今年も、(一社)健康省エネ住宅を推進する国民会議が主催者として、
健康省エネ住宅を推進するためのシンポジウムが開催されました。
早くも8回目となる、シンポジウム。
今回は、
『仮面性高血圧を含む、住環境におけるリスクを予防に反映するために』
と、題して、医療、看護、建築、行政の関係者が意見を交わしあいました。
前夜祭では、全国から集った「健康省エネ住宅を推進しよう」と言う、
(一社)健康省エネ住宅を推進する国民会議の下部組織で、
県単位毎の地域協議会関係者が集まり、懇親会を行いました。
(※ 大阪には「おおさか健康・省エネ住宅推進地域協議会」と言う協議会があり、
株式会社住宅みちしるべが事務局を行っています。)
会では、(一社)健康省エネ住宅を推進する国民会議の会長で、
IBEC((一財)建築環境・省エネルギー機構)の現理事長である、
村上周三先生もご来賓されました。
※IBECとは、日本の建築における、省エネに関する規定を定めたり、
規定を記した書籍や計算プログラムを開発、普及させる機関
それぞれの地域協議会は、現在、健康調査を実施しています。
断熱化リフォームの前後において、どのように健康状態が変化するのかを
知るための調査です。
※調査の概要はこちらで確認
村上周三先生は、今回の調査主体である、JSBC((一社)日本サスティナブル建築協会)の
役員でもあり、地域協議会の活動を主導、応援している、先生です。
(建築の環境業界で、基準制定に関わるような内容に関しては、殆ど必ず名前の出てくる大御所中の大御所の先生です。)
来賓の挨拶をする村上周三先生
日本において、冬場の住宅内のおける死亡リスクの高さは既に明らかです。
これが「寒さ」に起因しているのかどうか疫学的に解明することが、今回の調査の主目的です。
疫学的にと、言うと分かりづらいですが、簡単に言うと公的に証明しようとしているのです。
そのために、全国から今回の活動に共鳴する方々が集まってきたこの懇親会では、
これらの調査の進捗状況などを確認したり、情報交換をするためには、とても有益な場でした。
内閣総理大臣補佐官の和泉さんも出席
シンポジウム当日には、日本と海外における「住宅環境」に関する認識の違いなども
紹介されました。
最近では、これらの違いを知る機会は多いのですが、
まだまだ一般的に知れ渡るまでには至っていません。
日本人は、冬場の寒い屋内で過ごすことがまだまだ当たり前で、
それが如何に、死亡や寝たきりのリスクに繋がっているのかが、
認識される段階にまでは至っていません。
先ほどの健康調査と共に、これらの事実を如何に普及させるのかと言うことも、
我々の大きな課題となっています。
まず、健康調査を多くの人に強力して貰うためには、リフォームに携わる、
工務店などの施工店さんにこれらの事実を知ってもらう必要があります。
工務店や建築士と言っても、これらの事を理解して、人に伝えられる人間はまだまだ少ないです。
現段階では、こういった建築を職業にしている人間や、医療業界、介護・看護業界、行政関係者などに、
こういった事実を広く知って貰うことが先決と考えています。
ですから、今回のシンポジウムにおいても多くの県知事さんや行政関係者、消費者団体関係者が参加しています。
少しづつですが、確実に日本の住宅環境が良くなっていく手応えを感じるシンポジウムだったと感じました^^
今後、2020年には日本の住宅は省エネ住宅化が義務付けされます。
そのタイミングに伴って、住宅の高断熱化による、住宅環境の整備もしていく必要があるのではないか。
現在の国会で、そんな事が話し合われるようになりました。
地道な活動でも、正しいと信じて続けていれば、
きっといつかは、その必要性が広く伝わるはずです!