKとかアイデンティティがあるのでは無いでしょうか。

そんなことを改めて感じた見学でした!!

 

岸和田市の市街化調整区域での建築相談が通りました!

岸和田市のT様からのご相談により、岸和田市内にあるご自身が所有されている「調整区域」内の土地について、
新たに住宅建築が可能かどうかと言う事前の相談を、岸和田市役所に行っていました。

日本の土地は、大きく「都市計画区域」「準都市計画区域」「非線引き都市計画区域」
と、言うものに分けられます。

そして、都市計画区域は更に、「市街化区域」「市街化調整区域」
に分けられます。

市街化区域とは、いわゆる市街地のことです。
市街化調整区域とは、その市街地にはしないで自然環境などを残していきましょうと言った意図がある区域の事です。
ですので、この市街化調整区域とされている地域では、原則、家などの建築物は建てられない事になっています。

しかし、昔からこの地域に住んでいる人にとっては、それではあまりにも不便です。
ですので、昔からこの地域に住んでいる人で、農業を営んでいる人や、その子孫で、一緒にこの地域に住み続けている人には、
特別に家を建てても良いと言ったような規定がある場合があります。(市によって異なります。)

今回ご相談に来られたT様は、昔からご両親とこの地に住まわれています。
そして、ご両親が畑をされていた土地に新たにご自身のご家族の家を建てたいと言う事で、
ご相談に来られました。

APWフォーラム
元々は畑のこの土地での建築計画です

基本的に、ご自身が農業をされている場合は、持っている土地に家を建てることが可能です。
しかし、職業が違う場合は色々な条件が満たされない限りは、家を建てる事ができません。
そして、その条件に関しては、市が決めた条件となっていて、事前に役所に建てられるかどうかの
相談をしないといけないことになっています。

岸和田市役所では、この詳細な条件については直接相談に来た人にしか開示しない方針をとっていて、
私がT様の代理人として、相談することになりました(建築の専門的な知識が必要なため)。

相談と言っても、一度行けばそれで可能かどうか分かるような簡単な相談ではありません、
住民票や戸籍、昔の建築計画の有無などの資料が必要な上に、
家族ごとに条件を満たしているかどうかの追加資料も必要になります。

役所側も全ての人が、これらの条件を完璧に把握していると言うわけでは無いので、
この場合は、こう言う資料が必要で、この場合はこう言う資料を揃えて欲しい、
と、言った話が順々に出てきます。

何度か相談しに行った後、一度は条件が揃わないと言う事で、建築が不可能と言う事になりかけたのですが、
今年に入って、新たに規定された条件が準用されることが発覚し、その新しい条件で建築が出来ないかどうかを
改めて、市役所側で調べて回答して貰える事になりました。

市街化調整区域での建築となると、「農業委員会」と言われる組織の許可も必要になります。
更には、役所の他のいくつかの部署の許可も必要になるので、なかなか時間が掛かります。

揃えた資料を、それぞれの関係部署内で確認し、現地(建てる予定の場所)調査も経て、
本日、建築が可能であることの連絡が入りました!

今回、この知らせがくるまでヤキモキさせたかもしれませんが、
何とか無事に計画が進められそうです。

一重に家づくりといっても、地域ごとに様々な規定があります。
その点に関して、専門家に相談することが必要な場合(場所)があることを
知っておくと良いと思います。

 
 

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代表取締役 太田 周彰

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