この日は、たまたま阪南市で工事が進められている、
S様邸の「金物検査」と言う検査に立ち会う事が出来ました!
今回、この建物では「金物検査」と呼ばれる検査が、2つの機関によって行われます。
一つは、住宅を保証するための機関、そしてもう一つが役所の代理を務める機関。
今日この日と、次の日にそれぞれ行われる予定とのこと。
この金物検査、どんな事が確かめられるのかと言うと、
下の写真のように、現在では建物の柱や梁との接合部分に、
接合強度を確保するための金物が取り付けられているのですが、
この金物が正しく計画通りに取り付けられているかを確かめられます。
これは、事前に計画の段階で、どこにどんな金物を付ければ良いのかを
計算して求めた強度に従って、必要な金物が計画されます。
工事が始まると、その計画された図面に従って、金物を取り付けていきます。
この金物が、建物の接合部分の強度を保っているため、もし間違ったりすると、
事前の計画通りの強度にならない訳です。
ですから、事前の計画通りに金物が取り付けられているのかどうかを
主に確認する訳です。
セミナーでお話をさせて頂いている様子。
写真を見ても分かるように、1箇所に取り付けられている金物でも4種類も取り付いています。
それぞれが別々の役割を持っている金物です。
そして、それぞれの金物を止めているのは、ビス(スクリュー)です。
ですから、このビスも規定通りに本数を規定の箇所に使用していないと、
予定通りの強度が出ないため、確認の対象になります。
つまり、この金物検査は建物が予定通りの強度が実現できる状態にあるかどうかの
検査と言い換える事が出来るわけです。
今回、この検査に来た機関は、「自分たちが保証をするのに相応しい建物になっているのか?」
あるいは、「公の機関として、建物がキチンと予定通り施工されていると認めて良いのか?」
と、言う視点からこの検査を行っています。
もちろん、私にしても「この建物は、本当に安心して暮らせる建物か?」と言う視点からチェックを行います。
このように、金物検査は、建物の構造における"要"の検査です。
それぞれが、それぞれの立場から検査を行いますので、まず抜けなどは殆ど無いと言って良いでしょう^^
京都市の住宅政策課さんからのご依頼で、京都市主催の
「平成の京町家」と言う、京都の由緒ある建物を現代風に
アレンジして活かしていこうと言う趣旨で活動している会が開催する
セミナーとコラボして、我々が運営している大阪エコリフォーム普及促進地域協議会と、
空気調和衛生設備工学会(略して、空調学会)さんとの共催で、
セミナーを開催させて頂きました!
セミナーでお話をさせて頂いている様子。
午前の部では、我々と空調学会さんとで、
「がまんせず、楽しく暮らせる健康的な住まいと住まい方」と言うタイトルでセミナーを開催。
近畿大学の岩前先生を始め、奈良女子大学の久保先生、神戸大学の鈴木先生、ミサワホーム総合研究所の太田さん、それに私(太田)の5人が、
それぞれのお話をさせて頂きました!
我慢しないで、健康的に過ごすと言う、趣旨は、省エネのために暖房や照明の使用を「がまん」するのではなく、
省エネを実現しつつも、「がまん」の無い暮らしにするためにはどのようにしたら良いかと言う趣旨です。
このメインテーマを元に、それぞれが専門分野の観点からお話をさせて頂きました。
岩前先生は、断熱性能と運動量との関係を、久保先生は暑い場合、寒い場合の過ごし方について、
鈴木先生は、太陽の明るさを取り入れるための工夫の仕方について、
ミサワの太田さんは、太陽光発電などの機器について、
そして、私が断熱リフォームの手法についてお話をしました。
2時間の間に、これだけの専門家の話を聞く機会は滅多に無いとあって、
会場は満員御礼で、若干の立ち見も出たほどです^^
私自身も、かなりの勉強になりとても良い時間を過ごせました。
会場に参加された方から、終わった後に質問を受けたのですが、
「滅茶苦茶面白かったです!」と、言って頂き、
私としても、とても嬉しかったです。
また、来年も同様のセミナーを開催しようと思っています。
この後、午後の部では京都市さんの「平成の京町家」のセミナーが開催されました。
先日、柏原市で上棟が行われたY様邸。
その後、順調に工事が進行し、Y様邸において、とても重要な工程である
断熱工事が完了しましした。
屋外側の断熱施工状況。
上の写真で、建物の外側が白く見えるのは、断熱材の色です。
この断熱材は、現在の南極大陸にある、昭和基地でも使用されている断熱材と
同じ種類の断熱材で、屋外での使用にも耐えられるように「防蟻処理」が施されたものです。
断熱材の施工において、大切なことは
「隙間なく施工すること」
です。もし、断熱材と断熱材の間に隙間が生じるとそこが熱的な欠点となり、
結露などを生じさせる危険性があります。
ですから、施工においては細心の注意を払って断熱施工を行う必要がある訳です。
このY様邸においては、外張り断熱と呼ばれる、写真のように家の外側をすっぽり覆うような、
断熱施工だけでなく、家の内側にも断熱施工が施されています。
家の内側の断熱は、基本的に柱と柱の間に断熱材を施工するので、外張り断熱に対して、
充填断熱と呼ばれます。この充填断熱においても、同じでやはり隙間なく施工されていることが大切になります。
そして、もう一点大切な事は、これらの断熱材が断熱をする物の表面に、キッチリとくっついている事です。
もし、断熱材がこの表面から離れていると、断熱の効果がかなり落ちてしまいます。
ですから、確実な断熱施工が必要になる訳です。
今回の断熱施工においても、確実な断熱施工が行われていて、
多少の手直しは私の方から指示致しましたが、基本的にはかなり良く、
出来上がっていました。
この断熱工事が終わると、次に他の工事と並行して防湿・気密工事が実施されます。
これらの施工が終わった段階で、Y様邸における住宅の気密性能を確認するための
「気密測定」が行われます!
そこで、更に施工の精度等が確かめられます^^
本日、天気にも恵まれ、阪南市のS様邸の上棟が行われました。
一日で、すっかり屋根まで出来上がり、明日の雨に備えた、養生を行って、
無事に棟が上がりました!
通常は、2日程度掛かる上棟。クレーン車も2日程度必要になるケースが多いのですが、
今回は、大工さんが沢山応援に来てくれていたこともあり、1日で棟を上げるまでに
至りました^^
屋起しが終わり、仮筋交いが設置されている様子。
上の写真に写っている、斜めの材料は、この上棟の際に、建物が傾かないように、仮に入れられる『仮筋交い』と、呼ばれるものです。
仮筋交いとは、その名の通り、仮に入れておく筋交いなのですが、仮に入れるこの筋交いも、
『屋起し』と呼ばれる、建物がキッチリと真っ直ぐに建っているかどうかを判定(「建ちを見る」と言う。)して、
配置されます。
下げ振り。
柱を建たせるには、下の写真の道具を使います。
「屋起しナンバーワン」と、言う名前の商品(俗称は?)で、これを建たせたい柱の上に取りついている、
梁に片端を引っ掛けます。
もう片端を、別の動かない角に引っ掛けます。
真ん中にある、回転用のハンドルを回すと、棒が伸びたり、縮んだりするので、それによって、柱を垂直に持って行きます。
屋起しナンバーワン
そして、下げ振りで垂直が確認されたら、もう動かないように、仮筋交いで、
斜めに止めてしまいます。
こうして、要所要所の『建ち』を順番に見ていって、家全体が真っ直ぐに建つように『屋起し』をする訳です。
ここでも、大工さんの長年の経験が活かさせて行くわけです^^
無事、上棟が終わりました!!